理想のウォーキング距離と「1日1万歩」が身体に負担になる理由

ウォーキング

ウォーキングをはじめるとよく聞くのが「1日1万歩歩くとよい」という話ではないでしょうか。しかし、1日1万歩というのは思ったより時間も労力も要します。そして現在は「1日1万歩というのは身体に負担である」という見解が主流になりつつあります。

「1日〇歩」という設定は励みになるので、ウォーキングを続けるうえで作るほうがおすすめですよ。メカニズムを知って自分に合った歩数の設定をしましょう。

なぜ「1日1万歩から8000歩」になったのか、どういった理由で身体の負担になるのかを知れば、自ずと自分に負担のない距離がみつかりますよ。

ウォーキングに理想とされる距離、1万歩が身体の負担になる理由、ウォーキング距離と身体への効果の関係性についてまとめました。

ウォーキングに理想の距離

ウォーキングをする上で効果的な状態を検証します。

  1. 理想とする1日の歩数は8000歩
  2. 自分の理想の距離を算出する
  3. 20分歩くことからを目標に

1.理想とする1日の歩数は8000歩

厚生労働省は現在、1日あたりの理想の歩行数として8000歩が望ましい、との見解を出しています。8000歩というのは、距離にして3〜5km、時間にして1時間前後ということになります。

この歩数は、何が何でも、というわけではありません。体調がいつもより思わしくない、膝や腰が痛いといった場合には少し減らして、何より無理なく継続させることが重要ですよ。

あくまでも目標が8000歩というわけです。

2.自分の理想の距離を算出する

自分の理想の距離を知るには次の式で算出できますよ。

自分の身長(m)×0.5×歩数

身長が160cmの人が8000歩を歩くとすると、1.6×0.5×8000=6400(m)

6.4kmが自分に理想の距離ということになります。

あくまでも目標とする距離であって、身体に負担がかかる時には少し減らして取り入れるようにしてください。

3.20分歩くことからを目標に

とりあえずの目標は20分からはじめましょう。理想は30分から1時間ですが、身体が慣れるまでは無理は禁物です。

20分というのは、脂肪燃焼が始まる時間であり、達成しやすい時間だからです。身体が慣れてきたら徐々に増やすようにしていきましょう。

過去の「ウォーキングは1万歩」にこだわらなくなった理由

1万歩というのは免疫力の低下に繋がる可能性がありますよ。そして、ウォーキングの健康効果は8000歩で頭打ちになるとのことです。

多くの人は健康が目的でウォーキングを始めることでしょう。しかし、過度な運動で免疫力が低下していると、風邪や感染症を患いやすくなります

歩き慣れている人であれば、そのまま1万歩を継続しても何ら問題はありません。長く歩けば、多く歩けば健康になる、という認識は改革しましょう。

これから始めるならば、まずは「継続」を目標にした方が身体に優しい、ということになりますね。

ウォーキング距離と効果の関係性

ウォーキングにも「インターバル速歩」というトレーニング方法があります。インターバル速歩とは、早歩きとゆっくり歩きを繰り返して行う健康トレーニングです。

ただウォーキングするよりも、骨や筋肉に刺激が加わるので効果が高いと言われています。

インターバル速歩を取り入れた歩数ごとの効果を検証します。

  1. 4000歩(速歩き5分)でうつ病予防効果
  2. 7000歩(速歩き5分)でがん予防効果
  3. 8,000歩(速歩き20分)で糖尿病、高血圧症の予防効果
  4. 1万歩(速歩き30分)でメタボ予防効果

1.4000歩(速歩き5分)でうつ病予防効果

4000歩歩くことでうつ病予防が期待できますよ。日光に当たることによって体内時計がリセットされるので、生活リズムが整います。

そして、日光はセロトニンという幸せホルモンの分泌量を増やす働きもあります。これらによってうつ病予防効果が期待できるというわけです。

2.7000歩(速歩き15分)でがん予防効果

7000歩ウォーキングすると、がん予防効果が期待できますよ。がん細胞の発育は、性ホルモンが乱れることで促されます。

7000歩ウォーキングによって体脂肪が減ると、ホルモン分泌が調整されるためがん予防効果に繋がる、というわけです。

3.8000歩(速歩き20分)で糖尿病、高血圧症の予防効果

8000歩ウォーキングすると、糖尿病、高血圧症の予防効果が期待できますよ。8000歩ウォーキングすることで、体重減少、血糖値を下げるといった効果が身体に効いてきます。

血管が拡張され、血圧を下げる、インスリンが効きやすい身体になる、といった身体反応が顕著になりますよ。よって、糖尿病予防や高血圧症予防の期待ができるわけです。

4.1万歩(速歩き30分)でメタボ予防効果

1万歩ウォーキングは、運動の強いものになってくるのでメタボ予防に効果が期待できます。

1万歩となると、ある程度の時間をとって歩かなければなりません。すると、エネルギーとして脂肪を燃焼させる時間も長くなるので、肥満も解消されやすい、ということです。

まとめ

①現在厚生労働省が推奨しているウォーキングの距離は8000歩です。いきなりはじめるのは負担が大きいので、まずは20分からはじめてみましょう。

②ウォーキング1万歩というのは運動の度合いが大きなものなので、免疫力の低下等により風邪や感染症のリスクが高くなることがありますよ。多く歩けば健康になる、というものではありません。

③「インターバル速歩」を取り入れながら、自分に無理のない距離から始めるようにしましょう。

目標をたてることは励みになりますが、達成しやすい簡単なものにすることをおすすめします。8000歩が理想とのことですが、日常で歩く分もカウントできる、とのことなので割と楽にクリアできるかもしれませんよ。自分の無理のない距離から始めましょうね。