【雨の日ランニング】プロインストラクターが教える季節別注意点と服装

ランニング知識

雨の日はランニングができないと思い込んでいるランナーは多いのではないでしょうか?雨のランニングは気持ちを前向きにして、準備をしっかりすれば楽しむことができます。特に夏のランニングは雨の日がおすすめです。

雨の中のランニングには独特の世界があります。日常のランニングとは少し違った感覚を好むランナーもいます。雨の日のランニングで注意すべきことも多くあります。安全の確保は一番大切です。この記事は雨のランニングの魅力、服装や準備すべき点を記載しています。

雨の日のランニングが楽しくする参考にしてください。

雨の日を走るメリットは?

雨の日のランニングはマイナスイメージが強いですが、少し気持ちを切り替えると楽しく走ることができます。メリットを見てみます。

  1. 夏は暑さをしのげる
  2. 頑張っている自分を感じる
  3. 非日常の世界に入る

夏は暑さをしのげる

夏の日中は外で走ると健康を害するほど暑くなります。雨が降ると日光が遮られ、気温はやや下がり、雨により身体のほてりが冷やされます。シャワーランということがあるように、夏の雨はランナーにとって走り易い環境になります。

頑張っている自分を感じる

雨の中を走るランナーは普段より少ないです。そんな中を走っていると「頑張っている」と感じることができます。ナルシストの世界かも知れませんが、雨のランニングは自分の世界に浸ってみましょう。

非日常の世界に入る

雨が降ると出歩く人は減り、少し薄暗くなり、いつも走るランニングコースが、いつもと違う雰囲気に感じられます。雨の中を走ることが非日常の世界を体感できます。多少の雨なら走り出せば意外と気にならないものです。

雨の日を走る注意点

雨の中を走るときは注意も必要です。気温が低いときは防寒対策、濡れた路面は滑りやすい部分もあります。暗くなるので安全確保も重要です。

  1. きっちりと服装を準備
  2. マンホール、鉄板はすべるので注意
  3. 水溜りを避けるとき
  4. 視界が悪くなるので視認性の良い服装で
  5. 走り終えたら直ぐに着替えられるように

きっちりと服装を準備

雨の日に走る服装は季節によって違いますが、冬など気温の低い時期に走る場合、雨は身体を冷やし風邪をひく原因になります。保温性の高いウェアを着込みアウターは防水性の高いものを準備しましょう。

マンホール、鉄板はすべるので注意

雨が降ると路面が滑りやすくなります。特に注意するのは鉄製のものです。マンホールの蓋、工事用に一時的に敷かれた鉄板などです。タイルなど表面が滑る舗装にも注意しましょう。

水溜りを避けるとき

雨が降ると水溜りができます。水溜りを避けようと無理な体勢で着地をすると足や腰を痛めることがあります。水溜りを避け切れず、着地で足を突っ込んで水飛沫を上げると歩行者に迷惑をかけます。
大きな水溜りを見つけたらペースを落とし、歩いて回避する位で丁度良いです。

視界が悪くなるので視認性の良い服装で

雨は視認性を悪くします。特に夜の雨は注意が必要です。

  • ウェアは視認性の良い白や黄色を着る
  • リフレクターを付け、車やバイクからの視認性を良くする
  • 点滅するLEDライトを身につける、小型のライトを持つなど、自分からの光を発する

走り終えたら直ぐに着替えられるように

季節に限らず、雨の中を走った後は直ぐに着替えられるようにしましょう。冬は帰って直ぐにお風呂に入って身体を温められると良いです。スタートゴールは自宅やランナーズステーションにするのが良いです。

季節別雨の日のランニング

季節別にランニングの服装と注意点を見ていきましょう。

  1. 夏の雨は恵みの雨
  2. 春、秋は気候と相談して
  3. 冬の雨は厳しい

夏の雨は恵みの雨

夏のランニングは暑さを和らげ気持ちよく走る手助けになります。夏は雨が降っていても走っている途中で寒く感じることがほとんどありません。

1)服装

・ランニングパンツとTシャツ
・帽子で頭の濡れを防ぐ
・雨が気なる人は通気性の良いウィンドブレーカー

2)注意点

通気性の悪い合羽やポンチョを着ると蒸れて不快になり、肌に張り付いて動き難くなります。アウターに着るなら通気性の良いウィンドブレーカーにしましょう。夏だからといって走り終わった後、濡れたままで長時間いると風邪の原因になります。走り終わった後は直ぐに着替えられるようにしましょう。

春、秋は気候と相談して

気候が変わりやすい春、秋は雨のランニングには微妙な季節です。できるだけ濡れないようにウェアを工夫して走るか、薄着で一気に走り帰ってから身体が冷める前に素早く着替えるか迷うところです。気候と走るペースを考慮して決めます。

1)服装

①ゆっくりペースで走る場合

・冷えを防ぐランニングタイツにランニングパンツを重ね履き
・長袖Tシャツの上に通気性の良いウィンドブレーカー
・帽子で頭の濡れを防ぐ
・念のため防寒対策で手袋を用意

②速いペースで走る場合

・ランニングパンツ
・長袖Tシャツは半袖Tシャツ
・帽子で頭の濡れを防ぐ
・念のため防寒対策で手袋を用意

2)注意点

走るペースと気温、湿度を考慮してウェアを決めます。

冬の雨は厳しい

雨が降った冬の日にランニングはおすすめできません。トレーニングは休みにするか、筋トレやランニングマシンでのトレーニングがおすすめです。どうしても外で走りたい場合は、保温性、通気性、吸汗性、速乾性の良いウェアを選んでください。

1)服装

上質なアウトドアウェアは軽さ保温性、通気性、吸汗性、速乾性を兼ね備えているのでおすすめです。
・ランニングタイツとウィンドブレーカー下を重ね履き
・長袖インナーとTシャツを重ね着
・寒さが厳しければ通気性の良いフリースを着込む
・アウターにはウィンドブレーカー

注意点

無理をしないで距離は短めにする
帰ったら直ぐに着替えられるようにする
・冷えそうな場合は帰って直ぐにお風呂で温められるように準備しておく

ランニングの大会で雨が降ったら

普段のトレーニングなら雨が降ったら中止にできますが、大会が中止になることは稀です。棄権をするか雨の中を走ることになります。夏や春・秋で気温が高い日はランニングパンツ、Tシャツかランニングシャツで走り、走り終えたら速やかに着替えれば良いです。

冬の大会や春・秋で気温が低い日はやっかいです。距離別に対策を見ていきましょう。

短い距離の大会(5km、10km)

速いペースで走るランナーは薄着で走り、走り終わってから身体が冷える前に着替えるのが良いです。ゆっくりペースで走るランナーはウィンドブレーカーを着るのが良いです。大会のゼッケンはウィンドブレーカーの上から付けます。

ハーフマラソン、フルマラソン

長丁場になるので対策が必要です。速いペースで走るランナーは薄着で走り、ゆっくりペースで走るランナーはウィンドブレーカーを着るのが良いのは短いレースと同じですが、スタート前の対策をしておくと良いです。

おすすめの対策ははウェアの上に100円均一の合羽を着ておくことです。雨と寒さの両方をしのげます。スタートして身体が温まるまで合羽は着て走り、身体が温まったら給水所のゴミ箱に合羽を捨てると身軽になります。

ペースが遅いランナーは身体が温まらないので合羽を着たままゴールまで走っても良いです。

ウルトラマラソン

ウルトラマラソンは更に長丁場です。小さなリュックを背負って、気候の変化に対応できるように着替えをビニール袋に入れて走るのがおすすめです。ウェアはアウトドアメーカーの軽さ、保温性、通気性、吸汗性、速乾性を兼ね備えた製品がおすすめです。

特にインナーは良いものを着ると汗や雨による不快感から身を守れます。

まとめ

雨の日に走ることにメリットもあれば注意点もあります。夏の雨は暑さを和らげランナーには恵みの雨です。秋や春の雨も気候に合わせたウェアを選ぶべば快適に走れます。雨の日は非日常の世界です。普段は感じることの出来ない世界を楽しむのも雨の日に走るメリットです。

注意点は足元の悪さと視認性の悪さです。足元の悪さはランナーが注意するしかありません。視認性の悪さはウェアや小物でカバーしましょう。雨はランナーにとって悪いことばかりではありません。前向きに雨の中のランニングを楽しんでください。

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しゅうぞう

しゅうぞう

現役のランニングインストラクターです。パーソナルで教えたランナーは400人以上、レッスン時間は約2000時間になります。週2回のグループレッスンも担当。ランニング学会会員です。ランナー、ランニングインストラクターとしての経験を記事に発信します。自己ベストタイムはフルマラソン2時間57分30秒(2016年)、ハーフマラソン1時間22分3秒(2018年)。

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