花見シーズンが終わり、昼間に走るランナーは暑さを感じる季節です。
もうすぐ夏ですね。
夏と言えば走り込み!
暑さに負けず質の高い練習をするためにも、欠かせないのが給水です。
そこで、全国駅伝で区間賞を獲得した経験のある私が、ガチランナーだった頃の経験、市民ランナーとして実践していることを踏まえて真夏の水分補給ノウハウをご紹介します。
ガチランでは5㎞ごとの給水
私は、高校時代を駅伝の伝統校、大学時代は箱根駅伝の常連校で過ごしました。
大学時代には実業団の合宿に参加させて頂いたり・・・
どのチームでも20㎞~40㎞のペース走を行いますが、5㎞ごとに給水を行うのが一般的でした。
5㎞ごとは絶妙!
ペース走を行う際には、3分20秒~30秒/kmというペース設定が多かったので、5㎞を17分前後で通過することになります。
1時間に4回弱の給水をとることができるのですが、これが本当に絶妙なタイミングでした。
暑さで気持ちが切れそうになる時、ずっと同じペースで走っている時、何らかの変化が欲しくなります。
そんな時に給水をとることでリフレッシュすることができて、また次の5㎞を頑張ることができるのです。
北海道マラソンでも5㎞ごと
エリートランナーが集う北海道マラソンでも、スペシャルドリンクのテーブルは5㎞ごとに置かれています。
エリートランナーも、5㎞ごとに給水を摂っていることから、5㎞ごと(15分に1回)というのは、一つ目安になるでしょう。
車でサポート
市民ランナー同士で集まって練習できる場合は、誰かに給水をサポートしてもらえると助かりますね。
その際、最も確実なのが車でサポートしてもらうことです。
20㎞~40㎞のペース走を行う際には、同じところをグルグル回るより、片道や折り返しコースの方が気分が良いものです。
5kmごとに先回り
その際、5㎞ごとに先回りして給水ポイントを設けてもらいます。
やり方は大きく分けて2つです。
- 手渡し&回収
- テーブル&回収ボックス
1つ目の手渡し&回収は、箱根駅伝と同じ給水方法です。
給水サポーターが並走して手渡し&回収を行います。
2つ目のテーブル&回収ボックスは、マラソンと同じ給水方法です。
テーブルにボトルを並べてもらって受け取り、数百メートル先に設置された回収ボックスに入れます。
応用編として、
- 手渡し&回収ボックス
- 手渡し&地面に置く
もありです。
この辺りは、当事者同士で話し合って決めましょう。
スクイズボトルがおすすめ
そこで便利なのが、スクイズボトルです。
カップだとゴミが出ますし、ペットボトルは持って走るとこぼれます。
スクイズボトルならば、こぼれる心配もありません。
1本で1L入りますし、大人数でシェアできます。
サッカー選手がプレイが止まった時に良く飲んでいますよね。
上を向いてボトルを押せばピューッと出ますから、口をつけずに飲むことができます。
周回コースでサポート
1週1㎞~5㎞の周回コースで集団練習を行う際にも、給水サポートしてもらえると助かりますね。
その際には、やはり車でサポートしてもらう場合と同様に、
- 手渡し&回収
- テーブル&回収ボックス
のどちらかでサポートしてもらうとスムーズです。
ひとりで練習する場合(ペース走など)
多くの市民ランナーは合同練習ができないでしょう。
私も、ほとんど一人で練習していますから、給水サポートをしてもらえるのは年に数回です。
一人で練習するとなると、給水にもアレコレ工夫が必要になります。
周回コースを利用する
おすすめは、周回コースを使うことです。
周回コースの必須条件
- 信号が少ない
- 人通りが少ない
- 1周1㎞~5㎞
その際、マイボトルを置ける場所があるとベストです。
私は、ペットボトルにカバーを付けたスポーツドリンクを、歩道の垣根に置いて練習していました。
地面に置くと、取る時にしんどいので、腰から上の高さに置けるといいですね。
管理事務所がある大きな公園などで練習する場合は、落とし物として、届けられる可能性もあるため、なるべく人目につかない所に隠しておくといいでしょう。
のんびり走る時は・・・
ペース走など、質の高い練習では給水のタイミングや取り方にもこだわりますが、のんびり走る際には、そこまでこだわらなくても大丈夫です。
ただし、抑えておきたいポイントがあります。
ランニングポーチを使う
ゆっくり走るからと言って、手に持って走ることはおすすめしません。
左右のバランスが崩れたり、手に余計な力が入ることで、フォームが乱れる可能性が高いです。
せっかく練習するのですから、変な癖をつけてしまっては逆効果です。
そこで重宝するのが、ランニング用のポーチです。
ランニングポーチを選ぶポイント
- 伸縮性のあるウェストポーチ
- ボトルキーパー付き
ショルダータイプは、身体のバランスを崩す可能性がありますから、ウェストポーチをおすすめします。
ペットボトルを斜めに入れられるボトルキーパーがあると、出し入れが簡単なのでベストです。
自動販売機
余計な荷物を持ちたくない場合は、途中の自動販売機で購入して、その場で飲み切るのがお勧めです。
コインはどこに入れる?
- ランニングパンツのポケット
- コインポケット付きリストバンド
ランニングパンツのポケットに入れれば、荷物も増えないので楽ちんです。
ジャラジャラ音がするのが苦手でしたら、コインポケット付きのリストバンドをおすすめします。
公園の水道水
コインさえ持って走りたくない場合は、公園の水道水でも十分です。
ただし、真夏に1時間を超えるようなランニングを行う際には、熱中症対策もしなくてはなりません。
水だけですと、汗で失われたナトリウムなどを補給できないので、1時間以上走る際には何らかの形でスポーツドリンクをとることをおすすめします。
体に水をかける
テレビでマラソン中継を見ていると、ランナーが頭から水をかけていたりしますよね。
大人になると普段、水をかぶることってないと思いますが、走る時にやってみるととても気持ちのいいものです。
水をかけることで得られる効果
- 水による冷却効果
- 蒸発による冷却効果
水を身体にかけることで、水そのものによる冷却効果と、水が蒸発する際に得られる冷却効果があります。
頭からかぶることができなくても、首筋、腕、脚に水をかけたり、手や顔を洗うだけでも、OKです。
ちょっとしたことですが、気分転換にもなりますし、実際にその効果を得ることができます。
給水量の目安
最後になりましたが、給水量の目安をご紹介します。
以下、
〔ランニング学会の見解〕 マラソンレース中の適切な水分補給について
より、引用させて頂きます。
1 時間当たり 400~800ml を目安にしておけばよいでしょう。ただし、以下の条件に応じて適量を選択します。
体の大きなランナー、記録のよいエリートランナー、気温の高い場合など
→多めの量;給水所でカップ半分以上(100~150ml)
体の小さいランナー、記録の遅い市民ランナー、気温の低い場合など
→少なめの量;給水所でカップ半分以下(50~100ml)
給水量については、気温、湿度、個体差(身長・体重)、体質(汗かきかどうか)によっても変わってきますが、やはり1時間に400ml~800mlを目安としておきましょう。
ウォーターローディング
『走りながら1時間に400ml~800mlも飲めない!』
そんなあなたには、ウォーターローディングがおすすめです。
ペース走など、長時間、強い負荷のかかる練習の際には、前日から意識して水分補給を行って、スタート前までに水分を身体に貯めておきましょう。
水ではなくスポーツドリンク
真夏のランニングではとにかく喉が渇きます。
その際、スポーツドリンクが良いと言うのは分かっていても、
- 甘さが苦手
- 飲んだ後、口の中が不快
などの理由で、水を飲みたくなります。
しかし、真夏の練習で水を飲み過ぎると、危険です。
水中毒
真夏は、特に発汗量が多くなります。
発汗により、身体からは
- 水
- 電解質(ナトリウムなど)
が失われます。
そこへ、水だけが補給されたら身体はどうなるでしょう。
低ナトリウム血症=通称水中毒と呼ばれる症状を引き起こします。
不安感、めまい、頭痛などが起こり、さらに重篤な場合には肺や脳に水がたまり肺水腫や脳浮腫を起こし、最悪の場合には死に至ることもあります。
ですから、走る時、走る前後は、水だけでなく電解質も一緒に摂りましょう。
スポーツをする際の水分補給のために開発された、スポーツドリンクが最適です。
まとめ
ガチランナーと市民ランナーでは、練習やレースのペースが違いますが、水分補給の重要性は変わりません。
真夏の練習を安全で、質の高いものにするためにも水分補給はしっかり行いましょう。
maasa
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