ランニングによる爪のトラブルを防ぐ方法

ランニング知識

ランナーを悩ますトラブルに爪のトラブルがあります。長い距離を走った時、長い下り坂を走った時などに、爪の痛みが出てくる現象です。初期症状は爪に軽く痛みを感じる程度ですが、段々と痛みが増してきます。

痛みがひどくなると、爪と皮膚の間に水が溜まっていたり、内出血を起こして赤黒くなったりします。爪が痛くなるトラブルの主な原因は、着地時に爪がシューズにあたってしまうことです。

この記事ではランニングにおける爪のトラブルを回避する方法を紹介します。

ランナーを悩ます爪のトラブル

ランナーを悩ます爪のトラブルとは、走っているときに生ずる足の爪の痛みです。着地の度に足の爪がシューズに当たると、防御反応として足の爪と指の間に水が溜まっていきます。

現象

足の爪が痛くなる段階です

  • 長い距離や下り坂を走る
  • 爪に痛みを感じる
  • 耐え難い痛みになる
  • 爪を見ると爪と皮膚の間に水が溜まっている
  • ひどくなると内出血をしている

対処

痛くなってしまってからの対処方法は2つです。

  • 溜まっている水や血を抜く
  • 放置して痛みが治まるのを待つ

溜まっている水や血を抜く

消毒した針を使います。水や血が溜まっている足の爪と指の間に針を刺します。2か所位針を刺すと中の水や血が出てくるので、清潔なティッシュで拭き取ります。何度か繰り返し、水や血が出なくなったら針の穴を消毒します。

痛みを減らす効果は高いですが、不衛生な針を使用すると感染症を起こすリスクがあり、お医者さんなどはこの方法を推奨してません。しばらくして水が溜まって痛みが出たら水抜きを再び行います。

放置して痛みが治まるのを待つ

文字通り何もしないでおきます。痛みが少ない場合はこの方法が良いです。症状が軽いと数日で痛みが治まります。

根本原因は足の爪がシューズの内側にあたるから

着地の度に爪がシューズの内側にあたることを繰り返すと、身体からの防御反応として、痛みが発生し、水が溜まり、内出血が起きる、の段階を踏みます。

改善方法

爪のトラブルの原因は足の爪が着地でシューズに当たることです。防ぐための方法を幾つか紹介します。

走る前に足の爪を手入れする

足の爪が長いと着地でシューズにあたりやすく、爪のトラブルの原因になります。長い距離は走る前、アップダウンのあるコースを走る前は、爪の手入れをするのがおすすめです。

足に合ったシューズを履く

足に合ったシューズを選ぶのは難しいです。フィッティングで合っていたと思っても長い距離を走るとトラブルが発生するケースもあります。きついシューズはNGです。履いた時点で足の爪とシューズに隙間が無いので着地の度に爪がシューズに当たります

大き過ぎるシューズもNGです。シューズが大きいとシューズの中で足が動いてしまい着地の度に爪がシューズに当たります。

足の指を使えるようにする

ランニングの着地時に足の指は地面を掴む動きをします。無理に地面を掴む動きを意識をする必要はありません。足の指が上手く使える状態なら自然に行う動作です。足の指が上手く使えないとシューズ内で足が動き、足の爪がシューズに当たりやすくなります

足の指を上手く使えるようにするには、足指のエクササイズがおすすめです。

ブレーキ要素の少ない着地にする

ランニングで着地をするときはブレーキをかける動きをします。ブレーキ要素が大きいと足が前にズレて、足の指がシューズに当たりやすくなります。ブレーキ要素の少ない着地をマスターすることで、爪のトラブルを減らすことができます。

少しづつ長い距離に身体を慣らす

短い距離だと爪のトラブルが起きないが、距離が伸びると起きるランナーは多いです。距離が伸びることで、身体の筋肉が疲労して踏ん張りがきかなくなり、足の指がシューズに当たるようになっていくことが原因です。

少しづつ長い距離に慣らして後半でも良いフォームで走れるようにすることが対策になります。

足の指を使えるようにするエクササイズ

足の指を動かせるようになることが基本です。

足のグー・パー

足の指を開いたり閉じたりを繰り返します。ポイントは足の指の付け根の関節までしっかりと動かすことです。ゆっくりと丁寧に10回を3セット行います。

タオルギャザー

床に置いたタオルを足の指で手繰り寄せるエクササイズです。足の指の付け根の関節まで使ってゆっくりを行います。3セット行います。

歩きながら地面を握る意識

歩くときに足の指で地面を握る感覚で歩きます。接地のタイミングと指を握るタイミングが合えば着地が安定します。走るときに指を握る感覚を意識する必要はありません。足の指が使えるようになれば、自然に足の指が動くようになります。

ブレーキ要素の少ない着地をマスターする

ブレーキ要素が少ない着地は爪のトラブルを無くすだけでなく、効率的な走りにもなります。

着地ポイントを少し後ろに意識する

着地のブレーキ要素が大きいランナーは着地の位置が身体の軸より前過ぎる場合が多いです。ブレーキ要素が少ないランナーは足が接地する位置が少し前でも重心を足に乗せるポイントは身体の軸の下になるブレーキ要素の少ない走りになっています。

前に倒れる感覚で走る

着地で重心を乗せるポイントが後ろになると、自然に前に倒れる感覚になります。更に着地で股関節、膝関節、足関節を柔らかく連動させて使うとブレーキ要素がもっと少なくなります。

上り坂を使って練習

着地で重心を乗せるポイントを後ろにする練習は、上り坂を使うとやりやすいです。平地よりも前に倒れる恐怖心が少なくなるからです。

下り坂を使って練習

下り坂は、上り坂に比べて着地のポイントが少し前になります。前に接地してもブレーキをかけない走りができると、爪のトラブルが起き難くなります。

まとめ

ランニングの爪のトラブルは、足の爪が着地の度にシューズに当たることが原因です。トラブルを回避するには、丁度良いサイズのシューズを選ぶことが大切です。ランニングのフォームを改善することもトラブルの回避につながります。

ブレーキ要素の少ないランニングフォームは爪のトラブルを防止すると同時に効率的なランニングにもなります。

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しゅうぞう

しゅうぞう

現役のランニングインストラクターです。パーソナルで教えたランナーは400人以上、レッスン時間は約2000時間になります。週2回のグループレッスンも担当。ランニング学会会員です。ランナー、ランニングインストラクターとしての経験を記事に発信します。自己ベストタイムはフルマラソン2時間57分30秒(2016年)、ハーフマラソン1時間22分3秒(2018年)。