ランニングで楽に速く走るには、「心肺機能の向上」「目標レースペースに慣れる」「ランニングフォームの向上」が大切です。この中で今回はランニングフォームの向上に注目します。ランニングフォームの中でも着地はとても重要です。
着地は体重の3~4倍の負担が身体に掛かると言われています。着地が上手く出来ないと身体の一部に大きな力が加わって故障の原因になり、力を地面に上手く伝えられないために無駄な力を使うことになります。
着地が上手くなる基本はバランスです。
何故、着地でバランスが大事か?
着地でバランスがとれないと、故障の原因になったり、前に進むための力のロスになります。バランスがとれた体勢は身体への負担が少なく力を地面に伝えやすい状態です。
バランスを崩すと身体の一部に大きな負担がかかる
着地でバランスを崩すと身体が倒れないために、踏ん張ることが必要です。多くの場合足の力を使って踏ん張ります。足首回り、膝回りで踏ん張ろうとすると足首、膝の故障に繋がる場合があります。
理想の着地は股関節、体幹を上手く使ってバランスを取り、膝、足首で微調整をする動きです。
横ブレは大きな力のロスになる
着地でバランスを崩すと推進に使う力をロスすることになります。特に横にブレてしまうと大きな力のロスになります。ロスするだけでなく、元の態勢に戻すためには踏ん張る力が必要になります。
着地でバランスがとれると力のロスを防げます。
効率的なランニングフォームは前に倒れること
効率的な良いランニングフォームとは前に倒れる動きを上手く利用することです。悪いランニングフォームは着地でブレーキを掛けてから足の力で身体を推進させる動きです。上手く前に倒れるためには着地で一瞬バランスの取れたポジションを作ることが必要です。
安定する着地のポジションを感じる
安定する着地のポジションを作ってみます。ポイントを意識しながら試してみましょう。正面に鏡を置いて全身を見ながら行うのがおすすめです。
安定しやすいのは身体が縮まったとき
着地では身体が伸びている時よりも、身体が縮まった時の方が安定します。
- 重心が低い方が安定しやすい
- 関節が軽く曲がっている方がバランスを取りやすい
股関節の動きをメインに、膝関節、足関節を連動させる
身体を縮めるときにメインとなる関節は股関節です。膝関節の動きをメインにすると膝を痛めやすい着地の動きになります。足関節も同様です。股関節をメインで動かすと着地を支える筋肉はお尻、お腹などの大きな筋肉がメインになります。
体幹を使った着地が出来るのです。
軸を意識する
着地を安定させるもう一つのポイントは軸を意識することです。着地脚に軸を感じて着地の度に左右の軸が入れ替わる二軸走法。身体の真ん中に軸を感じる一軸走法があります。使いやすい走法を選びます。
エクササイズ
着地でのバランスを意識しながら、ランニングに繋げてゆくエクササイズを紹介します。ランニング前の動き作りとしても利用できます。各エクササイズ共左右均等に行います。
安定した形を作る
片足で立ち安定した着地の形を作ります。
- 足裏全体に体重がバランス良く乗っている
- 股関節をメインに使う意識でお尻、お腹の筋肉を使う
- ももの前、ふくらはぎの筋肉に力が入り過ぎないポジションを見つける
- 体幹を使って必要最小限の力でバランスを保つ
股関節と膝関節、足関節を連動して動かす
安定した形が出来たら、軽く身体を上下させます。
- メインで動かすのは股関節
- 膝関節、足関節は股関節の動きに連動して動く
- リラックスしてリズミカルにバランスをキープ
片足ウォーキング
片足を踏み出しながら股関節を使って着地するイメージを作ります。
- 股関節をメインに膝関節、足関節を連動
- 着地の衝撃はお腹とお尻で受けるイメージ
- ランニングに感覚を近づけていく
片足ステップ
ピッチを速くして動きをランニングに近づけます。
- 動きが速くなっても股関節をメインに
- 動きはコンパクトにして横ブレにも気をつける
- ランニングの動きをイメージ
ランニング
片方づつで行った動きの意識を身体に残したままランニングに入ります。
まとめ
ランニングフォームで着地はとても重要です。着地は身体に体重の3~4倍の負担がかかるので、上手く着地が出来ないと身体の一部に大きな負担がかかり、故障の原因になります。力をロスしないためにも着地は大事です。
良い着地はバランスがとれた着地です。ランニングは前に倒れる力を上手く使うのが効率的なフォームです。前に倒れるためにも一瞬安定した形作ることが大切です。
しゅうぞう
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