ランニングトレーニングの万能ツール「ジョグ」を使いこなす

ランニング知識

ジョグはランニングのトレーニングで重要な位置を占めています。ジョグはジョギングの略で「軽く走る」「ゆっくり走る」と言う意味です。初心者ランナーにとって走ることはジョギングをすることです。

ハーフマラソン、フルマラソンの大会に参加するようになり、「タイムをもっと縮めたい」と思うとトレーニング方法に工夫を凝らします。週に1回スピード練習と長い距離の練習を入れます。これをポイント練習と言います。ポイント練習の間の日にジョグを入れます。

ジョグにもいろいろな種類があり、目的に応じて使い分けることがポイント練習の充実になります。この記事はジョグをランニングトレーニングの一つとしてとらえ、目的に合わせたジョグの活用方法が書かれています。

何故、トレーニングジョグは大切か?

ジョグが大切なのは「トレーニング中でジョグの占める割合が多い」「ジョグはランニングの基礎になる」といった意味です。ジョグに決まったペースはありません。リラックスして楽に走ります。

トレーニングで走る距離の半分以上はジョグ

一週間周期でトレーニングメニューを計画しているランナーは多いです。その中で、週1回はスピード練習、週1回は長い距離の練習が一般的です。残りの5日間は休養かジョグになります。普段のトレーニングでウォーミングアップ、クーリングダウンもジョグです。

スピードトレーニングの途中にジョグを入れるケースもあります。長い距離の練習をロングジョグにすることもあります。トレーニングの中でジョグが占める割合は半分以上になります。

ジョグのペースはランナーレベルで違う

ジョグの意味は「軽く走ること」「楽に走ること」です。「楽に」や「軽く」はランナーのレベルによって違います。自分のレベルにあったジョグペースを見つけましょう。天候、体調によっても「楽に」「軽く」のペースは違ってきます。

ジョグのペースは身体からの声で決まります。

ジョグはランニングの基本を作るツール

ジョグの役割の一つとして、フォーム作りがあります。
・楽なペースで走ることでフォームが意識できる
・ジョグで走る距離が長くなるのでフォームが固まってくる
この2つの意味でジョグはランニングの基本を作るツールと言えます。

トレーニングにおけるジョグの役割

ジョグには大きく分けて4つの役割があります。1つ目は走る感覚を忘れないようにするつなぎのジョグ、2つ目はリラックスしてランニング楽しむ、3つ目はフォーム作り、4つ目は疲労抜きのジョグ、です。

走る感覚を忘れないようにする

ランニングは運動です。運動は良い動きを意識して繰り返すことで効率的なフォームを身につけることができます。運動はしばらく行わないと感覚を忘れてしまいます。せっかく良いフォームの感覚を身につけても、しばらく走らないと身体が忘れてしまいます。

軽いジョグをポイント練習の間の日に行い、走る感覚を忘れないようにすることは大切です。

気持ちの良いペースで走る

気持ちの良いペースで走ることはランニングの楽しさの一つです。毎回疲労困憊になるようなトレーニングを行っていては身体やメンタルが参ってしまいます。ジョグで気持ちよく走ることでリフレッシュができます。

楽に走れるペースが上がることでランナーとしてレベルアップを感じることができます。

良いフォームを意識する

速いペースで走るときフォームへの意識が難しくなります。ジョグは楽なペースで走るのでフォームを意識しやすいです。ジョグはフォームを改善にも使えます。余裕があるのでいつもと少し違う動きを試してみることがし易いです。

疲労を抜く

肉体的な疲労を抜くには、軽い運動で血行を良くして疲労物質を流すのが良いと言われます。ジョグは疲労抜きに最適です。ゆっくりめのペースで20~30分間走ることは疲労を抜くことになるのです。

3種類のジョグペースを使い分ける

ジョグのペースはランナーのレベルによって違いますが、自分が楽に走れるペースの中でも更に3つのペースを使い分けると良いです。

速いペースのジョグ

楽だけでも呼吸が乱れない程度まで気持ちよくペースを上げる感じです。良いフォームを作るときは少しペースを上げてみるのも有効です。楽に気持ちよく身体が動くことがあります。

楽で走りやすいペースのジョグ

ジョグの中心となるペースです。呼吸が乱れないので楽に走れるペースです。つなぎのジョグロングジョグなどで使えるペースです。

ゆっくりペースのジョグ

楽なペースよりも更にもう一段階ペースを落とす感覚です。全身をリラックスしてのんびり走るペースです。ウォーミングアップ、クーリングダウンで使います。疲労抜きジョグもゆっくりペースです。

一週間のトレーニングの中でジョグを活用する例

一週間のトレーニング計画の中で、ジョグを活用する例を見ていきましょう。

一週間のトレーニングモデル

  • 月曜日:疲労抜きのジョグ
  • 火曜日:完全休養orつなぎのジョグ
  • 水曜日:スピード練習
  • 木曜日:疲労抜きのジョグ
  • 金曜日:完全休養orつなぎのジョグ
  • 土曜日:距離走
  • 日曜日:ロングジョグorつなぎのジョグ

月曜日の疲労抜きジョグの意味

土日は時間が取りやすいので長い距離を走るトレーニングを入れることが多くなります。月曜日は疲労を抜く日になります。ゆっくりペースのジョグで身体をほぐしながら軽く走り疲労を抜きます

火曜日のつなぎのジョグの意味

疲労具合によっては完全休養にしても良いのですが、走りたい気分の時は、楽で走りやすいペースのジョグにします。フォームを意識してリラックスして走ります

木曜日の疲労抜きジョグの意味

水曜日のスピード練習の疲れを取る日です。ゆっくりペースのジョグで身体をほぐしながら軽く走り、疲労を抜きます。

金曜日のつなぎのジョグの意味

金曜日のジョグは土日にどのような練習をするかによって変わってきます。疲労の溜まり具合との兼ね合いもあります。土曜日にハードなロング走をする場合は完全休養にしても良いです。

土曜日がペース走的なトレーニングの場合は速めのペースのジョグを軽く金曜日に入れるのも良いです。

日曜日のロングジョグorつなぎのジョグの意味

日曜日のジョグも土曜日のトレーニング内容によります。土曜日にハードなトレーニングを入れた場合は、軽めのジョグにします。あえて土曜日にロング走を入れ、日曜日にロングジョグ入れて脚への負担をかけるセット練習も時には有効です。

まとめ

ジョグはランニングのトレーニングの中で重要な位置を占めます。トレーニングの中でジョグで走る距離がとても長いので、ジョグに意味を持って走ることはトレーニングの質を高めることに繋がります。

ポイント練習の間で疲労を抜いて調子を整えるのもジョグの役目です。

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しゅうぞう

しゅうぞう

現役のランニングインストラクターです。パーソナルで教えたランナーは400人以上、レッスン時間は約2000時間になります。週2回のグループレッスンも担当。ランニング学会会員です。ランナー、ランニングインストラクターとしての経験を記事に発信します。自己ベストタイムはフルマラソン2時間57分30秒(2016年)、ハーフマラソン1時間22分3秒(2018年)。