マスクをして走るとどんな効果があるの?ランニングのマスク活用方法

ランニング知識

マスクをして走る効果は幾つかあります。顔をマスクで覆うので保温の効果があります。顔を日差しから守るUVカットや暑さから守る効果もあります。花粉の季節には花粉症の症状から守るアイテムにもなります。

もう一つランナーが興味を持っているのはトレーニングへの効果です。マスクをして走ったことがあるランナーは体験的に息苦しくなるのを感じてるのではないでしょうか。この息苦しさが、トレーニング効果を上げる、心肺機能が上がるなどの噂を作り出しています。

この記事ではランニングでのマスクの活用方法について書かれています。

ランニングのマスク活用方法

ランニングでのマスク活用法を列挙しました。大きくは

  • 保温
  • 外部から身を守る
  • トレーニング効果を上げる

です。

保温

マスクをすると外気から顔の露出面が覆われるので保温の効果があります。一般用の使い捨てマスクでも保温の効果がありますが、スポーツ用の保温マスクは素材やデザインが工夫されているので、保温効果が高いです。

喉や唇の乾燥防止

冬は空気が乾燥しているので喉が乾燥しやすく、風邪などのウィルスが入る原因にもなります。唇が乾燥しやすい人は唇が割れてしまい痛い目にあいます。マスクをすることで呼吸に含まれる水分が喉や唇の乾燥を防ぎます

花粉の侵入防止

花粉が飛び始める2月上旬からは花粉症のランナーにとって辛い季節になります。花粉症の症状を抑える対策の1つは花粉を体内に入れないことです。マスクをすることは鼻や口に花粉を入れないための有効な対策です

粉じんの侵入防止

良いマスクを選べばPM2.5や排気ガスが体内に入るのを防ぐ効果があります。空気が悪い都心で走るランナーで排気ガスの影響が心配ない人は粉じんの侵入防止効果のあるマスクを探してみると良いです。

UVカット

女性にとって夏の日焼けは大きな問題です。UVカット機能がついたマスクは日焼けから顔を守ります。日焼け止めを塗ったうえに顔全体を覆うマスクを着用しているランナーもいます。紫外線は皮膚にシミやそばかすが出るだけでなく皮膚がんのリスクを高めるというデータもあります。

暑さ対策

日差しが強い日は肌を日差しにさらさない方が暑さ対策になる場合があります。マスクによる日差しのブロックは日焼け止め対策だけでなく暑さ対策にもなります

トレーニング効果アップ

心肺機能を鍛える効果があると宣伝しているマスクがネットで販売されています。検索エンジンで「心肺機能強化 マスク」と検索すると数多くの製品がヒットします。

ランニングに使えるマスクいろいろ

マスクにはいろいろな種類があります。一般用からスポーツ用、ランニング向けなどです。ランニング用ではない製品もランニングに使えるものも多くあります。

一般用使い捨てマスク

コンビニで買える一般用の使い捨てマスクはランニングでも使えます。

  • 保温
  • 花粉の侵入防止

安価でコンビニさえあれば直ぐに手に入れられるメリットがあります。見た目はあまりよくありません。

スポーツ用フェイスマスク

スポーツ用のフェイスマスクは目的によっていくつかあります。
・保温、防寒を主な目的にした冬用
・UVや日差しから身を守る夏用
です。デザイン性に優れたものもあり、呼吸のしやすさ、蒸れ難さなどの工夫もされています

PM2.5、排気ガスの防止マスク

都心の公害から身を守るためのマスクも販売されています。フィルターが付いている本格的なものもあります。ランニング用ではないため見た目の悪さ、呼吸のし難さなどの問題はあります。

トレーニング用マスク

心肺機能を鍛えるマスクも販売されています。値段は2,000円~20,000円程度まで幅広いです。

マスクをして走るとトレーニング効果は上がるの?

マスクをして走ると心肺機能が向上するといった情報をネットからピックアップしました。

効果が無い

「マスクを付けても効果が無い」という報告がありました。マスクをつけても空気は十分吸い込めるので効果は無いという説明です。

呼吸筋が鍛えられる

体内にと入れる酸素濃度はマスクをしてもしなくても変わらないが、呼吸筋は鍛えられるという説明があります。マスクをすると空気を吸い込み難くなるので、必用な酸素量を確保しようとして呼吸筋が鍛えられるという理論です。

心肺機能が上がる

マスクをつけると入ってくる空気が少なくなり、低酸素トレーニングの効果があるという説明もあります。体内に入ってくる空気が少ないと酸素も減るので高地の低酸素状態が作り出せるという説明です。

マスクを選べば効果がある

一般で販売されているマスクは隙間が多いので効果がないが、隙間が少ないマスクを使えば心肺機能を上げる効果があるという説明もあります。心肺機能が上げるためのトレーニング用マスクも販売されています。

実験!マスクをつけて走ってみる

ネットの情報では、いろいろな情報が飛び交っていたので実際に試してみることにしました。花粉対策としてマスクを付けて走ったことは何度もあり呼吸を苦しかったです。

過去の経験から個人的にはマスクを付けることで、心肺機能に負荷がかかると考え実験を開始しました。

目的

マスクをつけた時、付けなかったときを比べ、マスクを付けた時に心肺機能に対する負荷がかかっているのかを確認する。

方法

マスクを付けたとき、付けなかったときの交互に1㎞を同じペースで走り、心拍の変化を比較する

  • マスク:一般の使い捨てマスク

  • 心拍計:GARMIN630Jと胸ベルトのハートレートモニター
  • ペース:4:10/km
  • 距離:1kmを6本(マスク有りとマスク無しを交互に走る)
  • 休憩:350mをウォーキングし、心拍が100bpmを切ったらスタートする

結果

1本目 マスク有り
平均ペース:4:10/km
平均心拍数:148bpm
最大心拍数:154bpm

2本目 マスク無し
平均ペース:4:09/km
平均心拍数:149bpm
最大心拍数:158bpm

3本目 マスク有り
平均ペース:4:09/km
平均心拍数:149bpm
最大心拍数:158bpm

4本目 マスク無し
平均ペース:4:09/km
平均心拍数:150bpm
最大心拍数:158bpm

5本目 マスク有り
平均ペース:4:09/km
平均心拍数:151bpm
最大心拍数:158bpm

6本目 マスク無し
平均ペース:4:08/km
平均心拍数:151bpm
最大心拍数:159bpm

心拍数グラフ

1本目 マスク有り


2本目 マスク無し


3本目 マスク有り


4本目 マスク無し


5本目 マスク有り


6本目 マスク無し

検証

マスク有りとマスク無しで心拍の負荷は変わりないです

マスクにより体内に入ってくる酸素の量が少なくなることは無いという結果です。

今回使用したのは隙間が多くなるべく呼吸がしやすいように作られている一般的なマスクです。機密性の高いマスクをしたら結果が違う可能性もあります。

呼吸が苦しく感じたのは事実なので、空気を取り入れるための呼吸筋を鍛える効果はあったのかも知れません。

まとめ

ランニングでマスクをすると外部環境から身を守る効果があります。寒さから身を守る保温効果。花粉の侵入をブロックする効果。UVから皮膚を守る効果などです。マスクにはトレーニング効果があるとも言われています。

マスクをすることで体内に取り入れられる酸素の量が少なくなり、高地トレーニングと同じ効果があると言われています。一般用のマスクをしても心肺機能に負荷をかけることはできませんでした。

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しゅうぞう

しゅうぞう

現役のランニングインストラクターです。パーソナルで教えたランナーは400人以上、レッスン時間は約2000時間になります。週2回のグループレッスンも担当。ランニング学会会員です。ランナー、ランニングインストラクターとしての経験を記事に発信します。自己ベストタイムはフルマラソン2時間57分30秒(2016年)、ハーフマラソン1時間22分3秒(2018年)。