汗の原理を知ればランニング中の汗は愛おしい。汗を前向きに受け入れる方法

ランニング知識

暑い時には勿論、ランニングを始めると気になるのが汗の問題ではないでしょうか。ランナーにとって、汗はレースの弊害になることもあります。うまくコントロールできるならしたい。そんな意見もあるでしょう。

そこで、汗をかく時に体内でどんな事が起こっているのか理解してみませんか?理解することで、「自分の汗が異常な汗なのか」「きちんと体が機能している汗なのか」が分かってきます。理解できたなら、前向きに受け入れてランニングに取り組めるようになりますよ。

ランニングの汗がコントロールできない理由、ランニング中の汗の弊害、ランニングに体が慣れると汗をかかなくなる、汗をかいた分だけ脂肪を燃焼しているわけではない、について検討しました。

ランニング中の汗はコントロールできない

ランニングをしている時、外気温が高い時、汗を沢山かきますよね。汗の量は、コントロールできません

汗は体温調整の役割を担っています。そして、体温調整の司令塔となっているのが、脳の視床下部という場所です。ランニング中、外気温が高い時、汗腺に働いて汗を出す司令を出します。

ランニングの時には、これに加えて筋肉の中の疲労感知センサーが働き、こちらも発汗を促す働きをしますよ。いずれの場合にも、脳の視床下部からの働きなので、汗は自分の意思ではコントロールできない、ということになります。

ランニング中の汗の弊害

ランニング中に汗をかくことでどんなデメリットが生じるのでしょうか。

  1. 体調不良になることがある
  2. 周りの目が気になる
  3. ニオイが気になる

1.体調不良になることがある

汗をかくことでイライラ、情緒不安定、疲れやすくなる、貧血、めまい。様々な症状が現れます。

これは、ミネラルが不足することで現れる症状です。汗を沢山かくことで、水分だけでなくミネラルも体から出て行くという現象が起こります。それが、様々な、体調不良となって、現れますよ。

ミネラルは鉄や亜鉛などを指します。栄養の整った現代でもミネラルは不足しているといわれていて、次の栄養素を意識して取り入れることで予防が可能ですよ。

  • 魚介類
  • レバー
  • 納豆
  • 海藻

亜鉛

  • うなぎ
  • 牛肉
  • レバー
  • 大豆製品

2.周りの目が気になる

髪やウエアが濡れるほどの汗かきだと、常に周りの目が気になりますよね。ランニングどころではなくなってしまいます。汗染みは、衛生的に見えるものではありません。

汗染みが気にならないカラーのウエアを選択するのもいいですね。また、下に挙げるリンパ節を冷やすことによって、体内の温度を下げることも効果がありますよ。

  • 首の後ろ
  • 太ももの付け根
  • 鎖骨下
  • 膝の裏

3.ニオイが気になる

汗をかくとやはりニオイも気になりますよね。汗は蒸発するまでの時間がかかるとニオイになるといわれています。蒸発するまでに雑菌が繁殖するためです。

サラサラした汗ならともかく、粘り気のある汗は、より蒸発しにくい環境になりますよ。汗をかいたな、と思ったら早めに拭き取るようにしましょう。また制汗スプレーや、汗ふきシートで対策するのもいいですね。

ランニングに体が慣れると汗をかかなくなる

日常的にランニングを続けていると、汗はかかなくなってきます。これは、ランニングの効果が現れてきて、段々とランニングの強度に体が順応してきた、という結果でしょう。

体が慣れて体温上昇が少なくなってくると、汗の量も少なくなってくる、という循環です。

前と比較して全く汗をかかない、という場合には、体内の水分不足も否定できないので、安易に「体が慣れた」と判断せず、水分摂取量を振り返りながら判断しましょう。

汗をかいた分だけ脂肪を燃焼しているわけではない

残念ながら、汗の量と比例して脂肪が燃焼されているわけではありません

そもそも汗は、体内の熱を外へ放散させるために放出されるものです。筋肉量と基礎代謝をあげない限りは、脂肪が燃焼される、ということは難しいでしょう。

もちろん、体の水分が放出されることによって多少の体重変化はみられるかもしれません。しかし、汗の量だけ脂肪も燃焼されている、ということはありませんよ。

最後に

①ランニング中の汗は脳の視床下部が関与しているので自分でコントロールすることはできません

②汗をかくことで体調不良になることが一番の弊害です。食品から積極的にミネラルを摂り入れるようにしましょう。

③ランニングを続けることで体が順応し、体温上昇が少なくなってくると、汗の量も少なくなってきます。

④残念ながら汗をかいた分だけ脂肪を燃焼しているわけではありません。汗は、体内のこもった熱を外へ放散させるために放出されるものだからです。

汗をかく、というだけで不衛生なイメージを持ってしまいますよね。しかし、汗とはこもった体内の熱を外へ放散させるという重要な働きをしていますよ。その働きを知ると、ランニング中の汗も愛おしくなりませんか?続けることで、発汗も少なくなる、とのことなので、必要以上に気にせず、ランニングを続けてみましょう。