プロは当たり前にやっている!気にしているランナーが意外と少ない理想的な頭のポジション

ランニング知識

私はランニングのコーチでパーソナルレッスンをすること多いのですが、初めての生徒さんは姿勢に注目します。姿勢が良くない生徒さんには改善レッスンを行います。改善が難しいのが頭のポジションが悪い方です。

最近は普段の姿勢で頭が前に出ている人が多いです。スマートフォンの見過ぎ、パソコンを使うことが多い人は頭が前にでる姿勢になりがちです。頭は標準体重の10%位の重さがあります。体重が60kgの人は6kgの物体を身体の上に乗せているのです。

頭のポジションが悪いまま走ると首や肩に無駄な力が入りランニングに悪い影響がでます。この記事はランニングで効率の良いフォームを作るための頭のポジションについて書かれています。

頭を支えるのは首、肩、背中の筋肉

頭を身体でキープしようと支えているのは首、肩、背中周りの筋肉です。頭のポジションが悪いとこれらの筋肉に大きな負担がかかります。

日常生活では下を見ることが多い

日常生活の中で人間は上よりも下を見ることが多いです。歩く時歩く先の障害物を認知して避けます。普段からスマートフォンを見ることが多い人は下を向くことが多いです。デスクワークが多いとパソコンを見ることが多くなり下を向いたまま長時間仕事をすることになります。

頭を支えるのは首と肩と背中

下を向いて頭がが下がるとき、頭の支えているのは首の後ろの筋肉と肩、背中の筋肉です。頭が下を向くと首、肩、背中の筋肉で6kgの物体を支えることになります。6kgは14ポンドのボーリングの球と同じ位の重さです。

頭のポジションが前だと首と肩に負担がかかり続ける

会社で内勤の人はパソコンを見ながら仕事をすることが多いです。書類を読んだり、記入する作業も下を向いて行います。この間、頭は下がった状態です。休憩時間や電車の中でスマートフォンを良く見る人も頭が下がった状態です。

頭が下がった状態が続くと頭が前に出た状態で姿勢が固まってしまいがちです

悪い頭のポジション

悪い頭のポジションは身体全体のバランスに大きく影響します。頭のポジションが悪いと見た目の印象も良くないです。

圧倒的に多い頭が前に出た姿勢

街を歩く人を観察すると頭が前に出た姿勢の人が多いです。本人は自分の姿勢に気が付いていないようです。

目線の下がり過ぎも良くない

目線が下がると頭が下がる姿勢になります。この姿勢も肩、首、背中に負担がかかり続けます。

無理に肩を後ろに引くのもNG

猫背を気にして肩を後ろに引く人もいますが、無理に肩を引いても良い姿勢にはなりません。バランスの悪いポジションになりがちです。

良い姿勢と頭のポジションとランニング

頭のポジションが悪いと首、肩、背中に無駄な力が入り、肩甲骨の動きが悪くなります。全体のバランスも崩れ、ランニングに悪影響を及ぼします。

良い姿勢の土台は体幹

良い姿勢を作るには土台となる体幹の意識が大切です。骨盤を真っ直ぐに立てるか軽い前傾をします。骨盤の上から鳩尾にかけて腰の骨(腰椎)は真っ直ぐのイメージです。腰が反り過ぎると腰に負担がかかります。

鳩尾から首の下までの胸の骨(胸椎)は軽く湾曲します。湾曲し過ぎると猫背になるので注意してください。更に骨盤の位置を調整します。骨盤の位置が身体の軸より前だと上体が後ろに倒れます。軸より後ろだと上体が前に倒れます。

軽く腹筋を使って腰の骨(腰椎)付近は安定させますが、胸の骨(胸椎)と骨盤の位置はお互いにバランスをとるように軽く動く状態にします。力の入れ過ぎは良くありません。

体幹の上に頭が乗っかり首でバランスをとっている

土台が出来たら頭を載せます。体幹の土台の上に頭を置いて首でバランスをとるイメージです。頭は上から紐で引っ張られるイメージをして少し目線を上げます

首や肩を固定して頭を支えるのもNG

頭の良い位置をキープしようとして、首や肩に力が入るのも良くありません。力の入れ過ぎは首や肩の筋肉を疲れさせます。

走る時は頭を揺らさない

ランニング中、どんなに体幹がしっかりしているランナーでも身体が上下左右に揺れます。人間の身体は脳を守るよう動くので身体が揺れても首が揺れを吸収して頭が揺れない動きを自然にします。

頭が動くことで視線がブレます。視線のブレは身体全体のバランスを崩します。走る時の頭のポジションは前に出過ぎず、首に力を入れずにリラックスしてバランスをとる感覚が良いです。

悪い頭のポジションの改善方法

頭が悪いポジションで固まっている人の改善方法です。

現状の姿勢を認識する

鏡の横に立ち姿勢全体と頭のポジションを確認します。鏡を横に見るのが難しければ、スマートフォンのセルフタイマー機能を使って撮影するのがおすすめです。第3者にチェックしてもらう方法もありますが、自分の目で現状を確認する方が改善への意欲が高まります。

首周り、肩周りをほぐす

普段動かさない首周り、肩周りをほぐしましょう。ゆっくり丁寧に動かします。首周りはデリケートな部分なので無理に速く動かしてはいけません。特に軽い痛みが出た場合はゆっくりとほぐすように動かします。

痛みがひどい場合は鍼灸治療院や整形外科に行って相談してください。

首周りのストレッチ

首を前後左右に倒して首の筋を伸ばします

首を回す

首周り肩周りの筋肉に刺激を入れる

頭が前に出るポジションを改善させるために、頭を前に出すポジションから正しいポジションにする動きを繰り返します。

首を意識して動かす

肩背中を意識して動かす

姿勢の改善は日常生活での意識が大切

姿勢は癖のようなものです。一日一度のエクササイズを続けてもなかなか身につくものではありません。日常生活の中で、首周り、肩周りをほぐし、首周り、肩周りの筋肉に刺激を入れ、良いポジションを意識します。

ウォーキングで頭のバランスを意識

日常生活の中のウォーキングで良い頭の位置をキープし、リラックスして首でバランスをとる感覚を意識します。

ランニングで意識

ウォーキングの感覚でランニングをします。最初は少しだけで良いです。無理にずっと意識を続けると疲れてしまいます。良いポジションをキープするにはリラックスが大事です。無意識に良いポジションをリラックスしてキープできるようになるのが理想です。

まとめ

頭はとても重い部位です。頭のポジションが悪いと支える筋肉に負担がかかります。頭の悪いポジションで代表的なのは頭が身体の軸より前に出ているケースです。首の後ろ、肩、背中の筋肉に負担がかかります。

悪い頭のポジションが続くと悪いまま固まってしまいます。意識的に改善を行い、良い姿勢を手に入れるのがおすすめです。良い頭のポジションはランニングでも大事です。

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しゅうぞう

しゅうぞう

現役のランニングインストラクターです。パーソナルで教えたランナーは400人以上、レッスン時間は約2000時間になります。週2回のグループレッスンも担当。ランニング学会会員です。ランナー、ランニングインストラクターとしての経験を記事に発信します。自己ベストタイムはフルマラソン2時間57分30秒(2016年)、ハーフマラソン1時間22分3秒(2018年)。