ランニングと活性酸素の関係「ランニングで発生する活性酸素を抑える方法」

ランニング知識

活性酸素と聞くと、「健康の害になるもの」というイメージを持つ人が多いでしょう。しかし、体の中の免疫機能の一助を果たしている、と聞くと逆に良いイメージを持つのではないでしょうか。

ランニングの強度によって、活性酸素は良い方向にも、悪い方法にも働くことがあります。自分により適した強度のランニングで、活性酸素を良い働きのものへ導きましょう。

この記事では、ランニングでどの程度の活性酸素が発生するのか。活性酸素がランニングに与えるデメリット。その活性酸素を抑えるためには、どうするべきかをまとめました。

ランニングによってどれくらいの活性酸素が発生するか

以下の2つに分類して学習していきましょう。

  1. 活性酸素の発生機序
  2. 活性酸素への変換率からどれくらい発生するかを検討する

1.活性酸素の発生機序

体内の活性酸素は、適量であれば、体外からの細菌、ウィルスを死滅させてくれる重要な働きを担っています。

しかし、必要以上の活性酸素が発生すると、DNAや細胞膜を酸化させるという方向に働いてしまいます。この酸化によって様々な病気の原因となったり、老化に繋がったり、という悪さに繋がるわけです。

2.活性酸素への変換率からどれくらい発生するかを検討する

ランニング時、活性酸素への変換率は5〜8%にもなると言われます。

人間は安静時200ccの酸素を摂り込み、このうち活性酸素に変換されるのは2〜3%というので、ランニングによって活性酸素への変換率が高まるのは明らかですね。

理由として第一にランニングをすることで呼吸数が増えることがあげられます。次に体温上昇も活性酸素への変換を高める要因になるので、活性酸素への変換率は安静時よりも高いものになるのです。

活性酸素がランニングに与えるデメリットは、疲労回復が遅れること

高い負荷のランニングによって発生した活性酸素は、ランナーにとって疲労回復が遅くなることが最大のデメリットといえます。勿論、将来の病気に対してのデメリットは多くありますが、ここではランニングに限定してみていきましょう。

ランニングで沢山の酸素を取り込むことで活性酸素は発生します。つまりは、会話が可能な程度のランニングであれば活性酸素はあまり発生しないと言われています。逆に倒れるような激しいランニングをすることで、安静時よりも多い呼吸状態が続くので活性酸素は多く発生するというわけです。

質の高い練習を求めれば、活性酸素の発生により次の高い負荷の練習までの回復が遅れる。活性酸素が発生しないレベルの練習ならば毎日続けられる、ということになってきます。

質の高い練習を沢山することでランニング能力は伸びます。ランナーにとっては、いかにして活性酸素を抑えて回復を早めるか、ということが課題になるわけです。

ランニングにデメリットとなる活性酸素を抑えるためには

以下のように分類して検討します。

  1. ずは食生活を見直す
  2. 生活習慣を見直す

1.まずは食生活を見直す

活性酸素は食べ物に意識をおくことで抑えることができます。具体的なものは次の通りです。

  • キウイ
  • イチゴ
  • ブルーベリー
  • トマト
  • カボチャ
  • ナッツ類
  • 大豆

上記の食材に含まれるビタミンC、ビタミンE。ポリフェノールやβカロチンは抗酸化作用があるといわれています。目で確認できる範囲では、濃い色の植物性食品に多く含まれているといえるでしょう。

しかし、抗酸化食材はそれぞれ働きが異なるために、バランスよく摂り入れることが必要です。抗酸化食材を多く知り、毎日の食事で多くの種類を摂り入れる。これが、活性酸素を抑える食生活のポイントです。

2.生活習慣を見直す

1)アルコールは程々に

ランニングのあとの一杯。これを励みに走っている人もいるかもしれませんが、ぜひ適量を守ってください。なぜなら肝臓でアルコール分解をするときに、活性酸素が発生するのです。

分解が多く必要になれば、それだけ活性酸素も多く発生することになります。アルコール量の多い人、アルコールに弱い人は注意が必要ですね。

2)タバコはやめる

ランニングにタバコは「百害あって一利なし」です。タバコの煙には、有害物質だけでなく、活性酸素の発生を誘発する物質が多く含まれています。

ランニングと活性酸素の関係を知ったこれを機会にやめることで、よりよい生活習慣作りになります。

3)ストレスをためない

ストレスでも活性酸素が発生します。ストレスによって、血液の流れが一時的に悪くなります。悪くなった血液の流れが元に戻るときに活性酸素が発生するのです。

この循環を繰り返すことで、活性酸素による体の酸化が進むということになります。ですから、活性酸素を抑えるためにはストレスを溜めない、という習慣が必要になってきます。

最後に

①ランニングをすることで呼吸数が増えることと、体温上昇が活性酸素への変換を高める要因になります。ランニング時、活性酸素への変換率は5〜8%にもなると言われます。
②ランナーにとって活性酸素が発生することで、疲労回復が遅くなることが最大のデメリットになります。会話が可能な程度のランニングであれば活性酸素はあまり発生しないといわれています。
③アルコール、タバコ、ストレスは活性酸素を発生させる要因となり得ます。抗酸化作用食材を多く摂り入れることで多く発生する活性酸素を抑えることが可能になります。

ランニングを続けるうえでは、活性酸素の心配は尽きません。しかし、ランニングにはそれを上回るメリットが数多くあるのも事実です。食材や生活習慣で活性酸素をカバーすることで、今まで通りランニングを楽しんでくださいね。