エネルギーに注目してランニングのトレーニングを見直してみましょう

ランニング知識

身体を動かすにはエネルギーが必要です。ランニングも体内で作られたエネルギーを使って走ります。エネルギーを作る材料は「糖」「脂肪」「酸素」です。フルマラソンのような長い距離にはエネルギーの枯渇を防ぐことが大切になります。

ランニングのペースもエネルギーに大きく関係します。ペースが上がると必要なエネルギーが多くなり、エネルギー生産が追い付かないとペースを上げるのがきつくなります。長く速く走るにはエネルギーの生産効率を上げるか、少ないエネルギー走れるフォームが必要です。

この記事はエネルギーに注目をして、ランニングのパフォーマンスアップに役立つトレーニング方法を紹介します。

エネルギーが作られる仕組みを簡単に理解しておこう

ランニングに使われるエネルギーが作られる仕組みを理解しておくと、トレーニングの意味を理解しやすくなります。

エネルギーの材料は「糖」「脂肪」「酸素」

エネルギーを作りには「糖」「脂肪」「酸素」が必要です。「糖」「脂肪」は食事から体内に取り入れられ、貯蓄されていきます。「酸素」は呼吸で取り入れられます。

エネルギー作りに「糖」と「酸素」は重要

「糖」と「酸素」でエネルギーは作れますが、「脂肪」と「酸素」ではエネルギーは作れません。「脂肪」を材料にする場合「糖」と「酸素」も必要になります。

「脂肪」は体内にたくさん貯蓄できるが「糖」は少ししかできない

ランニングなど長時間の運動でのエネルギー切れとは「糖」が体内で枯渇してエネルギーを作り出せない状態です。「脂肪」はたくさん余っているのに「糖」が無いためエネルギーを作れなくなるのです。

エネルギーを作る工場は筋肉の細胞

エネルギーを作るのは筋肉内の細胞にあるミトコンドリアという組織です。ミトコンドリアに「糖」「脂肪」「酸素」が運ばれてエネルギーが作られます。

エネルギー工場へ酸素を届ける能力が重要

「酸素」は呼吸で空気から取り入れられ、肺で血液に溶け込ませます。血液の流れでエネルギー工場の筋肉細胞内のミトコンドリアに届けられます。「酸素」をミトコンドリアまで運ぶためには、呼吸、肺、心臓の能力が重要になります。

エネルギー工場の能力もパフォーマンスアップには重要

エネルギー工場のミトコンドリアはトレーニングによって数が増えたり能力が上がったりします。ミトコンドリアの能力が上がるのは身体のパフォーマンスアップになります。

少ない糖で長時間動く身体を作る

フルマラソンでエネルギー切れを起こさないためには、少ない「糖」で多くの「脂肪」を使いエネルギーを作れる身体にすることが有効です。「糖」が少ない状態で走ることにより身体が「糖」を節約して走ることに対応します。

身体の適応能力を活かす

人間の身体は負荷に対して適応する能力があります。「糖」が少ない状態で走るトレーニングを続けていると、少ない「糖」で「脂肪」を燃やしてエネルギーを作る能力が高まります

ロング走でエネルギーを取らない

ロング走でエネルギーを取らないトレーニングは、少ない「糖」で「脂肪」を燃やす能力を上げるために有効です。但し、「糖」が枯渇してしまうと「脂肪」を燃やすことが出来ず、走れなくなってしまいます。走る前にある程度「糖」を貯め込みます。

空腹状態で走る

朝起きて食事をとらずに走る方法も有効です。水分は適量摂取してから軽く短めの距離を走ります。エネルギーがほとんど無い状態なので無理はできません。最初は少しだけエネルギー補給をして走っても良いです。慣れてきたら摂取するエネルギーを減らしていきます。

「酸素」を運ぶ能力が高い身体を作る

心肺機能を鍛えるトレーニングです。肺自体に空気を取り込む能力は無いので、肺の周りの横隔膜、呼吸筋を鍛えます。血液を送り出す量を増やすには心臓の機能を鍛えます。

高い心拍数を維持するトレーニング

高い心拍数を維持することは心肺機能強化に有効です。理想は最大心拍数の95~100%をキープすることです。高い心拍数をキープすることは身体にとってきついので長い時間継続できません。この矛盾を解決するのがインターバルトレーニングです。

最高心拍数の60~70%で走る

高い心拍数は心臓の鼓動を速くすることで送り出す血液の量を増やすことになります。心臓の収縮機能を最大に使うのは最高心拍数の60~70%の時だと言われています。最大心拍が175のランナーは105~123の時です。低めの心拍数の方が心臓は1回1回しっかりと収縮します。

ゆっくりと長い時間を走る

ゆっくりと長い時間走ることで毛細血管が発達します。毛細血管が発達すれば、細胞の隅々まで酸素が行き渡りやすくなり、エネルギーの生産効率が上がります

エネルギー製造工場の精算能力が高い身体を作る

エネルギーの生産工場であるミトコンドリアを増やすには、身体に負荷をかけてエネルギーが足りない状態を作り出すトレーニングが有効です。

短い距離を速く走る

短い距離を速く走るとエネルギーの生産が追いつかず、身体の中でエネルギーが足りない状態が作られます。身体はミトコンドリアを増やしてエネルギー生産効率をあげようとします

エネルギー面のおすすめのトレーニングベスト3

エネルギー面からおすすめトレーニングを3つあげます。強度が高いものから低いものまで様々です。バランスよく取り組むと良いです。

インターバルトレーニング

効果

  • 心肺機能の強化
  • ミトコンドリアを増やす

トレーニングのポイント

最高心拍数の95~100%で運動する時間をできるだけ長く必要があります。高い拍数での運動は60秒程度が限界です。急走を60秒程度、緩走を短めのインターバル走が心肺機能強化には適しています

ミトコンドリアを増やすには身体がエネルギー不足を感じる状態を作れば良いです。心肺機能強化のインターバル設定より、少し強度を落としても良いです。

LSD(ロング・スロー・ディスタンス)

効果

  • 毛細血管を発達させる
  • 心筋の収縮機能を鍛える
  • 少ない糖で走れる身体を作る(摂取エネルギーを少なくすれば)

トレーニングのポイント

ゆっくりペースで長い時間(距離)を走ります。ペースは最大心拍数の60~70%、1kmあたり7分30秒~8分などと言われています。走る時間(距離)はランナーのレベルによって違ってきます。10kmを走れるランナーなら90分間から始め、段々と時間を伸ばしていきます。120~180分間走ると効果的です。

ミトコンドリアを増やす、少ない糖で走れる身体を作るには、走る前の食事を控えめにして途中の補給を取らないことです。途中でエネルギー切れを起こさない程度の食事はとっておきましょう。

空腹ランニング

効果

  • 少ない糖で走れる身体を作る

トレーニングのポイント

空腹で走る状況を作り出します。朝起きてから水分だけを補給してランニングに入るのも良い方法です。

まとめ

ランニングで必要なエネルギーがどのようにして作られるか、どのようなトレーニングがエネルギーの生産効率が上がるのかを理解することはトレーニングの質を上げることに役立ちます。トレーニングは目的を意識して行うと効果が高くなります。

トレーニングは個人個人合った方法で行うのが良いです。自分に合ったトレーニングを行うには理論を理解し、実践し、結果を踏まえて次のトレーニングに活かすことが大切です。

 

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しゅうぞう

しゅうぞう

現役のランニングインストラクターです。パーソナルで教えたランナーは400人以上、レッスン時間は約2000時間になります。週2回のグループレッスンも担当。ランニング学会会員です。ランナー、ランニングインストラクターとしての経験を記事に発信します。自己ベストタイムはフルマラソン2時間57分30秒(2016年)、ハーフマラソン1時間22分3秒(2018年)。