ワラーチを使えば良いフォームが身に付くというのは本当?

ランニング知識

タイトル:ワラーチ
ターゲットユーザー:ワラーチに興味があり、どんなトレーニング効果があるのか気になっているランナー

「ワラーチ」という言葉を聞いたことがあるランナーは多いのではないでしょうか?ワラーチはランニング用サンダルの総称です。元々はメキシコの「ララムリ」と呼ばれる山岳民族が古タイヤと紐で作ったサンダルでした。

ララムリはワラーチで長い距離を膝や脚を痛めずに走ります。ほとんどクッションがないワラーチで膝や脚を痛めないので「裸足に近い状態で走ると理想的なフォームで走れる」という説が生まれました。

この記事はワラーチに興味があり、試したいと考えているランナーにワラーチの効果と注意点を解説しています。

ワラーチとは

ワラーチとはランニング用のサンダルです。メキシコの山岳民族「ララムリ」が古タイヤを切ってソールにし、紐を通して足に固定するシンプルなものです。

ワラーチのブーム

日本でのワラーチブームは2010年頃に起こりました。きっかけは「Born To Run」という本です。この本ではメキシコの山岳民族ララムリが長い距離を脚を痛めないで走れる秘密としてワラーチが紹介されています

これは「ランニングシューズのクッション性はランナーの膝や脚を故障から守る」という考え方を真っ向から否定するものでした。ランニングを膝を痛めたランナーは

  • はだしラン
  • はだし系シューズ
  • ワラーチ

など、クッション性を否定するシューズに飛びつき、ブームとなりました

衰退期

ブームで火がついたワラーチですが、ワラーチやベアフット系シューズで走ったランナーが故障をしていくことでブームは衰退していきます。ワラーチやベアフット系シューズで痛めのは膝ではなく、ふくらはぎや足の裏でした

現在

一度は衰退したワラーチですが、愛好家により使い続けられています。ワラーチを広めるワーキンググループも活動しています。トレーニングのツールとしてワラーチを活用する練習会もありますが、ワラーチを使ってランニングを楽しむ形の活動が多いです

ワラーチのメリットとデメリット

ワラーチにはメリットとデメリットがあります。事前に知っておくと、ワラーチの楽しさや気を付ける点が分かります。

メリット

軽い

ゴムのソールと紐でできたシンプルなサンダルなので軽いです。軽いシューズは軽快に走ることができます

足にフィットする

柔らかいゴムのソールを足に紐で固定するのでフィット感が良いです。自分の足に合わせてフィッティングができます

膝や脚に負担の少ないフォームが身につく

ワラーチを履くと着地が柔らかくなります。ワラーチでドスンと体重を脚にそのまま乗せる着地をすると足の裏が直ぐに痛くなります。ワラーチで足の裏が痛くない着地ができるようになると、膝や脚に負担の少ない着地になります

自分で作れる楽しさがある

ワラーチはシンプルな構造なので自分で作ることができます。ソールの素材、紐の素材を変えることで違った履き心地になります。紐の縛り方でも履き心地が変わりますので自分に合った方法を試すことができます。

自分で作ったワラーチを履いて試せるのは楽しいです。

デメリット

クッションが無く不安

クッション性が高いランニングシューズを履いているランナーがワラーチを履くと、クッションの無さに違和感を感じることが多いです。クッションの無いワラーチで走ることに不安を感じます。最初はウォーキングから始めるのが良いです。

上手く使わないと脚を痛める

ワラーチで足を痛めるという話はやはり聞きます。ワラーチを上手く使えないとふくらはぎ、アキレス腱、足裏などを痛めてしまいます。ウォーキング→ジョグ→ランニングといった順番で少しづつ慣らしていきましょう。

合わない人は走っても楽しくない

クッションや反発力のあるランニングシューズでスピードを出すのが楽しいランナーはワラーチを履いて走っても楽しくないかも知れません。ワラーチでもスピードは出せるのですが、シューズの機能に頼って走っているランナーはワラーチに慣れるまで時間がかかります

ワラーチを作る

実際にワラーチで走ってみなければ良し悪しの判断はできません。ワラーチはルナサンダルという商品名で販売されていますが価格は一万円以上します。手が届かないので自作をすることにしました

材料を買う

ワラーチはシンプルなサンダルです。シンプルな材料を100円均一ショップで手に入れました。

左から順番に

  • ジョイントマット(30cm×30cm2枚組)100円
  • 穴あけポンチ(4mm、5mm)100円
  • 手芸用カラーひも(7mm×4m)100円

計324円(税込み)です。

マットを切る

マットの上に足型を書き、大まかに二等分します。

足型よりも大きめに切り出します。

ここまでは簡単な工程です。マットはハサミで簡単に切れます。

紐を通す穴を開ける

足を乗せて穴あけ位置の印をつけ、4mmポンチで穴を開けました。

穴の位置はだいたいの勘です。

紐を通す

ウエブで検索した情報を元に紐を通します。

一番オーソドックスな縛り方にしました。

完成です。所要時間は約90分間です。慣れれば60分間位でできそうです。

ワラーチを使ってみる

第一印象

第一印象は足にフィットして心地良いと感じました。自分の足に合わせて作り、紐で足にしっかり固定しているのでフィット感は抜群です。

歩いてみる

歩いてみても全く違和感はありません。普通のサンダルよりも歩きやすいです。かかとが紐で固定されているのは安心感がありますソールの薄さは少し気になります。尖った石を踏むと少し痛いです。

少し走ってみる

走ってみても問題はありませんでした。ランニングシューズとは違う感じですが普通に走れます。裸足で走るのに近い感覚です。

スピードを出してみる

少しスピードを上げてみました。5:00/kmペースまで問題なく上げられました。耐久性に不安があるので、直ぐにペースを落としました。

しばらく走ってみる

2km程走ると問題が発生しました

  • 足が内側にズレていく
  • 足の親指と人差し指の間が痛くなる

違う縛り方にしてみました。

更に1km走ったのですが問題は解決できず。これからの課題です。

ワラーチとランニングシューズの比較

普段愛用しているミズノウエブエアロと自作ワラーチを比較しました。感覚的なものだけでなく動画を撮って比較しました。

感覚

ウエブエアロ

いつも履いているシューズなので安心感があります。クッション性、反発性のバランスも良く走りやすいです。今回は履いたシューズは走行距離が1000kmを大幅に超えているので、機能の衰えはありますが、走りやすいです。

ワラーチ

フィット感はありますが、ソールの薄い不安感があります。走り出すと着地の不安は無くなり意外とスムーズな着地ができます。ソールからの反発は感じられないので、力を受け流す感覚で走ります。着地の衝撃は上手く受けれますが、横ブレに対する不安もあります。

フォーム

履いた感触、走っている感覚は違うのですが、撮影した動画を見ると、ウエブエアロとワラーチで、大きな違いは見られません。若干ウエブエアロの方が上手く反発を使えているように見えます。ペースはウエブエアロが4:15/km位、ワラーチが4:00/km位です。

ウエブエアロ

ワラーチ

 

着地(前)

前からみた着地でもウエブエアロとワラーチで大きな差は見られません。ウエブエアロの方が少し反発を使えており、ワラーチの方が着地が柔かくピッチが多い感じがします。

ウエブエアロ

ワラーチ

着地(後)

後ろから見た着地でもウエブエアロとワラーチで大きな違いは見られません。どちらともかかとからドスンと入る着地ではなく、もう少し足の前から着地に入っています。

ウエブエアロ

ワラーチ

比較結果

ミズノウエブエアロとワラーチで履いている感覚、走っている感覚はは随分違いますが、動画を見るとそれ程違いがありません。

着地で失敗ができないという緊張感がワラーチで走るときにはあります。ウエブエアロは着地の失敗をシューズの機能でサポートしてくれる感覚があり安心して走れます。

トレーニングとしてワラーチは良いツールだと感じました。上手く使えばワラーチでも4:00/kmを切るペースで走ることができます。

まとめ

ワラーチはとてもシンプルなランニング用サンダルです。裸足感覚で走れ楽しいです。着地の衝撃で膝を痛めるランナーには良い矯正ツールとして活用できます。自作をすると素材選びから紐の通し方まで自分に合ったオリジナルワラーチを作る楽しみも味わうことができます。

その反面、上手く使えないとふくらはぎや足の裏の故障に繋がる可能性もあります。ランニングの楽しみ方の一つとしてワラーチは楽しいシューズです。

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しゅうぞう

しゅうぞう

現役のランニングインストラクターです。パーソナルで教えたランナーは400人以上、レッスン時間は約2000時間になります。週2回のグループレッスンも担当。ランニング学会会員です。ランナー、ランニングインストラクターとしての経験を記事に発信します。自己ベストタイムはフルマラソン2時間57分30秒(2016年)、ハーフマラソン1時間22分3秒(2018年)。