フルマラソンをサブスリーで走るのに必要な5kmの走力、タイムは?

上級ランナー向け

現状の走力を見るのに5kmマラソンのタイムが良く使われます。しかし、普段あまり走ってない方で5kmマラソンに出場する方は意外と少ないのではないでしょうか?

しかし実を言うと5kmマラソンは現状の走力を測るのに有効な手段です。ここでは5kmマラソンのタイムからフルマラソンのタイムを推測する方法を紹介していきます。

フルマラソンをサブスリーで走る時の5kmのタイムは

フルマラソンの完走タイム別の5km毎のペースは終始イーブンペースで走ったと仮定して、

5kmペース 1kmペース
サブ2.5 17分46秒 3分33秒
サブ3 21分19秒 4分15秒
サブ3.5 24分53秒 4分58秒
サブ4 28分26秒 5分41秒
サブ4.5 31分59秒 6分23秒
サブ5 35分32秒 7分6秒

サブ3だと5kmが21分19秒のペース。ある程度鍛えた人なら5kmレースで走破できるタイムと言った所です。しかしそれを42.195km続けることができれば、やはり上級者レベル。それだけにサブスリーはランナーにとって大きなステータスになりますね。

フルマラソンをサブスリーで走るのに必要な5kmの走力は?

5kmマラソンをフルマラソンのサブスリーペースで完走できても、そのペースを42.195km続けるのは困難ですね。

サブスリーで走るならば、そのペースである程度の余裕度がある事が必須です。ここでフルマラソンをサブスリーで走るのに5kmの走力がどれだけ必要かを考えてみましょう。

サブスリーには5kmマラソンを18分30秒を切る走力が必要

RUN RESS RUN FASTER(running world)と言う文献には5kmマラソンのタイムでフルマラソンをどれくらいで走れるかの表が掲載されています。

5kmマラソンのタイム ハーフマラソンのタイム フルマラソンのタイム
16分30秒 1時間16分29秒 2時間40分34秒
17分30秒 1時間21分7秒 2時間50分18秒
18分30秒 1時間25分45秒 3時間0分2秒
19分30秒 1時間30分23秒 3時間9分45秒
20分30秒 1時間35分1秒 3時間19分20秒
21分30秒 1時間39分39秒 3時間29分13秒

これは表の一部で実際には5kmマラソンのタイムが16分~40分までの10秒刻みで掲載されています。それを計算式で表すと

フルマラソンのタイム=5kmマラソンのタイム×9.73

以上の数式で計算されています。これを見ると、フルマラソンをサブスリーで走るには5km18分30秒の走力が必要だと言われています。5km18分30秒は1km3分42秒のペースで、かなり上級者のレベルになります。

参考資料:Run Less Run Faster / Runners World

5km、フルマラソンの平均タイムから検証してみる

先に紹介した表や計算式はどれくらい信憑性があるのでしょうか? 次は実際の平均タイムを使って検証してみましょう。

まず、サンプルとして2019年の仙台国際ハーフマラソン5kmの部の成績で平均タイムを計算してみます。計算結果は下表の通りです。

5kmの平均タイム 1kmペース
男子 28分38秒 5分43秒
女子 32分45秒 6分33秒

次に、全日本マラソンランキングを基に計算した平均タイムは下表の通りです。

フルマラソンの平均タイム 5kmペース 1kmペース
男子 4時間36分49秒 32分48秒 6分33秒
女子 5時間7分55秒 36分29秒 7分17秒

ここで5kmマラソンとフルマラソンの平均タイムが出たので、男女それぞれ換算表に近いタイムの所で比較します。

5kmマラソンのタイム フルマラソンのタイム
男子 28分40秒 4時間38分58秒
女子 32分40秒 5時間17分53秒

出場メンバー、条件等の差異があるので一概には言えませんが、ほぼ近い数字が出ました。つまりこの表および計算式は目安としてはまあまあ妥当ではないかと判断されます。

計算式を活用して個人の走りのタイプを把握してみる

先に紹介した計算式を活用して、個人の走りのタイプを見てみます。

ここでは筆者のフルマラソンと5kmマラソンのタイムで考えます。サンプルとして2019年2月24日の静岡マラソンと、2019年1月30日に行った5000mタイムトライアルで比較します。サンプルとして挙げた2つのタイムは、

5000mタイムトライアル 17分51秒

静岡マラソン 2時間47分56秒

以上の結果でした。5000mタイムトライアルの結果を計算式にあてはめてみると、フルマラソンを2時間53分41秒で完走できる計算になります。しかし静岡マラソンはそれを上回るタイムで完走しています。

そうなると筆者の走りのタイプはスタミナで粘り切るタイプ、すなわちスタミナ型であると推測されます。逆に計算のタイムより遅ければスピードで押すタイプ、すなわちスピード型であると推測されます。

こうして現状の走力から計算してみると、今後の課題も見えてきます。筆者の場合はもう少しスピードをつけたいのでインターバルトレーニングや筋力トレーニングを重視していく所です。逆にスタミナが課題の場合はペースランニングやLSD等、走り込み重視で行こうと考えるようになります。こうして5kmマラソンによる計算を行えば、現状の課題が把握できるのです。

まとめ

こうしてみると5kmマラソンの走力は、フルマラソンのタイムの目安としてみるのに有効であることが分かってきました。

5月の連休が明けるとフルマラソンのシーズンが明けて、レースも少なくなります。上級レベルの市民ランナーではこの時期は5000mの記録会等に良く参加をしています。陸上大会や記録会では5000mの参加者が最も多いです。

距離的に丁度良いと言うのもありますが、やはり現状の走力を測りやすいと言ったところです。陸上大会等はある程度の力がなければ敷居が高いですが、5kmマラソンならばある程度参加しやすいですし、大会に参加しなくても個人で5kmを走ってタイムトライアルもできます。

これを機に5kmの走力を測ってみるのはいかがでしょうか?

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