ランニングをはじめたものの、すぐに苦しくなってしまって長距離が走れない。自分は向いていないのではないか。初心者ランナーがまずぶつかる壁ではないでしょうか。
ベテランランナーでさえ、始めから楽にフルマラソンを完走した人ばかりではないはずです。走ることが「気持ちがいい」と思える瞬間があったなら、それはあなたは立派なランナーだといえるでしょう。
今は、その「始めようという自分の気持ち」に寄り添って、この瞬間からできることを検討していきましょう。
ここでは、走れない理由を検討し、今からできることを分析、心が折れそうなときに試せる前向きになれる方法をまとめました。
まずは長く走れない理由を探ってみよう
以下に分けて検討します。
- 体の中の糖が不足して走れなくなる
- 筋肉疲労が原因となり走れなくなる
- 汗をかくことによって、だるくなるために走れなくなる
- ケガをしたまま休養をとれていないため、走れなくなる
1.体の中の糖が不足して走れなくなる
体を動かす際には、体に蓄えられている糖質と脂質をエネルギーに変換しています。
糖質はエネルギーに変換しやすいものですが、脂質は変換効率が悪く、脂質を使うためにはトレーニングや工夫が必要とされます。初心者は、うまく脂質をエネルギー変換できません。よって、高強度のトレーニングを行うとエネルギー不足により走れなくなってしまうのです。
ゆっくり長く走ることで、糖質が急激に減少することもなく、さらに脂質がエネルギーとして使われる割合も増えてくるようになります。
2.筋肉疲労が原因となり走れなくなる
初心者は筋肉疲労を起こして、長距離走れなくなることがあります。
筋収縮により筋肉への酸素供給がうまくいかなくなると、糖質がエネルギーに変換する際に代謝がスムーズにいかず、乳酸として残ってしまうのです。この乳酸が筋肉に滞った状態だと筋肉疲労となって現れます。
よって、筋肉疲労は走れない原因になる、というわけです。
3.汗をかくことによって、だるくなるために走れなくなる
夏は勿論、冬でも長時間走ると汗をかくことがあります。
汗には、水分だけでなくナトリウムも含まれています。ナトリウムが体外に排出されることにより、体内浸透圧のバランスが崩れるため疲れのもとになってしまうのです。
医学的に脱水量が3%を超えると熱中症になる危険性が高くなるといわれています。定期的にスポーツドリンクで補うよう意識しましょう。
4.ケガをしたまま休養をとれていないため、走れなくなる
小さなケガでもきちんと休養して治ってから走るようにしましょう。小さなケガだと我慢すれば走れてしまうものです。
しかし、それを重ねることで自分が思うようなパフォーマンスができなくなり、やがて気持ちがダウンしてしまうことになりかねません。少しでも痛みや異変がある時にはしっかり休養するようにしましょう。走りたい気持ちを維持できれば、必ず次に繋がります。
長距離はおろか1kmすら走れないあなたが今からやるべき5つのこと
まずは以下のことを取り入れてみましょう。徐々に「楽に走れる」ことが実感できるでしょう。
- ウォームアップは忘れずに
- フォームの維持を心がける
- 軽い気持ちで走ろう
- 自分に適したシューズを選ぼう
- 基礎体力作りから始めよう
1.ウォームアップは忘れずに
ウォームアップとは、体を走れる状態にする運動です。首、肩、もも、ふくらはぎ をほぐします。
筋肉を伸ばすことによって、交感神経が刺激され、体が走れる状態にスタンバイされます。その後、軽く走る動作も良いでしょう。軽く走ることによって、さらに心肺機能が活動的になります。それによって、走りだしを楽にすることができるのです。
2.フォームの維持を心がける
体幹を安定させることに意識をおくと、腕を振りやすく、脚も蹴り出しやすくなります。
体幹を安定させるためには、背筋を伸ばすことから始めましょう。背筋を伸ばし、腕を振ることを意識すると脚も自然に前へ出ます。
あれこれ、頭で考えるより、まずは背筋を伸ばして腕を振るようにしていきましょう。
3.軽い気持ちで走ろう
気合いが入りすぎると、間違いなく後半にバテて、長い距離を走ることが辛くなります。
「また長い距離、長い時間を走れなかった。」そんな気持ちで終わってしまっては、次回走る時に精神的に参ってしまいます。
「前回より、5分長く走れた自分は素晴らしい。」くらいの気持ちで前向きになれる終わり方をしましょう。
4.自分に適したシューズを選ぼう
「ランニングシューズ」を選びましょう。初心者用のランニングシューズは、底が厚く脚の負担まできちんと考えて作られています。
「どうせ走れないから」と、スニーカーで走るのが、走れない原因かもしれませんよ。機能性は勿論、自分の気持ちを高めることができるランニングシューズを選びましょう。
5.基礎体力作りから始めよう
どうしてもランニングがキツい場合には、ウォーキングで基礎体力作りから始めましょう。
ウォーキングはランニングよりも負荷が軽い運動です。そして、いきなりランニングから始めるよりもウォーキングで少し長い時間動くことができるようになれば、大きな自信になることでしょう。それから徐々にランニングに移行しても遅くはありません。
なかなか長距離が走れず、気持ちが折れてしまいそうな時に
なかなか長距離を走れず、気持ちが折れてしまいそうな時に試してみましょう。これまでの経験に基づいた前向きになれる方法を紹介します。
- 走ることを語れる仲間をみつけよう
- 思い切って大会にエントリーしてみよう
- ランニング日記をつけてみよう
1.走れることを語れる仲間をみつけよう
走ることを、話せる人をみつけましょう。「頑張ってるアピール」ができる人でも大丈夫です。
私が大学の陸上マネージャーだった時に、一時期やたらと飲み会だけに参加する選手がいました。経験がなく、健康目的で入部したものの、自分の思い通りに体が動かなかったようで、まさに心が折れかけた状態だったそうです。
しかし周囲も飲み会だけの参加を非難することなくしばらく続けていました。ある日他の選手よりも楽しそうに走る選手を見かけ、誰かと思ってみたら飲み会ばかり参加するこの選手だったのです。周囲に話すことで、自分の本来の目的を思い出したとのことでした。
2.思い切って大会にエントリーしてみよう
大会エントリーには、ある程度の距離が走れることが前提になります。多くのマラソン大会は、最低でも10キロからという事が多く、エントリーさえしてしまえばやらないわけにいきません。
そして、是非このエントリーを周囲の人にも話しておきましょう。そうすることで、いい意味でのプレッシャーを自分に与えるのです。
以前に私は、一人で練習すること、走ることに飽きてしまったことがあります。そこで職場の仲間を誘って駅伝大会にエントリー。自分だけサボるわけにはいかず、皆で、「昨日は○キロ走った」、「筋肉痛が」などとコミュニケーションも図れるので、一石二鳥、三鳥でした。
3.ランニング日記をつけてみよう
ランニング日記をつけてみましょう。簡単で構いません。どこまで走って、どんな感想を持ったか。
大人でも、昨日より今日進歩していると嬉しくなるものです。段々と距離を走れる自分が誇らしくなってきますよ。
最後に
①長く走れない原因の多くは、「無理しすぎること」といえるでしょう。自分にプレッシャーを与えすぎず、甘やかすくらいの気持ちで始めましょう。
②ランニングシューズの調達と、基礎体力作りを終えたなら、意識すべきことは次の3つです。ウォームアップ、フォームの維持、軽い気持ちで。
③思い通りにいかずくじけてしまいそうなときには、仲間作り、大会へのエントリー、ランニング日記をおすすめします。
初めから長距離走ろうと思わずに、昨日と今日で異なる小さな変化に喜びを見出しましょう。気がつかないうちに、段々と走れるようになっているはずです。
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