間違いなくタイムアップできる方法に興味はありますか?それは〇〇です

ランニング知識

フルマラソンのタイムアップを目標にトレーニングを頑張っているランナーは多いのではないでしょうか。タイムアップには走るペースを上げるトレーニングと後半の失速を防ぐ距離走が有効です。トレーニングの結果、タイムが上がった時の喜びはランニングの楽しさの一つです。

走暦が長くなると段々とタイムアップが難しくなります。ランニングを始めた頃は面白いようにタイムアップできたのが、3~4年目になるとタイムが伸び難くなります。タイムアップを目指しトレーニングを頑張り過ぎて故障をしては走ることができなくなります。

伸び悩んだ時期にタイムアップへの有効な手段が減量です。減量とトレーニングを上手く組み合わせると頭打ちになっていたフルマラソンのタイムアップができる可能性が広がります。

減量によるタイムアップの効果はどれ位?

ランナーをレースカーに例えることがあります。エンジンが心臓、肺がキャブレター、ガソリンがエネルギーなどです。レースカーの有効なパフォーマンスアップ方法は軽量化です。ランニングでも減量はとても有効な走力アップの方法です

  1. 1kgの減量でフルマラソンが3分速くなるのは本当?
  2. 理論的に検証してみる

1kgの減量でフルマラソンが3分速くなるは本当?

1kg減量するとフルマラソンで3分間速くなるというのは、ランナーの間では有名です。根拠は福岡大学でランニングを研究していた田中宏暁教授が説です。

理論的に検証してみる

田中教授の論文がネット上で見つからなかったので、関係する記事を参考にしました。

ランにおける体重とタイムとの悩ましい関係

「※y=0.2x+3.5」【走る速度x(m/分)と、体重1kgあたりの酸素摂取量(1分間 に使う酸素量)y(ml/kg分)の間に成り立つ数式】とい う数式を使うと、減量の効果を試算できるという。例えば、体重60キロでフルマラソンを5時間で走る人が1キロ軽くなれば5.6分、同じ体重 で3時間の人 なら3.3分の短縮が期待できる。

1kgあたりの酸素摂取量「y」の値は体重が減ることで大きくなります。それにより体重が減ることで走る速度「x」の値が上がります例えば体重60kgでフルマラソン(42195(m))を3時間(180(分))で走るランナーを考えてみましょう

x = 42195(m) / 180(分)

y = 0.2 * 42195/180 +3.5 = 50.38(ml/kg分)

が成り立ちます。

60kgで1分間の酸素摂取量は

50.38 * 60(kg) = 3022.8(ml/分)

です。

1kg減量をして59kgになった場合のフルマラソンのタイムを「z(分)」とすると

y = 0.2* 42195/z + 3.5

y =3022.8 / 59(kg)

が成り立ちます。

この方程式を解くと

z = 176.79(分)

となり、約3分のタイム短縮が出来る計算です。

何故ランナーは減量をしないのか

多くのランナーは経験的に体重が減ると速く走れることを知っています体重を減らせばタイムが上がるのに積極的に減量を行っているランナーは少ないようです。何故でしょうか?

  1. 食べる量を減らしたくない
  2. 今の体重コンディションを崩したくない
  3. 減量によるタイムアップはズルいと考えている

食べる量を減らしたくない

ランナーはよく食べる人多いです。走った後にラン仲間で食事をしたり飲みに行ったりすることを楽しみに走っているランナーもいます。食事はランナーの楽しみの一つなので減らしたくない人は多いです

食べて食べた分は走ってカロリーを消費すれば良いと考えているのです。楽しく走るのなら食べる量を減らす必要はありませんが、タイムアップを狙うランナーは食事の量も意識した方が良いです。

今の体重コンディションを崩したくない

フルマラソンを走るには身体を動かすためのエネルギーが必要です。エネルギーの多くは身体に蓄えられた、糖(炭水化物)と脂肪で賄われます。調子よく走れているランナーは無理に体重を減らすと糖と脂肪のバランスが崩れてしまい、調子が悪くなることを心配します

順調にタイムアップができているランナーは今のコンディションを変える必要はありません。タイムアップが頭打ちになっているランナーは無理のない計画的な減量も考えるのも良い選択しです。

減量によるタイムアップはズルいと考えている

タイムアップはトレーニングを積むことで得られるとストイックに考えるランナーもいます。体重を減らしてタイムアップをするのはズルいことだと思っているのです。ランニングに対する考え方は人それぞれです。

タイムアップのために減量するのはとても有効な方法です。減量するには努力は必要です。

減量をすればランナーにとって良いことがいっぱい

ランナーにとって減量をすれば良いことがいっぱいあります。タイムアップには興味がないランナーも楽に走れるようになり、故障のリスクを減らすことができるのでおすすめです。

  1. 減量すればトレーニングの効率が上がる
  2. VO2MAXが上がる
  3. 故障のリスクを減らせる
  4. タイムアップにつながる

減量すればトレーニングの効率が上がる

減量をすればランニング効率が良くなります
仕事は
仕事(J) = 力の大きさ(N) × 力の向きに動いた距離(m)
で表されます。
ランニングの場合は「体重×移動距離」に置き換えられます。

仕事の効率は
仕事率(W) = 仕事(J) ÷ かかった時間(s)
で表されます。
体重が減ることで、自然に効率よく走れるようになるのです。

トレーニングの効率が上がると無理なくトレーニング量が増やせることになります

VO2MAXが上がる

VO2MAXとは最大酸素摂取量とも言います。運動必要な酸素を取り込める能力の最大値で、持久力の指標として用いられます。マラソンランナーの場合、VO2MAXが大きい程、速く走るということです

VO2MAXの単位はml/kg・分です。体重1kg当り1分間に取り込める酸素量(ml)ということです。体重が減るということは分母が小さくなり、VO2MAXの値が大きくなります

故障のリスクを減らせる

ランニングは着地で身体に一番負担がかかります。着地の衝撃は体重の3~4倍の負担を身体にかけると言われています。体重が減ると負担も減るので故障のリスクが減ることになります

タイムアップにつながる

トレーニング効率が上がり、トレーニング量を増やすことができ、故障のリスクが下がれば、タイムアップにつながる可能性は大きくなります

減量に際しての注意点

減量はおすすめですが無理をしてはいけません。体重を減らし過ぎると体調を崩すことがあるので既に痩せ過ぎのランナーはこれ以上の減量をしてはいけません。急激な減量も体調を崩す原因になります。

  1. これ以上体重を減らしてはいけないランナーとは
  2. 筋肉や水分量を落とし過ぎてはいけない
  3. 急激に体重を落とし過ぎてはいけない
  4. リバウンドには注意

これ以上体重を減らしてはいけないランナーとは

人間の身体は様々なバランスを保つことで健康な状態をキープできます。無理に体重を落とし過ぎると健康のバランスが崩れてしまいます。脂肪は悪者のように言われがちですが、ある程度の脂肪は健康な身体に必要です。

目安としてBMIは19.8~25.0が正常範囲ですが、ランナーの場合もう少し低くしましょう。18.5を切ると痩せ過ぎです。BMIが18.5を切っているランナーは減量をしてはいけません

体脂肪率は成人男性10~20%、成人女性20~30%が正常範囲です。ランナーの場合男性は5%、女性は15%を切ると痩せ過ぎです。これ以上の減量をしてはいけません。体脂肪の計測は難しく家庭用の体脂肪計では誤差が大き過ぎます。スポーツジムなどの正確に測れる機械を使用しましょう。

筋肉や水分量を落とし過ぎてはいけない

減量で落としたいのは脂肪です無理な減量をして筋肉を落としてはいけません。ランニングも筋肉は必要です。水分量の減らし過ぎにも注意です。水分量が減ると体重が一気に減るのですが、身体の中の水分は必要です。ランニングで汗をかいて水分が減ったらドリンクを飲んで補給しましょう

急激に体重を落とし過ぎてはいけない

体重を急激に減らすと身体のどこかに無理を生じます。健康的にトレーニングを続けるには急激な減量は禁物です。適正な減量は一ヶ月に体重の2~5%です。体重が60kgの人は3kgが上限となります。

リバウンドには注意

急激に体重を減らすとリバウンドのリスクも高くなるので穏やかな減量がおすすめです。ランナーは運動を継続しているのでリバウンドのリスクは比較的低いのです。それでも減量期間が終って食事の量を急激に増やすとリバウンドします

減量期間が終ってもしばらくは食生活に気をつけてリバウンドに気をつけましょう

減量にチャレンジしよう

実際の減量の進め方を例に従ってみていきます。参考にしてください。

  1. 目標を立てる
  2. 計画を立てる
  3. 準備期間
  4. 減量期間

目標を立てる

一ヶ月に減らすのは体重の5%までにしましょう。60kgの人は3kgです。170cmの人の場合は53.5kgがBMI18.5です。体重が60kgの場合は-6.5kgを目指せます。3ヶ月間の減量で

  • 一ヶ月目 -2.5kg
  • 二ヶ月目 -2.0kg
  • 三か月目 -2.0kg

で-6.5kgです。

計画を立てる

減量期間は長過ぎると続き難く、短すぎると無理をしがちです。3ヶ月が丁度良いです。できれば春から夏が良いです。秋から冬は体重が増えやすいので減量は難しい時期です。

準備期間

最初の2~4週間は手探りの準備期間にします。食生活を改善し、炭水化物の量をコントロールします。減らしてはいけないのは野菜やタンパク質です。炭水化物も極端に減らすのではなく、走る日はしっかり摂ります。特にロング走をする前はしっかりと摂りましょう。スナック、スイーツなどお菓子は極力減らしましょう

お酒を飲むときはおつまみに気を付けます。油っこいもの、炭水化物は控えます。締めのラーメンは我慢します。2~4週間の準備期間で、どれ位の体重が減ったのか確認します。2週間で1~1.5kgは理想的です。全く減らない場合は食事制限の方法を見直します

減量期間

準備期間が上手くいったら、本格的な減量期間に入ります。体重は毎日測りますが、上下に一喜一憂する必要はありません。一週間単位で前の週より下がっていればOKです。上がってしまった場合は原因を考えて改善しましょう

まとめ

ランナーにとって減量は走力アップにつながります。ランニング効率が良くなり、トレーニング量も増やせ、自然に楽に走れるペースが上がっていきます。タイムアップを狙うランナーが今までのトレーニングでタイムの頭打ちを感じたら減量を試すのはおすすめです。

減量は計画的に行い、無理をしないことも大切です。

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しゅうぞう

しゅうぞう

現役のランニングインストラクターです。パーソナルで教えたランナーは400人以上、レッスン時間は約2000時間になります。週2回のグループレッスンも担当。ランニング学会会員です。ランナー、ランニングインストラクターとしての経験を記事に発信します。自己ベストタイムはフルマラソン2時間57分30秒(2016年)、ハーフマラソン1時間22分3秒(2018年)。