厚底シューズVS薄底シューズ

ランニング知識

今人気のランニングシューズはナイキの厚底シューズです。国内外で多くのトップランナーがナイキの厚底シューズで走り、良い結果を出しています。その影響で市民ランナーでもエリートクラスはナイキの厚底シューズで走る人が多いです。

反面、薄底シューズの愛用しているランナーもいます。年輩のランナーは薄底シューズを履き続けてる方が多いように感じます。厚底シューズ独特の着地感覚が、長年薄底シューズに馴染んできたランナーには合わないのかも知れません。

厚底シューズと薄底シューズをスペック、インプレッション、性能を比較してみました。

スペックを比較してみる

カタログスペックで厚底シューズと薄底シューズを比較しました。ソールの厚さは当然違いますが、ドロップはほとんど同じです。重さは薄底シューズが軽いです。(最新のナイキの厚底シューズは重さが180g程度で薄底シューズとほぼ同等です)

厚底シューズの代表

厚底シューズの代表はナイキズームフライフライニットです。少々古いシューズですが、ナイキの厚底シューズの特徴を備えたシューズです。

ソール厚さ

  • 前足部:23mm
  • 踵部:33mm
  • ドロップ:10mm

重さ

  • 232g(26cm片足)

ミッドソール素材

  • リアクトフォーム

特徴

  • 厚いミッドソール
  • 柔らかく反発性のあるミッドソール素材
  • ミッドソールに埋め込まれたカーボンプレート

薄底シューズの代表

薄底シューズの代表はアディダスアディゼロ匠SEN5です。アディダスの代表的な薄底シューズです。

ソール厚さ

  • 前足部:16.5mm
  • 踵部:25.5mm
  • ドロップ:9mm

重さ

170g(27cm片足)

ミッドソール素材

ブースト

特徴

  • 軽さ
  • ミッドソールのクッション・反発のバランス良さ

インプレッション

インプレッションは個人的な感覚になります。薄底シューズが履きなれているので着地感覚は薄底シューズに分があります。

ズームフライフライニット

履き心地

アッパー全体が弾力性のあるニット素材でできているのでフィット感が高いです。多少締め付けられる感覚があります。
踵のホールドが弱く感じますが、踵が小さいランナーはナイキのシューズには共通して感じる感覚です。

着地感覚

着地で一番感じるのはミッドソールの柔らかさです。踵からドンと着地をするとミッドソールが「グニュッ」と変に潰れる感覚があります。
前中足部から着地して踵に重心を移す着地をすると「キュッ」とミッドソールが着地を吸収してくれます。

推進力

踵から着地をすると不自然にミッドソールが潰れるので、反発力が上手く感じられません。前中足部からの着地だとミッドソールの反発が使え、推進力を感じることができます。

アディゼロ匠SEN5

履き心地

アッパーはオールニットですが、伸縮性は余り高くはなくしっかりした履き心地です。
踵のホールド感は、同じアディダスのアディゼロジャパンと比べると少し悪い感じです。

着地感覚

前中足部で着地をするとミッドソールのブースト素材が心地良く着地を吸収します。安定した着地感があります。着地時間を短くするイメージで走る方がこのシューズには合っているようです。

推進力

着地時間を短くするイメージで足の前中部で着地をすると自然な反発を感じられます。
反発の感覚を推進力に乗せることが上手くいけば心地の良い推進力を得られます。

ランニングフォーム比較

厚底シューズ、薄底シューズを履いて200m程度走ったランニングフォームを動画で撮影しました。ペースは4:00/km位です。

動画比較

ズームフライフライニット

アディゼロ匠SEN5

動画考察

動画を見るとズームフライニット(厚底シューズ)の方が少し上に跳ねている感じですが、フォームに大きな違いは出ていません。着地感覚は大きな違いがあるにも関わらず、実際の映像では違いが余りないのは興味深い結果です。

厚底シューズVS薄底シューズの性能比較

厚底シューズと薄底シューズの性能を数字で比較します。

比較方法

  • 同じコースを2km走ります
  • 0~1kmで心拍数を150まで上げます
  • 1~2kmは心拍数を150にキープしたまま走ります
  • 1~2kmの平均ペースを計ります

1~2kmの平均ペースが速い方のシューズが効率よく走れる良いシューズということになります。

参考データとして、ランニングウォッチのガーミン620Jで測定した

  • 平均ピッチ
  • 平均ストライド
  • 左右バランス
  • 着地秒数
  • 着地上下動

を比較します。

結果

項目 ズームフライフライニット アディゼロ匠SEN5
平均ペース(/km) 4分13秒 4分13秒
平均心拍数(回/分) 152 151
平均ピッチ(回/分) 195 196
平均ストライド(m) 1.23 1.22
左右バランス(%) 49.3:50.7 48.8:51.2
着地秒数 212 217
着地上下動 7.6 7.3

考察

計測されたペースはどちらのシューズも4:13/kmで同じです。性能は互角ということになります。平均ピッチ、平均ストライドも大差はありません。全く違うコンセプトのシューズを比較した結果、性能が変わらないという結果になりました。

数字の結果はシューズを使いこなすのはランナーのスキルも影響します。ズームフライフライニットは使い始めて半年になりますが、まだ使いこなせていない状態です。アディゼロ匠SENはこの日初めて履きました。

シューズに慣れてくると、それぞれのシューズの特徴を活かして違った走り形になるかも知れません。

まとめ

インプレッションは履き慣れた薄底シューズが圧倒的に良かったです。性能的には、ほぼ同じという結果になりました。ナイキズームフライフライニットはまだ履きこなせていない状態です。アディダスアディゼロSEN4はこの日初めて履いたシューズなので、もっとシューズの良さを引き出す走りができそうです。

どちらのシューズもタイムアップへの可能性が十分に残されていると言えそうです。

ナイキの厚底シューズを履きこなすにはテクニックが必要です。独特の着地感覚は薄底シューズに慣れたランナーには合わないかも知れません。着地はフォアフット着地かミッドフット着地がシューズの良さを引き出せそうです。

どちらのシューズも上手く使いこなせることが、シューズの性能を引き出す鍵になります。厚底シューズが圧倒的に人気で評判も高いのですが、薄底シューズも性能を上手く活かすことができれば、厚底シューズに対抗できそうです。

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しゅうぞう

しゅうぞう

現役のランニングインストラクターです。パーソナルで教えたランナーは400人以上、レッスン時間は約2000時間になります。週2回のグループレッスンも担当。ランニング学会会員です。ランナー、ランニングインストラクターとしての経験を記事に発信します。自己ベストタイムはフルマラソン2時間57分30秒(2016年)、ハーフマラソン1時間22分3秒(2018年)。