今すぐセルフチェックできる理想のランニングフォームは○○である!

ランニング知識

自分のランニングフォームが気になるランナーは多いのではないでしょうか。走りながらショーウィンドウに映った自分のフォームを見てチェックができますが、一瞬しか見れないのでどこか良くてどこが悪いのか判断が難しいです。

一番良いのはパーソナルのランニングコーチに見てもらうことですが、申し込むのに少し勇気が必要です。自分で簡単に走りながらフォームのチェックをする方法があります。足音を聞くことです。足音は目に見えないフォームの欠点を教えてくれます。

この記事はランニングの足音でランニングフォームの良し悪しを判断する方法、改善方法が書かれています。

ランニングの着地音で何が判るの?

着地はランニング動作の中で唯一身体が地面とコンタクトする重要な局面です。着地音を聞くと身体から地面に上手く力が伝えられているのかが判ります。

リズム

ランニングはリズムがとても重要です。ランニングはエネルギーを左右交互に伝え合う運動です。リズムが一定でないとエネルギーが上手く伝わらずロスをしていることになります。ロスしたエネルギーは筋力を使って作り出すことになるので、エネルギーの無駄遣いになります。

左右バランス

左右の着地音が違うのは、動きの左右差が大きいことになります。左右差が大きいと片方が先に疲労してしまいます片方への負担が大きくなるので故障の原因にもなります。

着地タイミングの良し悪し

着地のタイミングがピタッと決まると着地音は小さく鋭いものになります。シューズと地面との擦れが少なく、身体が地面に力を伝え地面から身体に力が返ってくるタイミングが良いと着地音も良いです。

着地でのブレーキ

着地音が大きいのは力のロスが発生している証拠です。多くは着地でブレーキをかけています。前に進む力は出来るだけロス無くするのが良い走りです。

良い着地音、悪い着地音

良い着地音、悪い着地音を具体的にみていきましょう。

良い着地音

良い着地音は

  • 音が小さい
  • 短くて鋭い
  • 左右が同じリズム

です。ブレーキ要素が少なく、着地の衝撃を上手く推進力に受け流すことができると、このような着地音になります。

悪い着地音

悪い着地音の代表を3つ紹介します。

左右の着地音が極端に違う

人間の身体は多少の左右差があるので多少左右の着地音が違うのは仕方ありません。問題は極端に着地音に左右差がある場合です。音の大きさの違い、リズムの違いなどです。

擦るような着地音

擦る着地音は典型的なブレーキをかけている着地で発生します。ブレーキをかけながら走るのは効率が悪く疲れやすいです。故障の原因にもなります。

叩くような着地音

地面を叩くような音もブレーキをかけながら走っている証拠です。多くの場合、踵から着地をして足の裏全体で地面を叩く動きをしています。

着地音のセルフチェック方法

効果的な着地音のチェックを方法です。4つの局面で着地音をチェックします。

ウォーミングアップで着地音を聞く

ウォーミングアップの時はまだ身体が温まっておらず、思うように身体が動きません。ウォーミングアップ時は走りの悪い癖が出やすいです。特に左右の音の違いを聞いてください。上手く使えていない側の着地音が悪いはずです。

自分の苦手な部分を把握するためにはウォーミングアップで着地音を聞くのが有効です。

楽で走りやすいペースでの着地音を聞く

ウォーミングアップを1~2km行い、準備体操で身体をほぐしたら、走りやすい楽なペースで2km位は走ってみましょう。走りやすいペースの時は着地音が安定しているはずです。この時点で悪い着地音が出る場合は改善を意識するべきです。

レースペースでの着地音を聞く

レースペースまでペースを上げて2km位走り着地音をチェックします。「走りやすいペース」で着地音に問題が無かったのに、「レースペース」で着地音が悪くなることがあります。レースペースのフォームに無理があることが分かります。

逆な言い方をすれば、「レースペース」の着地音を改善すれば、もっと楽にレースペースで走り続けることができるようになります。ゆっくりペースから段々とペースを上げて、着地音が乱れるペースを確認します。

着地音が乱れた時のペースで改善レッスンを行ってみましょう。

呼吸が乱れる位ペースを上げて着地音を聞く

最後に更にペースを上げて呼吸が乱れる位まで頑張ってみます。距離は数百mで良いです。着地音がどの様に乱れるかを聞きます。左右差にも意識して聞きます。ペースアップしたときに出る自分の悪い点が浮き彫りになります。

悪い点を改善することはペースアップできるフォーム作りに繋がります。

ロング走の後半で脚に疲労が溜まってきたときに着地音を聞く

ロング走の後半疲れた時も着地音が乱れやすいです。この時に着地音をしっかり聞いて自分の弱点を確認します。どんな音がするのか。左右のどちらの音が悪いのかなどです。改善することで疲労が溜まってもフォームが崩れ難くなります。

悪い着地音の改善レッスン

悪い着地音の原因はブレーキをかける動きです。ブレーキをかけない動作で動き作りをすると着地音が改善されます。

後から前にシューズの底を擦るのがブレーキの動き

着地音の擦る音、叩く音、共にシューズが後ろから前に動く時に着地をすることで発生します。つまりブレーキをかける動きをしているのです。重心を乗せるタイミングが早いと擦る音になります。重心を乗せるタイミングが遅いと叩く音になります。

前から後にシューズの底を擦る感覚で歩く

改善レッスンの第一段階として、シューズの底を前から後ろに擦る感覚で歩いてみましょう。後ろから前に擦るのがブレーキです。前から後ろに擦るとブレーキ要素が少ない着地になります。

前から後にシューズの底をする感覚でゆっくり走る

改善レッスンの第二段階は、シューズの底を前から後ろに擦る感覚で走ります。ゆっくりペースで感覚を確かめながら走ります。叩く音や大きな擦る音は出難いはずです。

前から後にシューズの底をする感覚で着地足に重心を乗せる

改善レッスンの第三段階は、シューズの底を前から後ろに擦る感覚に加えて着地で重心を乗せます。上手くできるとゆっくりペースの場合はほとんど音が出ません。段々とペースを上げていきます。

ペースが速くなると短く鋭い音が出ます。大きな音、叩く音、擦る音が出たらペースを落としてやり直します。

着地音に左右差がある場合は、悪い音が出ている足を改善する

悪い着地音が片方の足から出る場合は、最初に片方の足だけ改善レッスンをすると良いです。慣れてきたら両足でバランスよく着地音が出ない動きが出来ると良いです。

まとめ

着地音は自分でチェックしやすいフォームチェック方法です。着地音が大きい、擦る音、叩く音の場合は着地でブレーキをかける要素が大きいフォームです。ランニング効率が悪いので疲れやすく、故障の原因にもなります。

着地音を改善するとこでブレーキ要素の少ない効率的なランニングフォームになります。

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しゅうぞう

しゅうぞう

現役のランニングインストラクターです。パーソナルで教えたランナーは400人以上、レッスン時間は約2000時間になります。週2回のグループレッスンも担当。ランニング学会会員です。ランナー、ランニングインストラクターとしての経験を記事に発信します。自己ベストタイムはフルマラソン2時間57分30秒(2016年)、ハーフマラソン1時間22分3秒(2018年)。