ランニング上級者にも役立つウォーキングでランニングのフォーム作り

ランニング知識

ウォーキングはランニング初心者にすすめられるトレーニングです。ランニングに慣れるまでウォーキングとランニングを併用して身体を動かすことは怪我の予防にもなります。ロングウォークは初めてフルマラソンに挑戦するランナーの基礎作りに有効です。

では上級者ランナーのフォーム作りにウォーキングは有効なトレーニングなのでしょうか。「ランニングとウォーキングの身体の動きは違うので、ウォーキングはランニングのフォーム作りにはならない」というの一般的な意見です。

日常生活で歩くことは多くあります。歩く時間をランニングのフォーム作りに活かすことが出来れば効率的なトレーニングになります。

ウォーキングとランニングの違い

ウォーキングとランニングの違いから見ていきましょう。何が違うのか何故ランニングのフォーム作りに活かすことができないのか、を確認します。

着地

競歩競技では「どちらかの足が地面についている」必要があると規定されています。両足が地面から離れると「 ロスオブコンタクト 」という反則になります。一般的にウォーキングとランニングの違いも「ウォーキングはどちらかの足が地面についており、ランニングは両足が地面から離れる瞬間がある」と認識されています。

ウォーキングの踵は着地から場合は多く、ランニングはランナーによって最初に着地するのは踵、中足部、前足部に分かれます。

競歩競技では「前足は地面に着いた瞬間から地面と垂直になるまで膝を伸ばさなければならないというもの。」必要があると規定されています。膝が曲がると「ベントニー」という反則になります。無意識に多くの人はかかとから着地をして膝を伸ばし気味のまま体重を軸足に乗せます。

ランニングでは着地で体重が足に乗った瞬間は、足関節、膝関節、股関節をが曲がった状態です。ランニングとウォーキングで大きく違う動きをしています。

骨盤と上半身の旋回

ウォーキングでは骨盤と上半身を捻る動きをしています。右の骨盤が前に出ているとき左上半身が前になります。左の骨盤が前に出ているとき右上半身が前になります。ランニングでは骨盤と上半身は同じ動きになります

ゆっくり走る場合はウォーキングのような捻る動きで対応できますが、ペースが上がると捻る動きが追いつかなくなります。

競歩の動きはランニングのトレーニングになるか?

視点を少し変えて競歩のフォームで歩くのはランニングのトレーニングになるのかをみていきましょう。ウォーキングはエネルギー効率の点ではランニングより優れています。競歩のトップ選手は1kmあたり4分を切るスピードが出せます。

早歩きと競歩の動きは違う

一般の人の早歩きと競歩のフォームは違います。どんなに早歩きをしても1kmあたり4分のペースは出せません。競歩のフォームは「ランニングを競歩のルールで行う」と表現するのが良さそうです。

競歩の動きは高等テクニック

競歩の動きで得られるものはたくさんあります。一つは速いピッチです。ウォーキングはランニングに比べてストライドを伸ばすことが難しいです。ペースが上げるにはピッチを上げることになります。もう一つは体幹、上半身の使い方です。

上半身も上手く連動させないと速いペースで安定して動くことはできません。

ランニングに活かすことは出来るが日常生活では使い難い

競歩の動きは独特です。特にピッチの速さは目を見張るものがあります。なかなか日常的なウォーキングで競歩の動きをすることは難しいです。結論として競歩の動きはランニングに役立つが、普段歩くときのトレーニングには向いていないです。

ランニングのフォーム改善に役立つウォーキングフォーム

ランニングのフォーム改善に役立つウォーキングフォームは、身体の使い方を少し変えます。ポイント5点です。

軽い前傾を意識

ランニングと同じように軽い前傾姿勢を作ります前傾は股関節を曲げることで作ります。

股関節、膝を曲げて着地

ランニングと同じように着地は股関節、膝を曲げます。膝よりも股関節の意識が重要です。

骨盤と上半身を捻らない

最初は難しいと思いますが意識してみましょう。

骨盤と上半身の連動

捻りの動きはありませんが、骨盤と上半身は連動させます。

動画で見るランニング、ウォーキングフォームの比較

実際にランニングフォーム作るためのウォーキングを動画でみていきましょう。ランニングとウォーキングの中間的な動きになります。

ウォーキング

ランニングフォームを作るウォーキング

ランニング

まとめ

ウォーキングはランニングのフォーム作りに活かすことができます。そのためにはウォーキングをランニングの動きを意識して行うことが必要です。ウォーキングとランニングでは身体の使い方が違います。違いを踏まえて意識を変えていきましょう。

ウォーキングは日常生活の通勤や買い物など行うことが多いので、ウォーキングをランニングのフォーム作りに活かすことができればトレーニング時間の節約になります。

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しゅうぞう

しゅうぞう

現役のランニングインストラクターです。パーソナルで教えたランナーは400人以上、レッスン時間は約2000時間になります。週2回のグループレッスンも担当。ランニング学会会員です。ランナー、ランニングインストラクターとしての経験を記事に発信します。自己ベストタイムはフルマラソン2時間57分30秒(2016年)、ハーフマラソン1時間22分3秒(2018年)。