自分のランニングフォームが良いのか気になるランナーは多いのではないでしょうか。街のショウウィンドウに写る自分のランニングフォームをチラッと見ても、良いのか悪いのか分からないことが多いでしょう。
ランニングフォームの改善には動画撮影がおすすめです。撮影した動画をチェックするポイントが幾つかあります。「改善を意識したフォームで走る」「再びチェックする」を繰り返すことで、良いフォームで走る感覚が身についていきます。
この記事ではランニングフォームの改善方法を実際の動画、画像を使って説明します。
動画を撮影してみよう
まずは自分のランニングフォームを動画に撮影します。100m程度の安全に走れる場所と動画撮影ができるデジカメやスマートフォンがあれば簡単にできます。
撮影機材
撮影機材はスマートフォーンかデジカメで十分です。スマートフォンにはコマ送りができるアプリを入れておきましょう。スマートフォン用の三脚があれば便利です。
場所
走る距離は100m程度必要です。大きな公園や河川敷が理想です。車、自転車、歩行者、他のランナーに気を付けます。
撮影のコツ
撮影は身体が温まって動きやすい状態で行います。ウォーミングアップを行い、2~3km走ってから撮影しましょう。横からと後ろからのフォームを撮影します。動画撮影をすると緊張して速いペースになりがちなので、ジョグから始めると良いです。
1本目をジョグ、2~3本目を速いジョグ、4~5本目をレースペースで走ってみましょう。
横からのフォーム
100mの距離がある場合、80m地点にスマホをセットし、動画撮影を始めます。スタート地点まで80mはジョグで行き、スタート地点から走り始め、スマホがある80m地点を走り抜けて100mを走ります。
1本走ったところでフレーム内にフォームが収まっているかを確認します。フラーム内に4~5歩分のランニングフォームが映っていればOKです。右側、左側を撮影して比較すると左右差が見つかることもあります。
後ろからのフォーム
後ろからのフォームは50m地点にスマホをセットし、動画撮影を始めます。スタート地点まで50mはジョグで行き、スタート地点から走り始め、スマホがある50m地点を走り抜けて100mを走ります。
1本走ったところでフレーム内にフォームが収まっているかを確認します。スマホをやや上向きにセットすると全体がフレームに収まります。
動画をチェックしてフォームを改善しよう
フォームの改善は
- フォーム撮影
- 動画チェック
- 改善ポイントを確認
- 改善ポイント意識したフォームで撮影
- 動画チェック
- 改善されているかを確認
- 改善されていない場合は再び意識し直したフォームで撮影
を繰り返します。
5本程撮影したらフォームチェック
5本程走ったら撮影した動画をチェックします。後述の「動画チェック」を参考に自分のフォームをチェックします。改善すべき点が見つかったら、まず一番治すべき点を一点に絞ります。何点も同時にフォームを治そうとすると混乱しがちです。
改善すべき点を治す意識で走った動画を撮影
改善すべき点を意識したランニングフォームを撮影します。チェックは1本毎に行うのがおすすめです。「改善を意識した感覚」と「撮影した動画(実際の走り)」を比較してチェックします。自分の感覚では改善したつもりでも動画ではほとんど変わらないことも多くあります。
「撮影した動画(実際の走り)」で改善が見られない場合は、改善すべき点の意識をもっと大きくしてランニングフォームを撮影します。
改善が上手くいったフォームの感覚を身体で覚える
「意識して走る」→「動画をチェックする」を繰り返すことで、「撮影した動画(実際の走り)」が良い動きになってきます。改善が上手くいったら、良いフォームの感覚を繰り返して身体に覚えさせます。最初はフォームが不安定なので「動画撮影→チェック」を繰り返すと良いです。
あえて悪いフォームで走ってみるのも効果的
「動画(実際の走り)」と「自分の感覚」を頭の中でマッチさせることは大切です。わざと悪い姿勢・動きで走り、撮影した動画を見て、自分の感覚と比べてみましょう。「動画(実際の走り)」と「自分の感覚」を結びつける役に立ちます。
横から動画のチェックポイント
横からの動画チェックは、姿勢と着地の動きが中心になります。
軽い前傾姿勢になっているか
ランニングは効率よく身体を前に進める運動です。軽く前に倒れながら重力を上手く推進力に利用すると楽に走れます。軽く前に倒れながら走るには、軽い前傾姿勢が必要です。
良いフォーム
軽い前傾姿勢の入った良いフォームです。前への推進力を感じながら走れます。
悪いフォーム
猫背
猫背だと骨盤が後傾してしまい、前に進む力が弱くなってしまいます。
反り腰
反り腰は骨盤の前傾が大きく、上体が前傾しているので前に進む力は得やすいです。問題は着地の衝撃を腰で受けやすくなり腰を痛める原因になる点です。反り腰気味でも腰に問題が無ければ良いのですが、走る距離が伸び、ペースが上がれば腰に問題が発生する場合があります。
後傾
上体が後継した姿勢では、前に進む力は脚で作り出すことになります。効率的な走りができません。
静止画で比較
着地で重心が乗った時点の姿勢が重要です。撮影した動画をコマ送りにしてチェックします。
軽い前傾 猫背 反り腰 後傾
着地位置が身体の下になっているか
着地位置が前過ぎると着地でブレーキを掛けてしまいます。足が地面に接するのは身体の軸より少し前です。重心が乗った時の足の位置は身体の軸の真下から後方に移動していきます。
良いフォーム
着地でのブレーキ要素が少ない動きです。
悪いフォーム
重心が乗った時、足の位置が身体の軸より前過ぎるとブレーキを掛ける動きになります。
静止画で比較
着地位置が身体の前過ぎるとブレーキになります。
身体の真下 身体の前
上に跳ね過ぎない
ランニングはジャンプ運動の連続と言えます。上に跳ねる動きは必要ですが跳ね過ぎはエネルギーの無駄遣いになり、効率的な走りではありません。
良いフォーム
上下動がスムーズで無駄の少ない走りです。
悪いフォーム
上への跳ねが大き過ぎるとエネルギーのロスになります。速く走ることは出来ますが疲れやすく長い距離を走るには適していません。着地の衝撃が大きくなり長い距離を走るには故障の原因になります。
静止画で比較
跳ね過ぎるとエネルギーの無駄になると共に、着地衝撃が大きく身体への負担も大きくなります。
跳ねが丁度良い 跳ね過ぎ
股関節を使った着地をする
ランニング動作の中で着地は身体の負担が大きいです。着地動作は「足関節」「膝関節」「股関節」を上手く連動させ、着地のショックを吸収しながら推進力への変える動きが理想です。「足関節」「膝関節」「股関節」の中でメインで使いたいのは「股関節」です。
「股関節」周りにはたくさんの大きな筋肉がついているので、大きな負担を受けるには適しています。
良いフォーム
「股関節」をメインに、「膝関節」「足関節」がスムーズに連動しています。
悪いフォーム
「膝関節」をメインにした動きで、「股関節」が上手く使えていません。
静止画で比較
股関節が使えると着地で自然に前傾姿勢が作れます。膝関節を使うとブレーキがかかりやすいです。
股関節を使う 膝関節を使う
後ろから動画のチェックポイント
後ろからの動画で分かるのは、身体の使い方の左右差、足や膝の向きです。特に身体のどちらか片方だけに痛みや違和感が出る場合は、後ろからの動画をチェックすることをおすすめします。
良いフォーム
左右のブレが少なく着地した足はほぼ真っ直ぐが理想です。全体が固まったフォームの良くないです。適度に左右の動きがあってもOKです。
悪いフォーム
人間の身体は左右対称には出来ていません。少し位の左右差を気にし過ぎる必要はありませんが、左右どちらかに痛みや違和感がでる場合はチェックし改善するのがおすすめです。
片方に重心が寄り過ぎ
身体の使い方の癖で左右どちらかに重心が寄り過ぎている場合があります。神経質になり過ぎる必要はありませんが、左右どちらかだけ故障をしやすいランナーは改善を試みましょう。
左右にブレ過ぎ
着地の度に左右交互に軸を作るフォームのランナーもいます。リズムを作りながら効率よく推進力を作る動きなら問題はありません。左右のブレが大き過ぎるとエネルギーのロスになり、故障の原因になることもあります。
足・膝が外に向き過ぎ
着地で多少足が外に向く程度なら問題はないのですが、大きく外に向いている場合は着地で変な負担が関節にかかる可能性があります。足が内側に向き過ぎるのもよくありません。
静止画で比較
着地で重心が乗ったときの姿勢を確認します。
良い姿勢 右に傾き 左右にブレ 足・膝が外向き
まとめ
ランニングフォームを改善するために動画を使うのは有効な方法です。デジカメかスマホの動画撮影機能を使います。動画をチェックして改善すべきポイントをピックアップします。ピックアップしたポイントを1点だけ意識したフォームで動画を撮影します。動画上でフォームが改善されるまで、「撮影」→「チェック」を繰り返します。
改善されたフォームを身体で覚えるまで繰り返すことで、良いフォームが身につきます。
しゅうぞう
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