ランニングのトレーニングに上り坂を取り入れているランナーは多いのではないでしょうか。上り坂には心肺機能を鍛える、良いフォームを身につける、ランニングに必要な筋肉を鍛えるなど様々な効果があります。
下り坂もランニングのトレーニングに有効です。特に伸び悩んでいる中級・上級ランナーは下り坂トレーニングを試す価値があります。下り坂トレーニングはスピードを出せるフォームが身に付く効果があります。正確な着地感覚も身に付きます。
この記事は下り坂を使った有効なトレーニング方法について書かれています。走りをワンランクアップさせたい中級・上級ランナーに読んでもらいたい内容です。
下り坂トレーニングで得られる効果
下り坂を上手く走るには技術が必要です。逆の言い方をすれば下り坂を上手く走れるようなるとランニング技術が向上したことになります。下り坂トレーニングで得られる効果は幾つかあります。
- 良いフォームになる
- スピードが上がる
- 筋力が強化される
良いフォームになる
着地の安定
着地が安定していないと下り坂で怖さを感じます。怖いので上体が後ろに倒れて足でブレーキを掛けながら走るフォームになってしまいます。下り坂は着地左右のブレを無くす感覚を身につけやすいです。
着地を受け流す感覚
下り坂で着地が上手くなってくるとブレーキを掛ける力が少なくなります。着地の衝撃を推進力に受け流す感覚です。この動きは効率的なランニングフォームに役立ちます。
スピードが上がる
速いスピード感覚が身に付く
下り坂では重力の力を借りて平地よりも楽にスピードが出ます。速いスピードに身体の動きを慣らすことは、スピードを身に付けるトレーニングに適しています。
リラックスして走る感覚
体験的にも下り坂を走るのは楽だと感じるランナーは多いでしょう。楽に走れる下り坂はリラックスした感覚を掴むトレーニングにも有効です。余分な力を使わずリラックスして走ることは効率的なランニングで重要です。
筋力が強化される
下り坂を走っていれば自然に筋力強化になる
下り坂は平地以上に着地で身体に負担がかかります。下り坂を走ることは自然に筋力の強化になります。ブレーキを掛ける走りだと大腿四頭筋の筋肉痛が大きいです。体幹を含めた全体で着地の衝撃を受けられると良いです。
下り坂で臀筋が使えれば良いフォーム
下り坂の着地でももの前の大腿四頭筋が使われやすいです。最初の内は大腿四頭筋を主に使うことになるのですが、臀筋も使えるようになると良いです。
下り坂トレーニングの注意点
下り坂は着地で平地以上に大きな負担が身体にかかります。下り坂トレーニングは緩めの坂から始めて、段々と斜度を増やしてゆくのがおすすめです。
- フォームが崩れるような急坂は使わない
- スピードの出し過ぎによる怪我に注意
- 最初は短い距離から始める
- ウォーミングアップをしっかり行う
フォームが崩れるような急坂は使わない
フォーム良くしたいのにフォームが崩れるような下り坂を使ってトレーニングするのは本末転倒です。気持ち良くスピードが出せる程度の下り坂からトレーニングを始めましょう。慣れてきたら少し斜度の大きい坂に移ってトレーニングをします。
スピードの出し過ぎによる怪我に注意
下り坂はスピードが出易いので走っていて楽しくなることがあります。楽しみながらトレーニングをするのは良いことですが、スピードを出し過ぎると肉離れなどの怪我をすることがあります。
最初は短い距離から始める
良い下り坂が見つかりトレーニングをする場合、最初は短い距離から始めましょう。30~50m程度を何本も繰り返して身体の感覚を確認します。慣れてきたら少しづつ距離を伸ばしていきましょう。
ウォーミングアップをしっかり行う
下り坂でスピードトレーニング行う場合、普段以上のスピードで動くことになります。事前のウォーミングアップは大切です。特に寒い季節は軽く5㎞位走ってから下り坂トレーニング入るのがおすすめです。
下り坂で良いフォームを習得するコツ
下り坂で良いフォームを作るには段階があります。リラックスをして、ブレーキが少なく、スピードを出せるフォームを習得するのが理想です。
- 段々と自然にスピードが上がる感覚で
- 体幹を小さく鋭くリズミカルに動かす
- 着地の安定するポイント、身体の使い方を意識
- 着地を受け流す感覚を感じる
- 下り坂の距離を伸ばして良いフォームを身につける
段々と自然にスピードが上がる感覚で
まず下り坂に慣れましょう。30~50m位を繰り返します。スタートして段々とスピードが自然に上がる感覚を得ます。スピードを無理に上げる必要はありません。スピードが上がり過ぎる坂はフォーム作りには適していません。
体幹を小さく鋭くリズミカルに動かす
下り坂でスピードを上げるにはストライドを伸ばす方法がありますが、良いフォームを作るためには無理にストライドを伸ばしません。速い動きに身体を慣らすために動きを小さくするイメージにします。
リズムは大事です。小さく鋭く一定のリズムで坂を下る感覚を30~50mの坂で繰り返しましょう。
着地の安定するポイント、身体の使い方を意識
下り坂の走りに慣れてくると良い着地のポイントが少しづつ分かってきます。意識して身体に覚えさせていきましょう。身体の使い方、着地のポイントを少しづつ変えてみてると安定する着地ポイントや身体の使い方が身についてきます。
着地を受け流す感覚を感じる
良い着地のポイントが掴めたら、着地を受け流す感覚を覚えていきます。着地のブレーキ要素をできるだけ少なくします。着地で力をできるだけ使わない感覚です。上手くできると重心がスーッと前に進み自然にストライドが伸びます。
下り坂の距離を伸ばして良いフォームを身に付ける
着地のポイント、身体の使い方、着地を受け流す感覚が掴めたら、反復して身体に覚えさせます。下り坂の距離も段々と伸ばして100m位にします。
下り坂で高いスピード感覚を習得するコツ
下り坂ではスピードを上げることに意識が行き過ぎてはいけません。下り坂ではスピードは自然に上がっていきます。リラックスして楽に走る感覚を身に付けることが大事です。
- 下り坂に身体を慣らす
- 自然にスピードを上げる
- 下り坂から平地まで駆け抜ける
- 平地でも下り坂感覚で走る
下り坂に身体を慣らす
トレーニングに選ぶ下り坂は、走っていたフォームが乱れない緩やかな坂が良いです。最初は30~50mを5本程度下り、下り坂に身体を慣らします。
自然にスピードを上げる
身体が慣れたら距離を100m位にして5本走ります。スピードを上げる意識はしないで自然にスピードが上がる感覚で十分です。フォームを意識して、リラックスして走ることが大事です。
下り坂から平地まで駆け抜ける
下り坂でリラックスして走れるようになったら、下り坂からそのまま平地まで駆け抜け100m位走ります。平地に入ると着地の感覚が少し変わりますが、下り坂の感覚で走れるように身体の使い方、着地の位置をアジャストさせます。
着地のポイントは下り坂よりも少し後ろになります。
平地でも下り坂感覚で走る
下り坂でリラックスして走る感覚が身に付いたら、平地でも下り坂の感覚で走ってみます。身体の動き、着地のポイント、前に倒れる感覚を下り坂を下りる感覚に合わせてみましょう。
下り坂で筋力を付けるコツ
下り坂でランニングに必要な筋肉を付けるには下り坂の距離を伸ばすことです。急過ぎる坂はランニングで使わない筋肉を鍛えることにもなります。適度な傾斜の坂を選んで少しペースを上げて走ればランニングに必要な筋肉が付きます。
- 下り坂を繰り返す
- 良い下り坂を探す
- 下り坂の走りに慣れたら峠走が良いトレーニング
下り坂を繰り返す
筋力を付けるには反復トレーニングが必要です。下り坂を使えば効率的にランニングに必要な筋肉をつけることができます。ランニングフォームが崩れない程度の適度な下り坂が筋肉を付ける場合も適しています。
距離が短ければ回数を増やします。最初は1㎞程度を走りましょう100mの下り坂なら10本です。慣れてきたら距離を伸ばします。
良い下り坂を探す
連続して下り坂を走りたい場合、近所に適度な坂が無い場合探す必要があります。普段から坂を気にしながら歩いていると良い坂が見つかりやすいです。
下り坂の走りに慣れたら峠走が良いトレーニング
日本は山国なので少し脚を伸ばせば峠があります。峠を上って下る峠走は良いトレーニングになります。上りは脚力強化、心肺機能強化、フォーム改善に役立ちます。下りはフォーム改善、スピード強化、筋力強化に役立ちます。
上り坂と下り坂では使う筋肉が違います。峠走は両方の筋肉を鍛えることができます。下り坂を走る力、技術がついてきたら峠走は楽しみながらできる良いトレーニングです。
まとめ
ランニングで下り坂を使うのは、良いランニングフォーム作りに適したトレーニング方法です。下り坂は着地で身体に対する負担が平地よりも大きいので適度な傾斜の坂で無理をしないで少しづつ慣らしながらトレーニングすることが大切です。
下り坂トレーニングでは良いフォーム、スピード、筋力を付けることができます。中上級者におすすめのトレーニングです。
しゅうぞう
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