単に速い選手ではなく、強い選手を目指すビルドアップ走トレーニング

ランニング知識

皆さんは練習や大会でペース変化に対応できず、ライバルに負けてしまった経験はありませんか?

タイムを出すこともランニングの魅力ですが、やっぱりライバルに負けると悔しいですよね?特に僅差で負けてしまったときは、なおさら悔しいと思います。次こそは負けないと思い、練習に取り組んでいる方もいらっしゃるのではないでしょうか?

そこで今回はそんな方におすすめのトレーニングである、ビルドアップ走について紹介したいと思います。参考にしてくださいね。

ビルドアップ走とは

ビルドアップ走とは、最初はゆっくりとしたジョグから入り、徐々にペースを上げていき、最後は、ほぼ全力で走るトレーニングです。

ペースを上げるタイミングについては、1㎞ごとの場合が多いです。1㎞ごとのタイムを計る場合は、ラップ機能のついた時計が便利です。

ラップ機能がついていない時計だと自分の頭でペースを計算しなければならないので少し面倒です。その場合は、タイム計測のマネジャーを頼むと良いでしょう。

ビルドアップ走のメリット

ビルドアップ走のメリット

  1. アップを別に行う必要なし
  2. ペース感覚を養える
  3. 勝負強い選手になれる

アップを別に行う必要なし

普通であればポイント練習を行う場合は、その前にアップとして15~20分のジョグをすると思います。

しかし、ビルドアップ走であれば最初はゆっくりとしたジョグからスタートするので、アップを別に行う必要がなくなり、時短にもつながります。徐々にペースを上げ、徐々に筋肉を温めていくので故障もしにくいです。

ビルドアップ走を終えた後に、今度はペースを徐々に落としていけば、ダウンも一緒に行えます。

ペース感覚を養える

ビルドアップ走はペースの設定が必要となります。ペース走とは違って、ずっと一定のペースではありません。そのため、様々なペースの感覚を身につけることができます。

様々なペースの感覚を身につけることで、今自分がどのくらいのペースで走っているかが時計を見ずに分かるようになります。時計を見ないことで走ることだけに集中できるメリットがあります。

勝負強い選手になれる

大会ではタイムよりも勝ち負けにこだわる選手もいます。勝ち負けにこだわる選手が多い場合、最初は様子見でスローペースになります。

それから徐々にペースが上がって人数が絞られていき、最後はラストスパートで勝負が決まります。このペース変化に対応できるかが大きな鍵です。単に速い選手ではなく、勝負に強い選手になるためにもこの練習はとても効果的です。

また、レース後半にペースダウンしてしまう人にもこの練習は効果的です。レース後半にペースダウンしてしまう主な理由は、レース前半のペースの上げ過ぎです。

この練習を行うことで、前半はペースを抑え、後半でペースを上げるということに体を慣れさせます。すると、レースでも同じことが実行でき、後半のペースダウンを防ぐどころか、ペースを上げることさえできるようになります。

 

ビルドアップ走のデメリット

ビルドアップ走のデメリット

  1. 最初からペースを上げられない
  2. 調子が悪ければこなせない

最初からペースを上げられない

この練習の特徴上、最初からペースを上げることはできません。タイムを狙うためには、後半のペースダウン覚悟で、最初からある程度速いペースで行く必要があります。

勝ち負けではなく、タイムにこだわりたい方は、最初から最後まで一定のペースで走るペース走を多く取り入れた方が良いです。

調子が悪ければこなせない

調子が悪いときは、ペースを徐々に上げていくということが途中でできなくなり、練習をこなせません。途中から同じペースになったり、最悪にはペースダウンしたりすることもあり得ます。

予防法としてはその日の自分の調子に合わせてペースや距離を設定することが挙げられます。途中で苦しくなってしまった場合は、ペースを落としたり、ジョグにしたり、練習を中断したりしましょう。

ビルドアップ走のやり方

ビルドアップ走のやり方

  1. ビルドアップ走の例
  2. ビルドアップ走の注意点

ビルドアップ走の例

ビルドアップ走はペースの上げ方の設定次第で、強度をコントロールすることができます。

ジョグ代わりにビルドアップ走

ジョグを少しレベルアップさせたい方はいらっしゃるのではないでしょうか?
その場合は、1kmごとに5秒ほどペースを上げていくようにすると良いです。

この程度であれば、疲労も残さずに筋肉に程よい刺激を与えることができます。毎日行うことも可能ですが、疲労度合いに合わせて調整してください。

1kmごとに10秒ずつ上げていく

このくらいのペースの上げ方が通常のビルドアップ走になります。どのくらいのペースから始めるかは各個人の走力や体調に合わせてください。強度が高いので、頻度は多くても週2回に留めてください。

1kmごとに20秒上げていく

このペースの上げ方は急激ですが、レースではこのくらいのペースアップも考えられます。練習することでこのような急激なペースアップにも対応できるようになりましょう。強度がとても高いので、頻度は週1回に留めてください。

ビルドアップ走の注意点

時計の気にし過ぎ

ビルドアップ走のときやりがちなのが、時計をチラチラ気にし過ぎてしまうことです。確かに、ペースは変化し、調整が難しいです。しかし、これでは走ることに集中できません。

さらに、せっかく良いリズムを作っていたのに、時計を見る動作でリズムが崩れてしまう可能性があります。多くても400mごとに1回のペースで時計を見るようにしてください。

ペースのアップダウン

また、設定ペースより速ければ、ペースを落とし、遅ければペースを上げる人がいます。これでは本当のビルドアップ走になりません。

設定ペースより速ければ、そのままのペースをしばらく続け、その後ペースを上げてください。設定ペースより遅ければ焦らずに徐々にペースを上げてください。

最初は難しいかもしれませんが、これらの注意点を守ることで、真のペース感覚とペースアップに対応する力を養うことができます。

 

まとめ

以上ビルドアップ走について紹介しました。このトレーニングを行えば、練習や大会でのペースアップに対応できるようになります。

そうすれば、ライバルにも勝てる可能性が高くなります。自己ベストを出したときも気持ちが良いものですが、ライバルに勝てたときは、また違った気持ち良さがあります。

単に「速い選手」ではなく、勝負に勝てる「強い選手」を目指すこともランニングの魅力です!

ぜひビルドアップ走をトレーニングに取り入れて、さらなる走力アップを目指しましょう。

この記事を通して、皆さんのランニングライフが充実したものになることを願ってます!