VO2max(最大酸素摂取量)を向上させるトレーニング

ランニング知識

皆様はVO2maxと言う言葉を聞いた事があるでしょうか?。トレーニングジムでエアロバイクやトレッドミルをすると、体力測定結果として画面に出力されることもあります。しかしVO2maxが一体何であるのか、ピンと来ない方が多いのではないでしょうか?。そこでVO2maxが何であるのか、運動パフォーマンスにおいてどのような指標になるのかを紹介します。

VO2maxって何?

VO2maxとは最大酸素摂取量のことで、読んで字のごとく体内に取り込める酸素の量の最大値の事です。例えると掃除機での吸引の強さと言ったところです。単位はml/kg/minで1分間で体重1kg当たりに取り込める酸素量と定義されています。男性の平均VO2maxは、デスクワーカーで45ml/kg/min、レベルの高い市民ランナーで65ml/kg/min、トップクラスになると75ml/kg/min以上にもなるようです。言ってみればこの数値が高ければ高い程、心肺能力が優れているのです。

なぜ優れたランナーはVO2maxが高いのか?パフォーマンスにどうつながる?

人間は運動する時に筋肉に糖質と脂質を供給して、それを酸素で燃焼させて収縮させます。自動車に例えると糖質や脂質がガソリン、酸素がバッテリーから発生する電気にあたります。筋肉の収縮を生み出すスパークプラグにあたるのが細胞内のミトコンドリアです。

VO2maxが高いと言うことは、燃焼させる為の酸素の量が多いと言うことです。つまりVO2maxが高ければ、いつまでも筋肉で大きな力を発生させることができる、すなわち持久力が高いということなのです。優れたランナーの持久力が高いのは言うまでもありませんね。だから優れたランナーはVO2maxが高いのです。

VO2maxを測定する方法

VO2maxはどのように測定するのでしょうか?。正確な測定は大掛かりな設備が必要となるので現実的ではありませんが、推定する方法として一般的なものはこの2つです。

    1. クーパーテスト
    2. 20mシャトルラン

これから2つについて説明をします。

クーパーテスト

これは日本にエアロビクスを紹介したアメリカの運動生理学者のケネス・クーパーが発表したもので、以下の計算式によってVO2maxが計算されます。

VO2max=(12分間走の走行距離(m)−505)/45

例えば、12分間の走行距離が3000mだとしたら、(3000−505)/45=55.4となります。

20mシャトルラン

これは学校の体力テストでも行われているものです。筆者が子供の頃は踏み台を登り降りして脈拍を測る方法でしたが、平成11年に改定された文部科学省の新スポーツテストでこれが採用されました。VO2maxの推定値は折り返し数によって推定されます。詳細の数字は新体力テスト実施要項の最大酸素摂取量推定表にあり、文部科学省のホームページから閲覧できます。

VO2max向上の為のトレーニング

ランニングのパフォーマンス向上にVO2maxが必須なのを紹介しました。それではVO2maxを向上させるにはどんなトレーニングをすれば良いのか?。VO2maxを向上させるには酸素をたくさん取り込むトレーニングが必要です。そのトレーニングで代表的なものがインターバルトレーニングです。

VO2maxを向上させる為のインターバルトレーニングは疾走時間を2~6分、疾走距離にすると800~1600m程度にするのが最適です。疾走部分の総距離は5000~10000m、通常は6000~8000m程度にします。距離で言うと

  • 800m×8~10
  • 1000m×6~8

つなぎのJOGは疾走時間の50~90%の時間が良いです。ペースは5kmレースのペースで行うのがVO2max向上に適した心拍数を得られます。

まとめ

以上、VO2maxについての説明から、VO2max向上の為のトレーニング方法を紹介しました。VO2max向上のトレーニングはかなりきついものがありますが、それを繰り返すことでマラソンの記録向上につながります。

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