フルマラソンで自己ベストタイムを更新するにはトレーニングの期分けが大事

ランニング知識

フルマラソンの自己ベストタイムを伸ばしたいと思いトレーニングを頑張っているランナーは多いのではないでしょうか。ランニングを始めてから3年目を過ぎるとだた走るだけではタイムが上がらなくなります。

長い距離を走るトレーニングやスピードを上げるトレーニングを取り入れるようになります。走る距離やペースに変化をつけるトレーニングは効果があります。タイムアップを狙う上でもう一つ大事なのは一年間を通してトレーニング計画を立てることです。

長い距離を走れる脚を作る時期、スピードをつける時期など、一年の中でトレーニングの重点を変える計画が必要です。これを「トレーニングの期分け」と言います。

何故、期分けをするの?

期分けはトレーニングに変化をもたらし、トレーニング効率を上げます。季節に合わせたトレーニングもトレーニングの効率化に役立ちます。

トレーニング効果を上げる

毎日同じようなトレーニングの繰り返しでは、走力アップが頭打ちになってしまいます。トレーニングの効果を上げるためには、基礎を作る時期、スピードをつける時期など、テーマを分けたトレーニングが効果的です。

トレーニングに飽きないようにする

トレーニングに飽きてしまうことも、走力アップにはマイナスです。トレーニングに変化を持たせることで、新たなモチベーションになります。

季節に合わせたトレーニングをする

走りやすい時期には長い距離を走り、暑い時期は短い時間にスピードトレーニング入れるなど、気候に合わせたトレーニングを選ぶことは大切です。

フルマラソンタイムアップに向けた5つの期分け

フルマラソントレーニングの期分けの考え方は、コーチによって異なります。ここでは5つの期分けをする方法を紹介します。

休養期

フルマラソンシーズンが終了したら、まず身体を休めて次のシーズンへのトレーニングに備えます。全く走るのを止めるのではなく、走る距離、ペースを落としてランニングは続けます。競うこと無くランニングの楽しさを改めて感じる時期にしても良いです。

シーズン終了から1ヶ月位を休養期にあてます。

ベース養成期

休養期が終わったら再び走る距離を伸ばしていきますペースは余り意識しないで長い距離を走れる脚を作ることを重視します。週に1回、長い距離を走るトレーニングがメインになります。LSD、マラニックなども有効なトレーニングです。

暑くなり始める6月位まで続けます。

スピード養成期

暑くなり始めると、長い距離を走るトレーニングが難しくなります。暑い時期はスピードを養成する時期にするのが良いです。暑さを避けてインターバル、ペース走、ビルドアップ走などを週1回のスピードトレーニングとして取り入れます。

暑さが納まる9月位まで続きます。

スピード持久力養成期

暑さが和らいできたら再び走る距離を伸ばしていきますこの時期はペースも意識しながら距離を伸ばします。一定のペースで粘って走れる力をつけていく時期です。レースの仕上げ期前まで続けます。

仕上げ期

レースに向けた仕上げの時期です。レース前の最後のロング走を行い疲労をピークに持っていきます。疲労のピークからトレーニングの量を減らしていき、レースに向けて疲労を抜いていきます。

レースペースの感覚は維持したまま疲労を抜きレースに臨みます。1ヶ月位が仕上げ期の期間です。

期分けの例をみてみよう

一年間を通じた期分けの例を見てみましょう。

フルマラソンでタイムを狙う場合、年間2レースが理想

フルマラソンでタイムを狙う場合、理想的には年間2レースが良いです。シーズンの前半に1レース後半に1レースです。最近は温暖化の影響なのか、10月末や3月中旬でも気温が高いことがあります。

暑さはタイムを狙うレースには適していないので、前半レースは11月下旬から12月、後半レースは1月から3月上旬にするのが良いです。

期分けの例

期分けは、レースから遡って計画します。今回の例では11月下旬に前半レース2月下旬に後半レースを入れました。

3月上旬に後半レースが終わり、休養期

前シーズンの後半レースが3月上旬に終わり、4月上旬まで休養期に入ります。故障している箇所があれば治療に専念します。

主なメニュー:ジョグ

4月中旬~5月下旬はベース養成期

前シーズンの疲労が抜けたところで、リフレッシュした気持ちで来シーズンのトレーニングに入ります。先は長いので無理をしないで少しづつ走る距離を伸ばしていきます。前シーズンに故障をしたランナーはフォームを見直すにも良い時期です。

主なメニュー:ジョグ、LSD、流し(ウインドスプリント)

6月上旬~9月中旬はスピード養成期

ベース養成期で長い距離を走れる脚を一段階レベルアップできれると、暑い時期のトレーニングもやりやすくなります。暑くなるに従ってトレーニング時間を短くしスピードを意識するトレーニングに切り替えます

暑さが本格的になる前に一度スピードトレーニングのピークを持っていきます。暑さが厳しい時期はレベルを一旦落として体調を崩さないように暑さを凌ぎます。暑さが納まり走りやすくなってから再びスピードトレーニングのピークを持っていきます。

主なメニュー:インターバル走、ビルドアップ走、ペース走

9月下旬~10月中旬はスピード持久力養成期

涼しくなってくると自然にランニングパフォーマンスが上がります。前半レースに向けて今まで培ってきた、持久力とスピードを融合させます

主なメニュー:距離走、ペース走

10月下旬~11月中旬は仕上げ期

前半レースに向けた仕上げです。最後の距離走を行ってから、ジョグとペース走を組み合わせて疲労を抜きながら、スピードを維持します。

主なメニュー:距離走、ジョグ、ペース走

11月下旬に前半レース

いよいよ前半レースです。

12月上旬~12月中旬は休養期

前半レースが終わった後、1週間位は疲労を抜く時期にします。

主なメニュー:ジョグ

12月下旬~1月中旬はスピード持久力養成期

後半レースに向けたスピード持久力養成期です。

主なメニュー:距離走、ペース走

1月下旬~2月中旬は仕上げ期

後半レースに向けた仕上げです。最後の距離走を行ってから、ジョグとペース走を組み合わせて疲労を抜きながら、スピードを維持します。

主なメニュー:距離走、ジョグ、ペース走

2月下旬に後半レース

シーズン締めくくりのレースです。

まとめ

期分けはトレーニング効果を上げるために有効な手段です。季節に合わせたトレーニングを入れることにより身体への負担も少なくできます。期分けにより今、鍛えるべき能力が明確になり点も期分けのメリットです。

一年を通じた期分けの考え方は、トレーニング計画の大枠にもなります。大枠がしっかりしていれば、トレーニング計画がブレ難くなります。

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しゅうぞう

しゅうぞう

現役のランニングインストラクターです。パーソナルで教えたランナーは400人以上、レッスン時間は約2000時間になります。週2回のグループレッスンも担当。ランニング学会会員です。ランナー、ランニングインストラクターとしての経験を記事に発信します。自己ベストタイムはフルマラソン2時間57分30秒(2016年)、ハーフマラソン1時間22分3秒(2018年)。