ランニングをしていると、痛みに悩まされることがありますよね。
それがふくらはぎの痛みということならば、早急に整形外科を受診する必要性があるかもしれませんよ。
早めの受診と、応急処置ができていると、それだけ復帰へのタイミングも早いものにできます。
まずは、ふくらはぎの痛みで考えられること。ランナーに多い肉離れの原因、対策。ランニングに起きた痛みに対する応急処置法についてまとめました。
ランニングによるふくらはぎの痛みで考えられること
ランニングによってふくらはぎの痛みを感じたとき、次のようなことが考えられます。
- アキレスけん断裂
- こむらがえり
- 肉離れ
1.アキレス腱断裂
アキレス腱断裂は、踏み込み、ダッシュ、ジャンプ。瞬発性の必要となるタイミングで起こることが多いケガです。
急に筋肉が伸びることで、かかとの上についているアキレス腱に負荷がかかり、断裂に至ります。
断裂の瞬間は、ふくらはぎに衝撃と激痛を感じることが多いようです。アキレス腱を触診すると凹んだ部分を確認できるのが一般的ですが、痛みや腫れが強い場合にはこれを伴わないこともありますよ。
足関節は動かすことができます。しかしつま先立ちができないという特徴的な症状があれば、アキレス腱断裂の可能性が高いです。
2.こむらがえり
こむらとは、古い言葉でふくらはぎの意味です。こむらがえりは、腓腹筋の筋肉収縮が原因となり、けいれん状態が続く症状を指します。
足が棒のようになり、痛みでうずくまってしまうこともあるほどです。
ランニング中の主な原因は、準備運動、ウォームアップ不足、脱水です。
3.肉離れ
肉離れは、無理をしたときに発症しやすいケガです。筋肉を酷使し、強い力で引き伸ばされることによって断裂します。
主な症状は痛みです。痛みのために歩くことが困難になる、体重をかけられない、ということがあります。
ランナーには、この肉離れは多く発症することがあるので知識として知っておきましょう。
ランナーに多いふくらはぎの肉離れの原因、対策
肉離れの原因として次のようなことが考えられます。
- 接地時にかかる足への負荷。筋力アップ、柔軟性を高めることで対応できる。
- 正しいランニングフォームで肉離れを予防できる。
- 疲労の蓄積は肉離れと因果関係がある。
- ウォーミングアップが不足すると肉離れリスクが高まる。
1.接地時にかかる足への負荷。筋力アップ、柔軟性を高めることで対応できる。
ランニングは、足が接地した瞬間に負荷が大きくなる、といわれます。足が接地することによって、体重の2〜4倍の負荷が足にかかるそうです。この衝撃は、股関節、膝、足関節などがクッションの役割を果たし吸収してくれます。
しかし、筋力不足や、柔軟性が低下していたりすると、この衝撃に耐えられなくなったふくらはぎが肉離れを起こしてしまうのです。
2.正しいランニングフォームで肉離れを予防できる。
大人になってランニングを始めると、股関節を使わない走りをする人が多いそうです。この走り方は、確かに走りやすいのですが、膝下の筋肉に頼る走り方になってしまいます。
すると、ふくらはぎに疲労が蓄積することで、肉離れのリスクは高くなるのです。
また近年よく聞くようになったフォアフット走法を安易に取り入れようとすると、肉離れの原因になりますよ。あたかも効率のよい走り方、として注目を浴びていますが、これはトレーニングによって筋力を伴ったランナーでこそ成り立つフォームです。
つま先で接地した後に、足全体に体重がかかるので、ふくらはぎが伸ばされ大きな負荷がかかります。筋力を培ってから、チャレンジするようにしましょう。
3.疲労の蓄積は肉離れと因果関係がある。
疲労することで、肉離れを起こすことがあります。これは、疲労によって本来のフォームが崩れることに由来します。
フォームが崩れると、ふくらはぎにかかる負担が大きくなるので肉離れを起こすリスクが高まる、という仕組みです。走り込み練習期や、様々な大会にエントリーしている時期には、意識的に身体を休めるようにしましょう。
4.ウォーミングアップが不足すると肉離れリスクが高まる。
ウォーミングアップが不足すると、肉離れリスクは高まります。
肉離れは、筋肉が硬くなっている時に注意が必要です。筋肉が硬い状態だと、引っ張られた力に対し、筋肉が収縮する力が働きます。これによって、十分に筋肉が伸びることができず破断して肉離れを起こしてしまうのです。
ランニング中にふくらはぎの痛みが出た!応急処置法
スポーツ外傷は勿論、一般外傷でも用いられる応急処置で「RICE処置」というものがあります。受傷後医療機関を受診する前に行う処置です。
整形外科には、様々や怪我をした患者さんが毎日来院しますが、このような適切な処置が行われているケースはほとんどありません。受傷後もいつもと同じ生活をし、受傷箇所を痛めつけ、しばらく経って腫張や痛みが強くなってから受診するという場合がほとんどです。
このRICE処置によって、初期の出血、腫張を抑えることができるので、受傷箇所は最小限に抑えることができますよ。受傷箇所を最小限に抑えられれば、損傷組織の修復、血液循環の早期回復ものぞめるようになります。
適切な処置と、早い受診の結果、ランニングへの復帰を早めることができる、という事を頭に入れておいて下さい。
- Rest(安静)
- Icing(冷却)
- Compression(圧迫)
- Elevation(挙上)
1.Rest(安静)
受傷箇所を安静に保ちます。これによって、受傷箇所の血管、神経損傷を防ぐことができます。さらに、関節や筋肉を安静に保つことで内出血や腫張も最低限度で抑えることが可能になりますよ。
2.Icing(冷却)
受傷箇所を氷で冷却します。冷却することで、腫張と細胞壊死を最低限に抑えることができますよ。
15〜20分冷却すると受傷箇所の感覚が鈍くなります。痛みが出てきたら冷やす、ということを24〜72時間繰り返します。湿布は深部への冷却効果はないので、氷の方が適しているといえます。
3.Compression(圧迫)
受傷箇所を圧迫します。圧迫することで、受傷箇所の内出血、腫張を最低限に抑えることができますよ。
注意点としては、あくまでも軽い圧迫で留めましょう。強い圧迫は、循環障害を招く恐れがあります。
4.Elevation(挙上)
受傷箇所を挙上しましょう。これにより腫張の軽減、内出血の早期消退がはかれます。
腫張や内出血は手足の抹消に広がるにつれて、吸収されにくくなる、という特徴があります。よって、挙上することで腫張、内出血をできるだけ筋肉に留め、吸収させようという狙いです。可能であれば心臓より高い位置が理想的です。
最後に
①ランニング中のふくらはぎの痛みとして考えられることはアキレス腱断裂、こむらがえり、肉離れです。
②その中でも肉離れはランナーに多い疾患ですが、疲労を蓄積させないことと、柔軟性を高めておくことが予防に大きくつながります。
③スポーツ外傷は勿論、一般外傷でも用いられる応急処置「RICE処置」を覚えて実践、受診することで、ランニングへの復帰を早めることが可能になりますよ。
ふくらはぎの痛みの中でも、アキレス腱断裂や肉離れは早急な受診が必要になります。日頃からケガの原因となり得る自分のクセや疲労の度合い、応急処置法を知っておくことで、故障しにくい身体作りに繋がりますよ。
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