「ハーフマラソンで2時間を切りたいのですが、どのような練習をしたら良いですか?」
「どうしたらハーフマラソンを楽に走れるようになりますか?」
そのような声を良く聞きます。ハーフマラソンは練習内容次第で2時間は容易に切れます。筆者の経験上、実は最も走りやすいレースの距離はハーフマラソンです。そこで私の経験を基に練習法を紹介します。この記事が皆様のお役に立てれば幸いです。
主にランニング経験者でフルマラソン5時間切りレベルのランナー向けの練習メニューです。
ハーフマラソンで2時間を切るために
- ハーフマラソンの距離を走る練習法
- 2時間を走り続ける練習法
- 1km5分30秒で走る練習法
- 1km5分30秒より速く走る練習法
これらの4点からのアプローチで練習法を考えてみましょう
ハーフマラソンの距離を走る練習法
練習法としては、実際にハーフマラソンの距離を走る練習。実際のコースを試走する練習が主に挙げられます。走り切ることができれば、実際のレースも走れると言う自信はつくのですが、練習時間がかかる為、初心者や走る時間があまりとれない方にとってはあまり現実的ではありません。時間が取れる方は実施してみましょう。
ペースは楽に走れるペースで十分です。ハーフマラソンの距離に慣れることが練習の目的です。
2時間を走り続ける練習法
2時間切りを目標に掲げるのであれば、2時間を意識したいものです。この練習法としては、2時間LSDがおすすめです。ペースは1km7~8分程度、できるだけ止まらずに走るのが最も効果的です。遅いペースでもかまいません。2時間走り続けることを重視しましょう。
1km5分30秒で走る練習法
ハーフマラソン2時間のペースを単純計算すると1km5分41秒になります。しかし実際のコースは起伏があったり気候条件も影響してきますので、単純にこのペースでは余裕がありません。そこで、それより速いペースの1km5分30秒を目標とします。
この練習法としては、ペースランニングがおすすめです。距離は6〜7km程度、走る時間は40分程度がいいですが、慣れないうちはそれより短い距離や時間でも構いません。練習するにつれて余裕が出てきたら、ペースを上げるのではなく、距離や時間を伸ばすのが良いでしょう。重要なのはペースを身体に覚え込ませる事です。
1km5分30秒より速く走る練習法
目標のペースは1km5分30秒ですが、このペースを余裕で走れるようになるのが理想です。そのためには1km5分10秒~5分20秒で走る練習を入れます。速いペースに慣れるとそれより遅いペースに余裕が出ます。5kmビルドアップ走、2kmを3本などが良い練習です。
5kmビルドアップ走
余裕のあるペースでスタートして1km毎にペースを上げていきます。最後の1kmに目標のペースに達します。
例
1km 6分10秒
2km 5分55秒
3km 5分40秒
4km 5分25秒
5km 5分10秒
ペース設定は自身の走力に合わせて設定します。最初は無理はしないで、もっと緩いタイム設定から始めると良いです。
2kmを3本
2kmを走り、呼吸が完全に収まるまでウォーキングかジョグで休みます。これを3回繰り返します。設定ペースは最初は無理をしないで緩めのタイム設定から始めてください。目標のハーフマラソン一ヶ月前に5分10秒ペースで3回できるようになると良いです。
1週間の練習メニュー例
先に挙げた練習法を組み込んだ1週間の練習メニュー例を作ってみました。
基礎を作るトレーニング
- 月曜日 休み
- 火曜日 ジョグ
- 水曜日 ペースランニング(40分、1km5分30秒)
- 木曜日 休み
- 金曜日 ジョグ
- 土曜日 ジョグ
- 日曜日 LSD(2時間、1km7〜8分)
比較的短時間でもできるペースランニングは平日に行い、時間がかかるLSDは土曜日、もしくは日曜日に行います。なおこれらはきつめの練習になるので、翌日は休みとして身体の回復に充てます。あとは軽いジョグで繋いで身体を馴らします。
走力を作るトレーニング
- 月曜日 休み
- 火曜日 ジョグ
- 水曜日 「5kmビルドアップ走」または「2km3本」
- 木曜日 休み
- 金曜日 ジョグ
- 土曜日 ジョグ
- 日曜日 「ペースランニング(1km5分30~40秒)10~12km」または「21km走(楽なペース)」
平日に負荷をかける練習を1回入れます。土曜日、もしくは日曜日に長めのペースランニングを行います。なおこれらはきつめの練習になるので、翌日は休みとして身体の回復に充てます。あとは軽いジョグで繋いで身体を馴らします。
目標ハーフマラソンの2週間前からは、走る量を落として疲労を抜いてゆくようにしてください。当日のコンデョションを整えるのも大切です。
準備運動は入念に行いましょう
- ストレッチで関節の可動域を広げる
- 少しずつ心拍を高める
いくら練習をこなしたからと言って、身体に異常をきたしては意味がありません。身体に異常が出ないよう、準備運動は入念に行いましょう。イチロー選手は準備運動に3時間かけるそうです。それだけ最初の準備が重要であると言うことです。
ストレッチで関節の可動域を広げる
関節の可動域が大きくなることによって、走る時の動きが大きくなります。また、関節や腱への負荷も低減されるので、楽に走れるようになります。ストレッチのやり方は伸ばす箇所を息を吐きながらゆっくりと伸ばしていきます。決して無理に伸ばさないようにして下さい。無理に伸ばすと腱を痛めますので、できる範囲で行いましょう。
少しずつ心拍数を高める
急激な心拍数の変化は心臓に大きな負担をかけます。それを防ぐべく、最初は軽い運動で少しずつ心拍数を高めて、心臓を馴らしていきましょう。準備運動としてはウォーキング、もしくは軽いジョグで行います。楽に会話ができる程度のペースで走るのが最適です。準備運動である程度心拍数が高まってきたら、100m流しを2〜3本行うのも効果的です。
ハーフマラソンで2時間切りするためのペース配分戦略
- 理想はイーブンペースで
- スタート直後は焦らない
- 中盤戦は周りのランナーを上手に利用しよう
- 終盤戦の走り方
- 笑顔でフィニッシュしよう
いよいよレース本番。これまでの練習の成果を発揮する時です。レースでは以上の3つを心掛けていきましょう。
理想はイーブンペースで
ハーフマラソンに限らず、最も理想的なペース配分は、最初から最後までペースが変わらないイーブンペースです。無理なペースの上げ下げは無駄にスタミナを消費します。目標ペースは1km5分30秒です。
スタート直後は焦らない
スタート直後は周りがごちゃごちゃしている為、どうしても遅いペースになります。しかしここで焦って帳尻合わせをしてはいけません。最初の1〜2kmの遅いペースは想定の範囲内と考えて、周りの流れに乗るぐらいで十分です。
中盤戦は周りのランナーを上手に利用しよう
3kmぐらいからは周りがばらけてきて、ペースが落ち着いてきます。ここで目標ペースの1km5分30秒前後になったのであれば、周りのランナーを上手く利用してペースを作ってもらいましょう。周りのランナーに引っ張ってもらうことにより、随分と気持ちが楽になります。ペースランナーがいる大会であれば、それにつかせてもらいましょう。
終盤戦の走り方
残り5kmを過ぎればいよいよ終盤戦。ここできつくなってきます。この時点で余裕があれば思い切ってペースを上げていきましょう。まだまだいけそうならばペース維持。ぎりぎりかなと思うならばなんとか1km5分50秒ぐらいまで頑張って落ち込みを少なくしましょう。これ以上は無理だと思うならば、遅いペースに落としても良いから完走目標に切り替えましょう。
笑顔でフィニッシュしよう
いよいよフィニッシュが近づいて、ゲートが見えてきます。最近は写真サービスやフィニッシュ動画サービスを行っている大会が多いです。せっかく映るのであれば、最後はカッコよく笑顔でフィニッシュしましょう。フィニッシュした後は周りのフィニッシュしたランナーと健闘を讃えあいましょう。
まとめ
以上、練習方法を説明しました。
- 2時間走り続ける
- 1km5分30秒ペースを覚えこませる
- 準備運動は入念に行う
この3点を意識して練習に取り組めば、ハーフマラソンで2時間切りにグッと近づくでしょう。
- イーブンペース
- 焦らない
- 笑顔でフィニッシュ
本番ではこの3点を心がけましょう。
しゅうぞう
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