フルマラソンは歩きを入れた方が良いタイムでゴールできる?ウォークブレークとは何か?

ランニング知識

ハイキングやトレッキングなど長い時間をかける運動は、途中で休憩を入れることで無理なくゴールにたどり着くことができます。フルマラソンも競技時間が3~7時間と長い時間身体を動かす運動です。

途中で休みを入れると後半の足の疲労が少なくなり、歩く時間が短くなるので結果的に良いタイムでゴールできます。ウォーキングを入れて脚を休める手法を「ウォークブレイク」と言います。「ウォークブレイク」は初めてフルマラソンを走る方、初心者ランナーに特に有効です。

「ウォークブレイク」とは

「ウォークブレイク」とはアメリカのランニングコーチ、ジェフ・ギャロウェイ氏が「ギャロウェイのランニングブック」で紹介した手法です。フルマラソンのような長い距離を走る場合、途中でウォーキングを入れて脚を休ませることで後半の失速を防ぐ方法です。

歩くことで脚の疲労を抑える

10kmを全く歩かずに走る場合1km毎にウォーキングを入れる場合を比べるとウォーキングを入れる方が楽に感じる人が多いのではないでしょうか。高い走力があるランナーはウォーキングを入れるとリズムが乱れると感じるかも知れません。それでも走った後の疲労感はウォーキングを入れた方が少ないはずです。

具体的な手法は未知

「ウォークブレイク」により脚の疲労を抑える効果は実感できますが、具体的な効果を数値化したデータは無いです。どれ位の頻度でウォーキングを入れ、どれ位の時間歩くのが最適なのかも未知です。脚に疲労を感じる前にウォーキングを入れるのが良いと言われています。

「ウォークブレイク」のメリット

「ウォークブレイク」のメリットは脚の疲労蓄積減らすだけでなく、距離を区切ることでメンタル的な効果も期待できます。

脚の疲労蓄積を減らせる

「ウォークブレイク」を入れる最大のメリットは身体の疲労蓄積を減らせることです。ウォーキングはランニングに比べて運動強度が低いので歩いている間は身体を休めることになります。ランニングとウォーキングでは使う筋肉が違うのでランニングの筋肉を休ませる効果も期待できます。

走りのリズムをリセットできる

長い距離を休まずに走っていると筋肉疲労により姿勢が崩れ、ランニングフォームが悪くなることがあります。「ウォークブレイク」を入れることで筋肉疲労が抑えられると共にランニングフォームをリセットすることができます。リセットを繰り返すことで良いランニングフォームを維持できるので疲労が少なく走れます。

フルマラソンを分割して走れる

フルマラソンをスタートするときに42.195kmという途方もない距離を走ると思うとネガティブになることがあります。5km毎に「ウォークブレイク」を入れることで、5km×8セットと2.195kmという小さな目標にフルマラソンを分割することができます。目標を立てるときに小さな目標に分割するのは有効な手法です。

「ウォークブレイク」のデメリット

「ウォークブレイク」の最大デメリットは歩く時間のタイムロスです。歩くことに罪悪感を感じるランナーもいます。

タイムをロスする

歩くことによりタイムロスが発生します。フルマラソンを4時間で走るランナーは1km辺り5分40秒のペースで走ります。歩くことで1km辺り10分程度にペースが落ちます。60秒間歩くと100m進めますが、走り続けた場合100mは34秒で走れます。つまり60秒間歩くと26秒のタイムロスになります。

フルマラソンで5km毎に60秒の「ウォークブレイク」を入れると3分28秒のロスになります。

歩くことに罪悪感を覚える

「完走とは一歩も歩かずに走りきること」と考えているランナーは多いです。スタートして5kmも行かないところで歩くことに罪悪感を覚えるかも知れません。歩かず走りきることを目標にするのは個人の自由です。

目標がフルマラソンの自己ベストタイム更新であれば、「ウォークブレイク」を入れる戦略を取り入れることを検討する価値はあります。

歩く頻度、時間がどれ位が良いのか分からない

「ウォークブレイク」は未知的な手法です。どれ位の頻度でウォーキングを入れ、どれ位の時間歩くのが良いか、明確な指針はありません。ランナーが試しながら自分に最適な組み合わせを模索している状況です。

初心者ランナーへおすすめの「ウォークブレイク」方法

初心者ランナーがフルマラソン完走を目指すとき、「ウォークブレイク」はとても有効な手段です。ウォーキングを入れて脚を休ませることで、脚の疲労を抑え、故障のリスクを減らせます。

ケース1:給水所で歩く

フルマラソンの給水所は大体5km毎に設置されています。前半は間隔が長く、後半に向けて段々と間隔が短くなります。「ウォークブレイク」を給水所毎に行うのは初心者には分かりやすい方法です。給水所は走りながらコップを取って走り抜け、人混みを抜けてから後のランナーに気をつけならがウォーキングに入ります。

給水をしながら「ウォークブレイク」を行い、呼吸が落ち着いて脚が少し休めたと思ったらランニングに入ります。このパターンを繰り返します。

ケース2:決めた距離毎に歩く

走る前に「ウォークブレイク」のタイミングとウォーキング時間を決めておきます。例えば「5km毎に90秒間のウォークブレイクを入れる」「2.5km毎に60秒間のウォークブレイクを入れる」などです。「ウォークブレイク」をルーティーンとする作戦です。

ケース3:事前にウォーキングポイントを決めておく

事前にコースマップを見て「ウォークブレイク」のポイントを決めておく方法です。「ウォークブレイク」を入れやすいポイントは「給水所」「上り坂」などペースが落ちる地点です。距離とポイントを勘案して「ウォークブレイク」のポイントを選びます。

「ウォークブレイク」で大切なのは「疲れる前に脚を休ませる」ことです。コース前半にも「ウォークブレイク」を入れることが大切です。

「ウォークブレイク」でサブ3は狙えるか?

「ウォークブレイク」は初心者には有効な手法ですが、エリートランナーにも有効なのか、サブ3を狙うランナーをモデルに検証してみます。

サブ3にはどれ位のロスタイムが許されるのか?

サブ3を狙うには1km辺り4分15秒のペースで走る必要があります。このペースで走ると2時間59分20秒でフルマラソンを完走できます。サブ3に手が届きそうなランナーは1km辺り4分10秒ペースで走ることは出来るが、後半失速してしまい3時間5分位になってしまうケースが多いです。

1km辺り4分10秒ペースでフルマラソンを走り切れれば2時間55分29秒です。このペースをベースに「ウォークブレイク」を入れて後半までペースキープが出来るとすると、ロスタイムは4分31秒になります。少し余裕をみると3分30秒にロスタイムを抑えたいところです。

「ウォークブレイク」の頻度と時間は?

1km辺り4分10秒ペースで1分間の「ウォークブレイク」を入れると多くても3.5回になります。3回とすると10km毎に1分間の「ウォークブレイク」を1回入れることができます。1回の「ウォークブレイク」を30秒とすると7回入れることできます。5.25km毎に30秒の「ウォークブレイク」を1回入れることができます。

「ウォークブレイク」によるサブ3をシミュレーション

ウォークブレイクのタイプ 回数 時間(秒) 入れる距離
歩く時間を長め 3 70秒 10km
標準 6 35秒 5km
回数を多め 12 17秒 2.5km

平均して1kmあたり4分10秒ペースをキープし、上記表の「ウォークブレイク」を入れるとサブ3を達成できます。ロング走で「ウォークブレイク」を試して、自分に合った「ウォークブレイク」のタイプを見つけていきましょう。

まとめ

「ウォークブレイク」には多くのメリットがあり、フルマラソンを良いタイムで走るために有効な手法です。初めてフルマラソンを走るランナーや初心者ランナーには特におすすめです。「ウォークブレイク」はアメリカのランニングコーチであるジェフ・ギャロウェイ氏が紹介していますが、最適なウォーキング時間、頻度などは示されていません。

ランナーの試行錯誤で最適なものを探すことになります。エリートランナーに対して「ウォークブレイク」が有効かも検証の余地があるのが現状です。

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しゅうぞう

しゅうぞう

現役のランニングインストラクターです。パーソナルで教えたランナーは400人以上、レッスン時間は約2000時間になります。週2回のグループレッスンも担当。ランニング学会会員です。ランナー、ランニングインストラクターとしての経験を記事に発信します。自己ベストタイムはフルマラソン2時間57分30秒(2016年)、ハーフマラソン1時間22分3秒(2018年)。