フルマラソンを完走したとき「もうこれ以上走ることはできない」と感じたランナーは多いのではないでしょうか?それでもフルマラソンの完走を重ねるうちにウルトラマラソンにチャレンジしたくなるランナーもいます。
ウルトラマラソンにはいろいろな魅力があります。完走しなければ分からない魅力もあります。この記事はウルトラマラソンを完走するための練習方法が書かれています。フルマラソン完走の練習方法は本やWEBに多くありますが、ウルトラマラソンの練習方法の情報はまだまだ少ないです。
ウルトラマラソンを完走して魅力を身体で感じてください。
ウルトラマラソンの基礎知識
ウルトラマラソンとはフルマラソンの42.195kmよりも長い距離のランニングレースです。とても幅が広いジャンルなので基礎情報をまとめておきます。
- ウルトラマラソンとは
- ウルトラマラソンは100kmがスタンダード
- ウルトラマラソン初心者は60~70kmレースから始めるのが良い
- 200kmを超える超長距離のレースもある
ウルトラマラソンとは
42.195kmより長い距離のレースはウルトラマラソンと言います。「42.196kmでもウルトラマラソン」という理屈になりますが、大体50km以上のレースをウルトラマラソンと言います。
ウルトラマラソンは100kmがスタンダード
ウルトラマラソンのスタンダードは100kmです。多くの大会は100kmがメインで、付随して60~70kmのレースが開催されます。100kmの制限時間は12~16時間が多いです。100kmを10時間以内に完走することを「サブ10(サブテン)」と言い、タイムを狙うウルトラランナーの憧れとなっています。
ウルトラマラソン初心者は60~70kmレースから始めるのが良い
初めてウルトラマラソンに挑戦するランナーは60~70km程度の距離がおすすめです。100km完走を目標にするステップアップレースとして60~70kmを完走してみましょう。
200kmを超える超長距離のレースもある
200kmを超えるウルトラマラソンも開催されています。レースと言うよりはチャレンジするイベント的な意味合いが強いです。24時間走り続けて走った距離を競うレースもあります。200kmを超えるウルトラマラソンは身体の疲労と共に眠さとの戦いになる過酷なレースです。
ウルトラマラソンの魅力
ウルトラマラソンにはフルマラソンとは違った魅力があります。フルマラソンが一般ランナーでも完走できるメジャーな位置づけになってきました。ウルトラマラソンは、フルマラソンから更にもう一段階ワンステップ上がった大会の位置づけです。
完走にチャレンジすることの楽しさ
初めてフルマラソンを走ったときは目標が完走だった人もフルマラソンを何度か走るとタイム短縮が目標になります。ウルトラマラソンへの新たな挑戦は再び完走が目標になります。タイムよりは制限時間や、関門の閉鎖時間を気にしながら走るのは新鮮です。
周りの反応も楽しい
ウルトラマラソンへの挑戦は周りからも注目されます。ランニングを楽しむ程度のランナーにとって100kmを走ることは想像もできないでしょう。尊敬の眼差しで見られます。ランナー仲間から新たなチャレンジに対して応援して貰えることでしょう。
限界と感じたその先が見られる
ウルトラマラソンには困難が待ち受けています。楽に100kmを走り切ることは人間の能力として不可能です。もう限界と感じる場面がありリタイアを考えます。限界を超えた先の世界を見たときに新たな何かを見ることができます。
ゴールできた時の感動
様々な困難を乗り越えてゴールできたときの気持ちは走りきったランナーしか分かりません。それはとても素晴らしいものです。どんな感動なのかはゴールして感じてください。
60~70kmのウルトラマラソンの練習
ウルトラマラソンの入門として60~70kmのレースは最適です。完走を目指してみましょう。
フルマラソンを走れる走力があれば準備期間は3ヶ月
フルマラソンを完走する走力があれば、60kmは完走できる力があります。70kmはあともう少し力をつければ完走できます。ウルトラマラソン完走に向けては、
- レースペースを身体に馴染ませる
- 40~50km走を入れる
- 完走への戦略を考える
が大切です。
気持ち的にはフルマラソンの延長と考える
フルマラソンの42.195kmを走りきれるランナーは60kmを完走する走力を持っていると言っても過言ではありません。トレーニングで走った距離の約1.4倍は走れるものです。例えば42.195を走るフルマラソンの練習は30km走がメインです。42.195kmは30kmの約1.4倍です。
42.195kmの1.4倍は約59kmです。42.195kmを走れる人は60kmに手が届くのです。
楽に長く走れるペースを覚える
ウルトラマラソンで完走を目指すなら自分が楽に走れるペースを見つけることです。フルマラソンで自己ベスト記録を狙うペースは少し無理をしているペースです。LSDのようなペースでは遅過ぎて走り難いです。
身体への負荷が少なく気持ちよく走れるペースを見つけましょう。これがウルトラマラソンのレースペースになります。平日時間がとれないとき、短い距離でもレースペース意識して走りましょう。
平日のポイント練習はやや長めのレースペース走
ウルトラマラソンで完走を目指す場合スピード練習は必要ありません。フルマラソンの自己ベスト更新を目指す場合は、週に1回ポイント練習でスピード練習を入れるランナーが多いです。ウルトラマラソンの完走を目指す場合、スピード練習の代わりにやや長めの距離をレースペースで走るペース走にします。
補給食、給水、関門時間を考慮した戦略が大切
ウルトラマラソンで完走を目標には戦略が大切です。楽に走れるペースと関門の閉鎖時間を比べてどれ位の余裕があるか確認しましょう。関門通過がぎりぎり若しくは間に合わない場合はレースペースをもう少し速くする必要があります。
ウルトラマラソンでは補給がとても大切になります。フルマラソンではゼリーやフルーツなどの軽食だけでエネルギーをまかなえますが、60~70kmになるとエネルギー補給の重要性が高くなります。
40~50km走を2回入れる
3ヶ月の間に40~50km走を2回入れておきたいです。止まらないで走り切る必要はありません。むしろ途中でしっかりと食べ物を補給し、その後走っても大丈夫かを確認します。シューズ、ソックス、ウエア、携帯品、エネルギーゼリーなどは本番と同じものを持っていきます。
一度目の40~50km走で装備を試し、反省をして改善したもので二度目の40~50km走を走ります。
LSDも有効なトレーニング
快適に感じるペースよりももっと遅く走り、少し不快な位ゆっくりペースで走るLSDはウルトラマラソンにも有効です。走力のベースを底上げしたいときは120~180分間のLSDを入れてみましょう。
一度は雨を想定した装備で走ってみる
レース当日、雨が降る可能性もあります。雨用の装備を用意して練習で一度は試してみましょう。距離は20km位で良いので雨の日を選んで走ってみましょう。問題が見つかったら改善します。
100kmのウルトラマラソンの練習
60~70kmのレースを完走したらいよいよ100kmにチャレンジしてみましょう。
基本的には60~70kmウルトラと同じ練習
基本的な考え方、トレーニング方法は60~70kmレースと同じです。準備期間は3ヶ月程度です。
- 楽に走れるペースを覚えてレースペースに設定する
- 給水、給食、関門の戦略は大切
- LSDも入れてみる
- 一度は雨の装備で走ってみる
レベルアップさせる点は下記3点です。
- 70kmを走れる走力があれば100kmは走れると考える(70kmの1.4倍は98km)
- 練習の最長距離は50~60kmになる
- エネルギー摂取の重要性は更に高くなる
60~70kmレースの反省点を活かす
60~70kmレースで得た経験は貴重です。100kmレースへの反省材料にしましょう。反省材料をトレーニングのロング走で試します。
- エネルギー補給は最後まで無理なく固形物を摂取できたか
- 身体のどこかに痛みは出なかったか
- シューズ、ソックス、ウエアは合っていたか、擦れはなかったか
50~60kmがトレーニングを2回入れる
50~60kmレースではトレーニングのロング走は40~50kmでしたが、100kmレースのトレーニングでは50~60kmを走ります。3ヶ月のトレーニング期間内に2回入れられると良いです。
60~70kmのウルトラマラソンを練習として入れる
理想的には100kmレースの前に60~70kmを一度走っておきたいです。一人で走るのは困難な距離なので60~70kmレースを一回入れられると良いです。トレーニングで50~60kmを1回、60~70kmレースを1回が理想です。
身体へのダメージと回復期間を考慮すると60~70kmレースは遅くとも100kmレースの3週間前に走っておきたいです。
エネルギー摂取がより重要になる
100kmは60~70kmよりもエネルギー摂取が重要になります。60~70kmレースの後半に気持ちが悪くなり固形物の摂取ができなくなったランナーは対策が必要です。
- カーボローディングで前日までに炭水化物を身体に溜め込む
- 当日の朝も多めに炭水化物を摂る
- 前半のエイドステーションで多めにエネルギーを蓄える
- 後半に気持ちが悪くなった時に備えてゼリーを持っていく
- ゼリーも摂取できなくなったらジュースの糖分でエネルギーを摂る
まとめ
ウルトラマラソンはとても魅力的なレースです。フルマラソンを完走できると走力があれば60kmには手が届きますが、100km完走は困難でチャレンジしがいがあります。事前のトレーニングも大事ですが、戦略を立ててトレーニングで戦略を試してみましょう。
ウルトラマラソンの100km完走は困難なチャレンジですが完走できたときの感動はフルマラソンを上回るものがあります。
しゅうぞう
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