走って着地する時には自分の体重の3~5倍の衝撃が足元にかかると言われています。また、一日あたりの歩数は8000~1万3000歩にもなります。相当に足を駆使をしていることが分かります。
ちなみに、ランナーに聞いたアンケートでは、走る事をやめてしまう理由の第1位は「怪我」です。
今回は足のサポートや怪我防止に有効と言われる、ランニングシューズのインソール(中敷き)にスポットをあてたいと思います。それではいってみましょう。
インソールの役割
ランニングで負荷がかかるのは、足裏、膝、腰、肩などですが、すべては地面と接触する足元が基点となっています。シューズ選びが重要と言われる所以です。
シューズに入っているインソールの役割は?
でも、ランニングシューズを買った時に付属しているインソールはペラペラではないですか?使っているとすぐにヘタってきます。これで本当に効果があるのか、と疑問を感じますよね。そこで登場するのが有料で販売されているインソールです。
有料インソールはシューズの付属インソールと違い、機能を有しています。整理してみましょう!
着地衝撃を軽減
着地場所はカカト、母子球、足先、ヒトそれぞれですが、衝撃を受けることは確かです。
最近は衝撃吸収機能を備えた厚底シューズが流行っていますが、インソールにも衝撃を吸収する機能があるので、厚底シューズにインソールを入れれば、足のサポート力はさらにアップするでしょう。
ただし、注意点があります。ランニングシューズによってはソールを薄くすることで軽さやスピードを追求するモデルがあります。その場合、インソールを入れてしまうと逆効果になってしまいます。使用するシューズの機能や特徴をよく確認しましょう。
パフォーマンスを維持
長い距離を走ると疲労がたまり、徐々に足裏のアーチ(土踏まず)が落ちてきます。
アーチは、車に例えるとアクセスです。アーチが落ちてくると踏み込めなくなり、スピードが出なくなります。すると、無理な姿勢で踏ん張る、走りのバランスが崩れる、全身が疲れるという負のスパイラルに陥ります。
インソールはアーチをキープし、支える機能が備わっているので、パフォーマンスを維持します。
怪我の防止
走る時の着地接点である土台の足元が崩れると、膝や腰、そして全身に影響してきます。
あまりにダメージが大きいと怪我につながってしまいます。
発生率が高い怪我
- 足底腱膜炎・・・足裏のカカト付近に刺すような痛みがくる
- 腸脛靭帯炎・・・膝の外側の腱が骨と擦れることで痛みがくる
- シンスプリント・・・スネの内側にズキンズキンという痛みがくる
- アキレス腱炎・・・ふくらはぎやアキレス腱付近に突き上げるような痛みがくる
ちなみに、このような怪我の原因がオーバープロネーションです。これを防ぐことこそがインソール最大の役割ともいえます。
オーバープロネーションとは
「過回内(かかいない)」という足の異常な関節運動のことです。アーチが崩れ、スネの向きが内側に入り、カカト周りが過剰に動いてしまうことで発生します。
原因は着地や蹴り出すタイミングがズレていることです。疲れてくるとズレが大きくなり、痛みに変わってきます。
インソールはオーバープロネーションが発生しにくいように、カカト部分をサポートしてくれます。
オススメブランド3選
スーパーフィート
1964年にアメリカでアメリカ足病医学の理論から足底板が作られたのが起源です。その後、リハビリ、スポーツ、普段使用と製品ラインナップを広げていきます。
医学理論に基づいた40の特許
スーパーフィートの特徴はヒールカップです。カカト部分のサポートを中心に数多くの特許を取得。
またバイオメカニクス(生体構造力学)に基づいた設計のお墨付きがついています。
60日間の交換・返金対応
これはスゴイですね。60日以内であれば、交換・返金対応をしてくれます。
もちろん誤用・乱用・不適切な手入れは対象外。その判断は販売店に委ねれているようです。とても良心的な対応だし、自社製品に自信が無いとできないサービスだと思います。
わかりやすい3つのカテゴリー
- カスタムフィット・・・使用者の足型にあわせてオリジナルインソールを作ります。金額と制作時間が通常より余計にかかりますが、自分だけの特注品が手に入ります。
- トリムフィット・・・あらかじめ用意された数種の型番の中から自分にふさわしいものを選択します。アーチの高さで用意されています。
- ドレスフィット・・・普段に使用するビジネスシューズやパンプスに装備できるアーチ部分に限定されたパーツです。立ち仕事や歩行が楽になります。
使用した感想
私はトリムフィットをロードでのトレーニングで使っています。疲労が溜まってオーバープロネーションがおこらないようにしています。
【良い点】
- カカト部分にプレートがあるため履くと安定感があります。
- 3年使っていますが、ヘタってきた感じがあまりないです。とても丈夫です。
【悪い点】
- プレートがある分、重くなるのと、厚みがでるのでシューズの種類によっては紐を締めると窮屈で痛いことがあります。
シダス
シダスはフランスで生まれ、創業は1975年。スキー選手のブーツの中にいれるオリジナルインソールを作り始めたことがスタートです。
今では一般的なカスタムインソールを、すでにこの時代から手がけていたのは驚きです。その後、医療機関の要請で製品を開発、積み重ねた技術を基に、ランニング、自転車、ゴルフなどの分野でもシェアを伸ばしています。
売りは「フレキシブルサポート」
土踏まず、かかと、足先をピッタリ、しっかり、しなやかにサポートすることがセールストーク。形状はもちろん、使用する素材にもこだわり、靴をストレスフリーにすることを目指しています。
高機能素材を活用
大手化学メーカーと協同で製品化。抗菌、防臭、吸収、耐摩擦、反発、耐久性など特徴ある素材を次々にインソールに搭載しています。
新しいライナップ充実
近年はシダスのコンセプトを貫きながらも、新しい製品作りに挑戦し、サポーターやサンダル、ソックスを発売。
また、他社と同じようにアーチの高さによって選べるシリーズやランニングに特化した製品も揃えています。トライアスロンやトレイルランニングの分野でも使用率が上がっているようです。
使用した感想
私はアクションプラスの前モデルを5年前から使っています。シューズの中で足が動かないようにするためです。トレイルランニングや不整地練習でシューズに入れています。
【良い点】
- 自分の足型に形成されるので、シューズの中で足が動くことがありません。
- 5年前から使っているのに、いまだ現役使用中です。
【悪い点】
- シューズが多少重くなります。トレイルシューズはそもそも重いので、それほど気になりません。
ソルボ
ソルボは素材の名です(正式名称にはソルボセイン)。イギリスの医療分野で生まれました。現場で実際に使われている人工筋肉で、圧を加えすると衝撃を吸収する高い能力を持っています。
この特性を応用しインソールに使っています。ソルボDSIS(ダイナミック シュー インソール システム)として、3ヶ所のアーチ(土踏まず、足裏中央部、足裏外側)をサポートします。
使用した感想
今回の記事を書くために、購入してみました。
【良い点】
- 価格が安いです。ネット通販で1350円で購入できました。
- 着地衝撃が一点に集中することなく、足裏全体に分散している感じがします。
【悪い点】
- 地衝撃を吸収してくれますが、蹴り出す時に力が逃げてしまうような感じがしました。ただし、長い距離を走る場合は、吸収力が筋肉ダメージを減らして味方になると思います。
まとめ
スポーツ売り場に行くとインソールコーナーがあります。いつも使っているランニングシューズを持って行き、インソールを試してみると良いでしょう。
紹介したブランドもヒトによって合う合わない、履き心地も様々です。自分に合うインソールが見つかればラッキー!ぐらいの軽い気持ちでまずはトライしてみてください。
インソールを使う目的は色々です。着地の安定が無いと走れない、怪我予防のために使う、長い距離では使わないと最後まで持たない、、、など。
ただし、インソールはあくまでもサポートグッズだという事を忘れないでください。インソールが無いと走れない、という事がないように、まず前提として走る時のフォームや脚作りが整っていること。
その上でインソールを使えば、機能をフルに活用でき、あなたにとって大きな武器になります!目標到達のショートカットかもしれませんよ。
C-Gachio
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