10キロマラソンの平均タイムを初心者、上級者、男女別に調べてみました

ランニング知識

ランニングの良さは自分自身の心と体と対話をすることで『今』の自分を知ることだと思います。

大会などに出場するとどうしても周りの人の速さが気になってついついハイペースになってしまいがちです。

このページを見ているあなたは、もしかしたら自分やお友達の現状が平均値よりも上回っているのか、それとも下回っているのかと気にかけているのかもしれませんが、それはあまり重要なものさしではないということをお伝えしておきます。

その上で、4000人以上の市民ランナーが参加した10キロマラソン大会の年齢別・男女別の平均タイムを調べてみました。

※マラソン大会の平均タイムはその日のコンディションや大会の難度によって大きく変動しますので参考までにご覧ください。

これからやってみようという初心者ランナーへ!【男女別】10kmマラソンでの目標タイムの目安

今回は「第25回群馬県民マラソン」10キロマラソン完走者4090名の結果を元に算出しました。

ランナー全体の平均タイムを計算してみると1時間3分35秒でした。

それでは男女別の平均タイムを見てみるとどうでしょう。

男性全体の平均 59分38秒

「第25回群馬県民マラソン」10キロマラソン男性完走者2834名の結果を元に算出

女性全体の平均 1時間7分33秒

「第25回群馬県民マラソン」10キロマラソン女性完走者1256名の結果を元に算出

当然といえば当然なのかもしれませんが、男性の方が8分近く上回っています。この平均タイムが市民ランナーの平均タイムの近似値と考えることができますので、ランニング初心者の男性なら60分女性なら1時間8分を切るくらいを目標に立てるとちょうど良いでしょう。

  • 初心者男性ランナー⇨60分以内目標が妥当
  • 初心者女性ランナー⇨68分以内目標が妥当

世代別の10km平均タイム比較

男子 女子
年齢 人数 平均 トップ 人数 平均 トップ
中高生 124 0時50分48秒 0時35分57秒 39 0時59分44秒 0時37分57秒
18-24 240 0時58分24秒 0時32分11秒 211 1時08分58秒 0時41分09秒
25-29 377 0時58分49秒 0時31分56秒 245 1時08分58秒 0時43分38秒
30-34 400 0時59分59秒 0時32分47秒 160 1時07分55秒 0時42分46秒
35-39 338 0時59分39秒 0時33分13秒 97 1時05分14秒 0時39分20秒
40-44 365 0時59分30秒 0時34分49秒 130 1時05分18秒 0時44分13秒
45-49 275 0時58分38秒 0時35分28秒 133 1時06分10秒 0時40分03秒
50-59 421 1時00分17秒 0時35分53秒 159 1時06分51秒 0時47分41秒
60-69 224 1時03分18秒 0時41分03秒 74 1時12分00秒 0時52分41秒
70-over 70 1時10分30秒 0時42分02秒 8 1時19分00秒 0時57分45秒

「第25回群馬県民マラソン」10キロマラソン男性完走者2834名女性完走者1256名の結果を元に算出

この表を見ると色々なことが見えてきます。中高生が早いのは競技として取り組んでいる子供たちがエントリーしているからだと思うのですが、トップタイムを比べると男性は50代まで中高生を上回っています。

平均値だけ見てみると男女とも20代から50代まであまり変化がないことがわかります。ここからも多くのランナーが、速く走ることだけを目的にしているのではなく、体力の維持やリフレッシュの手段としてランニングに取り組んでいることがわかります。

高齢ランナーも負けていません。70歳以上のトップタイムを見てみると男性42分2秒、女性57分45秒と男女の中高生の平均タイムを大きく上回っています。

筋肉はいくつになっても鍛えられるということを立証してくれていますね。

初心者、中級者、上級者別の10kmの平均タイム

初心者・中級者・上級者の10キロマラソン平均タイムを算出するにあたって、今回は「第25回群馬県民マラソン」の男女別結果の上位3分の1を上級者、下位3分の1を初心者、残りの3分の1を中級者とわけてその平均を割り出してみました。

ランナーレベルの割り出しには「完走回数」「経験年数」「知識量」「年間走破距離」など様々な指標があるかと思いますが、元データーの都合上完走タイムのみを判断基準として算出しました。

初心者の平均タイム

完走することを目指して走っているランナーのレベルです。

男性初心者

男性初心者の平均 1時間12分9秒

初心者枠のトップ記録が1時間3分、最下位は1時間42分です。トップ記録はもう少しで1時間切りに届きそうですが、平均で考えると1時間切りまではまだまだといった感じですね。10キロを走ることそのものがチャレンジといったレベルだと思います。

女性初心者

女性初心者の平均 1時間19分29秒

初心者枠のトップ記録が1時間11分、最下位は1時間48分です。女性の場合はトップ記録を見ても1時間切りまでは練習が必要そうですね。週3回程度の定期的なランニングを行うことで身体が走ることに馴染んできます。

中級者の平均タイム

自分のタイムに対する意識が芽生え始めるレベルです。

男性中級者

男性中級者の平均 58分45秒

中級者枠のトップ記録は54分21秒、最下位は1時間3分でした。トップと最下位の差は僅かに9分です。その間に全体の3分の1が収まっていることになります。このあたりの集団がひしめき合いながら走っている姿が容易に想像できますね。

女性中級者

女性中級者の平均 1時間6分58秒

中級者枠のトップ記録は1時間2分、最下位は1時間11分でした。面白いことに男性と同じで約9分前後に全体の3分の1が収まっています。中級者枠のトップ記録を超えることが次のステップの一つの目標となりそうですね。

上級者の平均タイム

自己ベストを意識して走るレベルです。

男性上級者

男性上級者の平均 47分59秒

上級者枠のトップ記録は31分56秒、最下位は54分21秒でした。このレベルになるとトップと最下位のあいだに結構開きがあります。あくまでも全体の上位3分の1の平均値ですのでそれを持って上級者というのは少し乱暴かもしれません。

全体の1割をアスリートレベルと考えると45分を切るあたりと考えると良いでしょう。実際に男性参加者全体の上位一割に当たる284位の選手のタイムを見てみると45分57秒と近似値となっています。

男性アスリートの仲間入りをしたい方は45分をひとつの目安として考えると良いと思います。

女性上級者

女性上級者の平均 56分16秒

上級者枠のトップ記録は37分57秒、最下位は1時間2分でした。やはり上位者となると平均値で1時間を切ってきますね。

こちらも男性同様に記録の幅が結構ありますので女性参加者全体の上位一割に当たる125位の選手の記録を見てみると54分26秒となっています。

女性アスリートの基準としては55分を切ったあたりと考えても良いかもしれませんね。

10キロの世界記録・日本記録

最後にすべてのランナーが目指すべき目標として10キロマラソン(10000m)の日本記録と世界記録をご紹介します。

10000m世界記録

男子

2005年 ケネニサ・ベケレ【エチオピア】  26分17秒53

女子

2016年 アルマズ・アヤナ【エチオピア】  29分17秒45

男女共にエチオピア勢なんですね。26分台ってちょっと人間離れしていますよね。私なら全力疾走しても500mもついていけません。

10000m日本記録

男子

2015年 村山紘太  27分29秒69

女子

2002年 渋井陽子  30分48秒89

箱根駅伝のエースとオリンピアンが出したタイムが歴代一位となっています。二人共マラソン界では有名な選手ですよね。

もちろん市民ランナーにとってはとても及ぶべくもない記録なのですが、彼らの記録は人間の肉体の可能性を示してくれているのだと思います。

まとめ

今回の記事は10キロマラソンの平均タイムということでしたが、最初に書いたとおり平均タイム自体はあまり大きな意味を持ちません。

マスターズの記録を見てみると当時85歳の熊本道夫選手が56分24秒の記録を出しています。素晴らしい記録ですよね。

自分自身の肉体の可能性を知る最も身近なスポーツがランニングなのだと思います。ランニングを通して自分自身の可能性にチャレンジしてみてはいかがでしょうか?