マラソンランナーの理想体重は何kg?減量のメリットとランナーの理想の減量法

ランニング知識

マラソンを始めると、思った以上に自分の重みを感じることがありますよね。長い時間同じ姿勢になるので、自分の重みで後半にバテてしまうことがあります。

そこでマラソンの理想体重はどれくらいなのか、という疑問にたどり着くわけです。理想体重はもちろん、マラソンに理想的な減量法を知れば、必要な筋肉は残し、必要ない脂肪だけ落とせるようになりますよ。結果、体が軽くなり楽な走りができるようになるわけです。

ここではただ単にマラソンの理想体重だけでなく、BMIの考え方、理想的な減量法をまとめました。

一般の人と一流マラソンランナーの身長、体重、BMI

まずは、一般の人と一流マラソンランナーの体重、BMIを比較してみましょう。

  1. 一般の人の適性体重、BMI
  2. 一流ランナーの身長、体重、BMI

1.一般の人の適性体重、BMI

一般の人の適正体重、BMIは

(身長m)×(身長m)×22

という式で計算することができます。

160cmの人の場合の適正体重は1.6mx1.6mx22=56.32kgということになります。

この「×22」というのは、BMIが22の値であると最も病気を患いにくいという数値であり、これが適正体重を求める計算式に使われている理由です。

日本肥満学会によると、BMIが

  • 18.5未満 低体重
  • 18.5以上25未満 標準体重
  • 25以上 肥満

というくくりになっています。よって、BMIが18.5〜25の間の体重が一般の人の理想的な体重ということになります。

2.一流ランナーの身長、体重、BMI

次に参考までに一流マラソンランナーの身長、体重、BMIをみていきます。

  • 藤原新   身長:167cm 体重:54kg BMI:19.3
  • 川内優輝  身長:174cm 体重:66kg BMI:21.8
  • 高橋尚子  身長:163cm 体重:46kg BMI:17.3
  • 野口みずき 身長:150cm 体重:41kg BMI:18.2

やや低体重から標準体重に収まっていることが分かります。しかし、日常生活を普通に過ごす一般の人とストイックに鍛える一流マラソンランナーとを、BMIで比較してよいものなのでしょうか

BMIは目安にすぎない

一言で、BMIはあくまでも目安にすぎません。BMIは筋肉量が多くなると、体重が重くなるためにBMI値も大きくなります。そして、男女差を比較しても、女性の方が水分量が多いのでBMI値は高く算定されてしまいます。

以上のことから、筋肉量や、男女差は無視した値である、と理解しておく必要がありますね。

体重を減らすことでマラソンに働くメリット

体重を減らすことでマラソンに働くメリットについて考えていきましょう。

  1. 体が軽く感じる
  2. 膝への負担が少なくなる
  3. 活動代謝が低くなる

1.体が軽く感じる

ただ単純に体が軽くなるので、マラソンにはメリットとして働きます。短距離や砲丸投げのように体重があった方が有利な競技もあります。しかしマラソンには軽い方が走りやすいと言われていますので、身体が軽いことは有利といえるでしょう。

2.膝への負担が少なくなる

体重が減ると、膝への負担は少なくなるのでメリットとして働きます。体重が1kg増えることで、膝へは3kgの負担がかかると言われています。

3kgの増量でも、膝への負担は9kgということになるので、軽視できない値ですよ。

3.活動代謝が低くなる

活動代謝とは、運動や活動をしたときに消費するエネルギーのことを指します。これに対して活動をしなくても消費するエネルギーのことを基礎代謝と言います。

活動代謝は、体重によって左右され、重いと高くなり、軽いと低くなる傾向があります。脂肪をまとった身体であれば、同じマラソンでもエネルギーの消費が大きくなってきますよね。

よって、体重を減らすことにより、小さな消費でマラソンに取り組むことができるようになるわけです。

ランナーの理想の減量法とは

ランナーにとって理想の減量とは、筋肉を残して脂肪を燃焼させるという減量法です。脂肪を減らすことは、メリットになりますが、マラソンに必要な筋肉まで落としてしまっては、スタミナが持ちません。

身体の重さとは、主に「脂肪」、「筋肉」、「水分」の3つです。ランナーにとっては、筋肉も水分も必要なものなので、脂肪だけを落とす減量が理想というわけです。

マラソンのトレーニングをしているとなると「脂肪を燃焼させる」という意味では、そのままで大丈夫です。さらに追加して考える必要があるのは、以下の2点になります。

  1. ウォームアップに筋トレを追加する
  2. 筋肉を増大させる食事を意識する

1.ウォームアップに筋トレを追加する

筋肉を残しながら減量するとなると、トレーニング前に筋トレを取り入れると効果的です。

これを両立させるためにオススメしたい筋トレは、以下の2つになります。

1)ハムストリングを鍛える

【筋力トレーニング】ハムストリングス・体幹強化に!スプリットスクワット

ハムストリングは、お尻から太ももにかけて伸びる筋肉です。

ハムストリングを鍛えることで、柔軟性を保っておけるので怪我予防にも繋がります。また体の中でも大きな筋肉なので、ここを鍛えることで脂肪燃焼効率も上がりますよ。

2)腹筋を鍛える

【たなトレ】RUN向けクランチ〜ランニングに活かせる腹筋方法を教えよう!【腰痛改善】

マラソンの筋トレというと、足の筋肉ばかりを重視しがちです。腹筋のように体幹をしっかり鍛えることで、身体を支える力がつくので、正しい姿勢でマラソンを走ることができますよ。

正しい姿勢によって、膝などへの負担も軽くすることができます。ですから、腹筋はマラソンランナーにとっては非常に重要な筋肉になりますよ。

2.筋肉を増大させる食事を意識する

筋トレにタンパク質、というのは運動する人にとっては鉄板になります。このタンパク質の質、量、摂取タイミングを検討していきましょう。

1)タンパク質の質

必須アミノ酸をバランスよく含んだタンパク質が良質なタンパク質ということになります。必須アミノ酸をバランスよく含む良質なタンパク質は、次のような食材です。

  • 大豆製品
  • 乳製品

タンパク質にも種類があり、体内で作れるものと作れないものがあります。体内で作れないものは、食事から摂取する必要があり、これが必須アミノ酸です。

2)タンパク質の量

タンパク質の量は運動量に比例します。中等度の運動量でまでは、体重1kgにつき1g程度と言われています。

マラソンなどの後なら、回復を見込んで少し多めの1kgにつき1.4g程度で十分でしょう。体重55kgであれば、タンパク質の目安は55〜77g程度になります。

タンパク質は摂り溜めができないので、毎日意識して採り入れる必要がありますね。

3)タンパク質の摂取タイミング

タンパク質の摂取タイミングは、就寝30〜1時間前と、起床後早めに、というのがベストです。

就寝前というのは、就寝中分泌される成長ホルモンはタンパク質の吸収を促す作用があること。起床後というのは、水分、栄養素共に枯渇している状況なので、タンパク質も同様に枯渇しているから、ということです。

食事だけでは大変なタイミングには、プロテインに頼るというのも1つの方法ですね。

最後に

①理想体重をBMIで測ることは、目安にすぎません。BMIは筋肉量が多くなると、体重が重くなり、男女差を比較しても、女性の方が水分量が多いのでBMI値は高く算定されてしまうからです。

②体重を減らすことで、マラソンへのメリットが考えられます。体が軽くなる、膝への負担が少なくなる、活動代謝が低くなる等が主なメリットです。

③マラソンランナーの理想的な減量法とは、筋肉を残して脂肪を燃焼させるというものです。普段のトレーニングに加えて筋トレ、食事も見直すようにしてみましょう。

ランナーの減量法は、ダイエットとは異なってきます。筋トレをして筋肉を残しながら減量できたら、今よりも楽に走れるようになるかもしれませんよ。