プロインストラクターが教える冬のランニングを快適にする服装選びのコツ

ランニンググッズ

冬はランニングに適したシーズンです。走り出して身体が温まると動きが良くなり、自然に気持ち良くペースが上がります。

ところが冬のランニングは服装選びが難しいです。寒くて重ね着すると身体を動かし難くなります。走っていると身体が温まって予想以上に暑くなり、大量の汗をかいてしまうこともあります。逆に走れば温まるだろうと薄着で走り出し、身体が温まらず、最後まで寒さに凍えながら走るはめになることもあります。

特に初心者ランナーは冬のランニングウェア選びに困っていませんか?

この記事では冬のランニングを快適にする服装選びのポイントを解説していきます。

  1. 冬のランニングを快適にするポイント
    1. 冬のランニングでランナーが失敗する例
      1. 着込み過ぎ
      2. 保温が不足
      3. 汗が邪魔をする
      4. 汗冷えしてしまう
  2. 何を基に服装を決めると良いの?
    1. 天気などの外的要素
    2. ランニングペース、距離
    3. ランナー自身の保温、発熱能力
  3. どんなアイテム(ウェア、小物)が必要なの?
    1. 1.インナーレイヤー
      1. インナーの役割
      2. インナーアイテムの種類
      3. アイテム選びの注意点
    2. 2.ミドルレイヤー
      1. ミドルレイヤー役割
      2. ミッドレイヤーアイテムの種類
      3. アイテム選びの注意点
    3. アウターレイヤー
      1. アウターの役割
      2. アウターアイテムの種類
      3. アイテム選びの注意点
    4. 小物
      1. 小物の役割
      2. 小物アイテムの種類
      3. アイテム選びの注意点
  4. 実際にアイテムを組み合わせて走ってみよう
    1. 必要最小限のアイテムを揃えておきます
    2. ベースとなるアイテムの組み合わせを決めておきましょう
    3. ランニング当日の情報を収集します
      1. ランニングの距離、ペースを決める
      2. 走る時間帯を確認
      3. 天気予報を確認
      4. ウェア・小物を決める
    4. 当日、ランニングを楽しみましょう
    5. ランニング後に服装の考察をしましょう
  5. 冬のランニングウェア選びのケーススタディ
    1. 寒さが厳しく、風が強い夜に、ゆっくりペース
      1. インナー
      2. ミドルレイヤー
      3. アウター
      4. 小物
    2. 気温は10℃位、風が弱い昼間、呼吸が乱れる手前くらいのペース
      1. インナー
      2. アウター
      3. 小物
    3. 気温は10℃位、風が弱い昼間、頑張ってペースを上げていきたい
      1. インナー
      2. アウター
      3. 小物
  6. まとめ
      1. しゅうぞう
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冬のランニングを快適にするポイント

  • 寒さを防ぐ
  • 着込み過ぎない
  • 汗を上手く処理するウェアを選ぶ

この3点が冬のランニングを快適にするポイントです。「寒さを防ぐ」「着込み過ぎない」相反するので、このバランスが大切になります。

汗を上手く処理する素材を使ったウェアは冬のランニングを快適にする鍵になります。通気性、吸汗性、速乾性は必要な機能です。

冬のランニングでランナーが失敗する例

冬のランニングを快適に走れなかった、失敗例を4つあげます。

着込み過ぎ

  • 寒いので着込んでランニングに出かける
  • 最初は快適だが身体が温まると動き難く感じる
  • 身体の動きが良くなってもウェアが重く感じて快適に走れない

保温が不足

  • 厚着すると走り難いので薄着でランニングに出かける
  • 走り出しても中々身体が温まらない
  • 最後まで寒さに凍えながら走ることになる

汗が邪魔をする

  • 厚着をしてランニングに出かける
  • 身体が温まり汗が出てくる
  • 汗を吸ったウェアが身体にまとわりついて快適に走れない

汗冷えしてしまう

  • 厚着をしてランニングに出かける
  • 身体が温まり汗が出てくる
  • 疲れて歩いていると汗が冷えて寒くなる

何を基に服装を決めると良いの?

・天気などの外的要素
・ランニングペース、距離などランニングの内容
・ランナー自身の保温、発熱能力

これらをトータルで考えてランニングの服装を選びます。

天気などの外的要素

  • 気温
  • 日差し
  • 時間帯

気温を気にするランナーは多いのですが、体感温度は風と日差しの影響が大きいです。気温が10℃位で風が無く昼間日差しがある時間帯は着込まないでも快適に走れます。同じ気温が10℃でも夕方から夜になる時間帯で風が強い日はとても寒く感じるので、保温対策をして走るのが良いです。

ランニングペース、距離

  • ペース
  • 距離

軽快に速いペースで走るときは動きやすさを重視して薄着が良いです。速いペースで走ると身体が温まりやすいです。ゆっくりペースで走るときは身体が温まり難いので保温性を重視します。走る距離が長くなるとゆっくりペースでもじわじわと暑くなってくるので小物などで体温調整ができると良いです。

ランナー自身の保温、発熱能力

  • 空腹状態
  • 筋肉と脂肪

空腹だと身体を温めるエネルギーが少ないので走っても温まり難いのです。空腹時に走る場合は保温対策をしっかりします。男性は筋肉を動かすことで熱を作り身体を温めます。女性は体脂肪が多いので保温力が高いです。筋肉の少ない男性脂肪の少ない女性保温対策が大切です。

どんなアイテム(ウェア、小物)が必要なの?

  1. インナーレイヤー
  2. ミドルレイヤー
  3. アウターレイヤー
  4. 小物

冬のランニングで使用するアイテムを層(レイヤー)に分けて説明します。役割アイテムの種類選ぶ際の注意点を知っておきましょう。アイテムを上手く組み合わせることで、快適なランニングへの準備ができます。

1.インナーレイヤー

インナーは身体に密着して、保温と汗処理をします。肌に直接触れる部分なので着心地が大切です。高機能なインナーは汗を熱に変える機能があります。

インナーの役割

  • 身体から生まれた熱を逃がさない(保温性)
  • 汗を逃がす(通気性)
  • 逃げなかった汗を吸う(吸汗性)
  • 吸った汗を素早く乾かす(速乾性)

インナーアイテムの種類

  • ランニングタイツ
  • 長袖シャツ
  • 半袖シャツ
  • ソックス

アイテム選びの注意点

  • 保温性、通気性、吸汗性、速乾性全てが備わっているものがベスト
  • 肌に密着するので肌触りも大切
  • ストレッチ性も必要
  • ランニング用の製品が無難
  • アウトドア用の製品は機能が高いが値段も高い

2.ミドルレイヤー

ミドルレイヤーはインナーとアウターの間の層です。この層があると保温効果が高くなりますが、動き難くなる原因にもなります。動きを重視する場合はミドルレイヤーに何も着ない選択肢もあります。

ミドルレイヤー役割

  • インナーとアウターの間で保温層を作る(保温性)
  • 蒸れないために汗を逃がす(通気性)

ミッドレイヤーアイテムの種類

  • ジャージ上下
  • フリース

アイテム選びの注意点

  • 保温性が高いものが良い
  • 動きやすさのために、薄くてストレッチ性があると良い
  • ランニング用の製品が無難
  • アウトドア用の製品は機能が高いが値段も高い

アウターレイヤー

アウターは外気にさらされる部分です。外の環境からミッドレイヤー、インナーを守ります。

アウターの役割

  • 風を防ぐ(防風性)
  • 中の熱を逃がさない(保温性)
  • 蒸れないように汗は逃がす(通気性)

アウターアイテムの種類

  • ウィンドブレーカー上下
  • ランニングパンツ(ランニングタイツと重ね履きする)

アイテム選びの注意点

  • ウィンドブレーカーは防風性が必要
  • 通気性がないと蒸れて不快になる
  • 軽い方がベター
  • ランニング用の製品が無難
  • アウトドア用の製品は機能が高いが値段も高い

小物

小物のメリットは簡単に脱ぎ着ができる点です。
寒ければ着けて、暑くなれば脱いでポケットにしまったり、パンツに挟んだりできます。

小物の役割

必要に応じて寒さ対策を補完する

小物アイテムの種類

  • 手袋
  • ニットキャップ
  • ネックウォーマー
  • フェイスマスク
  • 耳あて

アイテム選びの注意点

  • 身に直接つけるものが多いのでフィット感が大切
  • ランニング中にズレるとストレスになる
  • ランニング用の製品が無難
  • アウトドア用の製品は機能が高いが値段も高い

実際にアイテムを組み合わせて走ってみよう

快適な冬のランニングを実践していきましょう。必要最小限のアイテムをそろえます。アイテムは必要に応じて増やしていきます。アイテムの組み合わ方のノウハウは経験の積み重ねです。同じアイテムでも薄手、厚手を持っていると組み合わせ方で、微妙な調節ができます。

必要最小限のアイテムを揃えておきます

必要最小限のアイテムは下記です。

  • タイツ
  • 長袖シャツ
  • 半袖シャツ
  • ソックス
  • ジャージ上
  • ウィンドブレーカー上下
  • 手袋

ネックウォーマーとニットキャップもあると良いです。安いものは100円均一ショップに行けば100~500円で買えます。

ベースとなるアイテムの組み合わせを決めておきましょう

事前にベースとなるアイテムの組み合わせを決めておきます。ランニングの時間、走るペースが同じな場合はベースとなるアイテムを決めやすいです。ランニング当日の天気、ペース、距離などを情報を考慮して、アイテムを足し引きします。

天気の良い昼間ゆっくりペースで走るケースのベースとなるアイテムの組み合わせ例です。

  • タイツ
  • 長袖シャツ
  • 半袖シャツ
  • ソックス
  • ウィンドブレーカー上下
  • 手袋
  • ニットキャップ

ランニング当日の情報を収集します

ランニング当日の天気、気候、時間帯、走る距離とペースなど情報を集めます。いつもと違う条件があれば、アイテム選びに加味します。例えば気温がいつもより極端に低ければ、ウィンドブレーカーの下にフリースを着込みます。少し低いくらいなら、インナーの長袖シャツを裏起毛で保温性の高いものする、などです。

ランニングの距離、ペースを決める

  • ペース
  • 距離

走る時間帯を確認

  • 寒くなってゆく時間帯か、暖かくなってゆく時間帯か
  • 食事をしてからどれ位か、エネルギーは身体に残っている時間帯か

天気予報を確認

  • 気温
  • 天気(日差し)

ウェア・小物を決める

ベースのアイテム組み合わせから、確認した情報を基にウェア、小物を足したり引いたりしてアイテムを決定します。

当日、ランニングを楽しみましょう

  1. 実際の外の天気を再チェック、必要に応じてウェア、小物を再調整
  2. ウェアを着て、小物をつける
  3. 寒さが厳しい日は準備体操を室内で行う
  4. ランニング開始、最初の10分間は少し我慢
  5. 身体が温まったらペースをキープ
  6. 暑くなったら小物を外してパンツに挟む
  7. もっと暑くなったらウィンドブレーカーを脱いで腰にくくる
  8. 寒くなってきたら、ウィンドブレーカーを着たり、小物をつけ直す
  9. ランニングが終ったら汗冷えする前に着替える

ランニング後に服装の考察をしましょう

ランニングが快適だったかを考察します。原因が服装にある場合は、何が問題だったかを考えて、次回への改善につなげます。この積み重ねが服装選びのノウハウになり、より快適な冬のランニングに近づいていきます。

冬のランニングウェア選びのケーススタディ

最後に天気、時間帯、ペースを想定して快適に走れる服装の例を3つ示します。参考にしてください。

寒さが厳しく、風が強い夜に、ゆっくりペース

インナー

  • 保温性の高いアウトドアメーカーのタイツ
  • 保温性の高いアウトドアメーカーの長袖シャツ
  • スポーツメーカーのTシャツを重ね着
  • 厚手のランニング用ソックス

ミドルレイヤー

  • 薄手で保温性の高いアウトドアメーカーのフリース

アウター

  • 裏地の付いているウィンドブレーカー上下

小物

  • 手袋
  • ニットキャップ(もしくは耳あて)
  • ネックウォーマー
  • フェイスマスク

気温は10℃位、風が弱い昼間、呼吸が乱れる手前くらいのペース

インナー

  • 通気性が高く動きやすいランニングメーカーのタイツ
  • 保温性の高いランニングメーカーの長袖シャツ
  • スポーツメーカーのTシャツを重ね着
  • 薄手のランニング用ソックス

アウター

  • 裏地のないウィンドブレーカー上下

小物

  • 手袋
  • ニットキャップ(もしくは耳あて)
  • ネックウォーマー

気温は10℃位、風が弱い昼間、頑張ってペースを上げていきたい

インナー

  • 通気性が高く動きやすいランニングメーカーのタイツ
  • 通気性が高く動きやすいランニングメーカーの長袖シャツ
  • 薄手のランニング用ソックス

アウター

  • 裏地のないウィンドブレーカー上
  • ランニングパンツ

小物

  • 手袋

まとめ

冬は服装を工夫すれば快適に走れるシーズンです。初心者ランナーは快適な服装選びが難しいかも知れません。この記事の内容を参考にして経験を積めば、最適な服装を選べるようになります。

ポイントは防寒対策と動きやすさのバランスです。小物を使うと体温調節がしやすくなります。ウェアの素材は保温性に加えて、通気性、吸汗性、速乾性に優れたものを選んでください。有名なランニングメーカーの製品を選ぶと無難です。

ランニングアイテムを上手く組み合わせると、快適な冬のランニングライフが楽しめます。

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しゅうぞう

しゅうぞう

現役のランニングインストラクターです。パーソナルで教えたランナーは400人以上、レッスン時間は約2000時間になります。週2回のグループレッスンも担当。ランニング学会会員です。ランナー、ランニングインストラクターとしての経験を記事に発信します。自己ベストタイムはフルマラソン2時間57分30秒(2016年)、ハーフマラソン1時間22分3秒(2018年)。

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