秋のフルマラソンに向けた長期計画を立てよう

ランニング知識

冬のランニングシーズンが終わるとモチベーションが下がるランナーも多いのではないでしょうか。目標レースが終わればモチベーションが下がるのは、仕方がないことです。来シーズンへ向けて少し充電期間を設けるのも良いことです。

来シーズンもフルマラソンで良い結果を残したいのであれば、来シーズンに向けたトレーニングを計画を立てましょう。計画を立ててみると春から夏前がレベルアップには重要な時期だと分かります。

来シーズンの計画を立てると今すべきことが見えてきます。

まず、来シーズンのレース計画を立てる

来シーズンの勝負レースを決め、逆算してトレーニング計画を立ててみましょう春から夏へのトレーニングがとても重要なことが分かってきます

来シーズンの目標レースを決める

来シーズン前半の勝負レースを決めることで、トレーニング計画の軸ができますおすすめは11月末か12月始めに勝負レースを入れることです。10月に勝負レースを入れると9月の残暑の中でレースに向けた仕上げのトレーニングを入れることになります。

夏の暑さが残っているために十分なトレーニングができないままレースを迎える可能性が出てきます。11月末が勝負レースなら10月後半から11月前半に仕上げのトレーニングができます。

レースから逆算して大まかな計画を立てる

勝負レースを11月末とし、逆算して計画を立てます。
・11月末勝負レース
・11月中旬~後半 最終調整(疲労抜き)
・10月中旬~11月中旬 レース仕上げ(最後の走り込み)
・9月中旬~10月中旬 レースに向けたトレーニング(スピードと距離を上げてゆく)
・7月中旬~9月中旬 暑い中でのトレーニング(暑い中でも走力を維持)
・6月中旬~7月中旬 夏前のトレーニング追い込み(暑くなるまでにレベルアップ)
・5月中旬~6月中旬 春のトレーニング後半(来シーズンに向けたレベルアップ)
・4月中旬~5月中旬 春のトレーニング前半(欠点を補うトレーニング)
・3月中旬~4月中旬 シーズンの疲労抜き+ランニングの継続

7月中旬~9月中旬は暑さのためにきついトレーニングが難しいです。無理をすると体調を崩してしまいます。レベルアップのためのトレーニングは暑さが本格的になる前に一旦終わらせることになります。

仕事の繁忙期などを考慮してトレーニングに集中できる時期を見つける

仕事が忙しくて計画通りにトレーニングが進められないことがあります。忙しい時期が事前に分かっている場合は仕事が忙しい時期を休養期間にあてるなどの工夫をします。トレーニングに集中できる時期は少しハードなトレーニングを入れます。

シーズン終了直後:休養を入れながらランニングを継続

リフレッシュする期間です。故障を抱えながらシーズンを終えたランナーには故障を治す期間にもなります。

走る距離、ペースを抑えて疲労を抜く

ランニングシーズンが終わり休養期間を入れるのはリフレッシュするために良いことです。一旦トレーニング計画から離れてランニングを楽しむ期間にします。ランニングシーズンに溜まった疲労も抜きましょう。

故障がある場合は治すことを優先

故障をかかえたままランニングシーズンを過ごしたランナーは治療に専念しましょう。治療院に行ってケアをすることも大事です。場合によっては走らない方が良い場合もあります。

タイムに囚われずランニングを楽しむ期間にする

気楽にジョギングを楽しむことを思い出しましょう。ランニングを楽しみます。ランニング仲間とマラニックに行ったり、トレイルランに挑戦するにも良い時期です。

春から初夏:昨シーズンを振り返り弱点補強

リフレッシュ期間が終わったら来シーズンに向けてのトレーニングに入ります。春は気温が冬に比べて気温が上がりますが走りやすい季節です。長い距離を走ったり、走るペースを上げるトレーニングがしやすいです。

スピードが必要なのか、距離が必要なのか欠点を改善

昨シーズンを振り返って、目標に対してスピードが足りなかったのか、距離を走る脚が出来ていなかったのかを反省します。弱い部分を強化することは大切です。

暑くなる前に距離に慣れておくのもおすすめ

春は暖かい日が多く長い距離を気持ちよく走れます。走力のベースを作り直す意味でもこの時期に長い距離のトレーニングを入れるのはおすすめです。

ランニングフォーム改善に適した時期

ランニングシーズン中に大幅なフォーム改善はリスクがあります。フォーム改善は走りのリズムを狂わしたり、今まで使っていない筋肉を使うことによる故障のリスクもあります。レースまで期間が長いこの時期はフォーム改善に適しています

夏:暑さを考慮したトレーニング

6月に入ると暑さが増してきてランニングのパフォーマンスが落ちます。7月に入り梅雨が開けると暑さが本格的になります。無理をすると暑さによる疲労が溜まったり、内臓疲労を引き起こすことがあるので注意が必要です。

暑い時期は長い距離やハードなトレーニングは出来ない

来シーズンへの計画を立てる中で、夏の暑い時期は長い距離のトレーニング、ハードなトレーニングは出来ないと想定します。

短い距離を休憩多めに行う

暑い時期にランニングパフォーマンスを低下させる原因の一つは体温の上昇です。ランニングを短めにして、ランニングの間の休憩を多く取り、体温の上昇を抑えます。一本一本を大事に走りましょう。

暑さを考慮してペースも抑える

暑さはランニングのパフォーマンスを下げます。トレーニングメニューも暑さを考慮した、距離、タイムに設定し直しましょう

継続してレベルを維持するだけで秋に繋がる

暑い時期はレベルを落とさないようにしつつ、身体への負担をかけ過ぎないようにします。暑い時期にレベルを維持できれば、涼しくなってからレベルアップができます

秋:冬の勝負レース向けのトレーニング開始

暑さが峠を越えた頃から、勝負レースに向けた本格的トレーニングを始めます。走る距離を少しづつ伸ばします。暑さのために抑えていたスピードも少しづつ上げていきます。

距離を伸ばし、スピードを戻す

暑い期間に抑えていた距離、スピードを戻していきます。週1回平日にスピード練習、週末に距離を伸ばすトレーニングを入れるのが一般的です。気温が下がると自然に調子も上がっていきます。モチベーションも上げていきましょう。

勝負レースの1ヶ月以上前に1本フルマラソンを入れるのはおすすめ

勝負レースから逆算して1ヶ月半位前にフルマラソンを1本入れるのはおすすめです。目標タイムは抑え目に設定し、距離走のトレーニングとして走ります。春にレベルアップが出来て、夏に走力を維持できれば、この時期のフルマラソンはある程度の余裕を持って走れます。

仕上げ時期はペース走を中心にスピード持久力を養成

勝負レースの一ヶ月前はレースペースを意識したペース走が中心の練習になります。長い距離、短い距離を織り交ぜて、スピード持久力を養成します。勝負レースの2~3週間前に30~35kmをレースペースより少し遅いペース走をして仕上げます。

勝負レース前2週間は調整期間

勝負レース前の2週間は、疲労を抜くことを優先した調整期間にします。距離を減らしながらもレースペースの感覚を失わないようにします。

まとめ

冬のランニングシーズンが終わったら、来シーズンに向けて大まかなトレーニング計画を立てることは大切です。来シーズンの勝負レースを11月末か12月始めとすると、レベルアップのためのトレーニング期間が意外と少ないことが分かります。

春から暑くなる前までがとても重要な期間になります。欠点を克服する、長い距離を走り込む、ランニングフォームを改善するなど、この時期に行うことは多いです。

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しゅうぞう

しゅうぞう

現役のランニングインストラクターです。パーソナルで教えたランナーは400人以上、レッスン時間は約2000時間になります。週2回のグループレッスンも担当。ランニング学会会員です。ランナー、ランニングインストラクターとしての経験を記事に発信します。自己ベストタイムはフルマラソン2時間57分30秒(2016年)、ハーフマラソン1時間22分3秒(2018年)。