痩せたい!とランニングを始める方は多いです。本、雑誌、WEBには「痩せるには有酸素運動が一番、ランニングを始めましょう」と載っています。ところがランニングを始めてみてもなかなか痩せないと苦しんでいる方も多いのではないでしょうか?
大きな原因はランニングで痩せることに対する誤解です。ランニングで急激な体重減は難しいですが、継続すれば身体が美しく引き締まってきます。ランニングで痩せる一番のメリットは「健康的に痩せる」ことなのです。
この記事はランニングをしても痩せないと悩んでいる方に、ランニングを通じてで健康的に楽しく痩せる方法をお伝えします。
ランニングで痩せないのは何故?
ランニングしても痩せないと感じている人は多いようです。陥りやすい典型的なパターンを見ていきましょう。
漠然と走れば痩せると思っている
「走ったら痩せるらしい」「とにかく走ってみよう」と思い漠然と走り始めても痩せることは難しいです。具体的に痩せたイメージをして、目標を立てることが大切です。目標がないと痩せた実感を感じ難く、モチベーションが維持できません。
例えば、
- 3年前に買ったスカートを再び履けるようになる
- 痩せた自分をイメージして周りから「痩せた?」と言われるように頑張る
- 5kmを歩かずに走れるようになる
などです。
無謀な目標は達成が難しくモチベーションを下げてしまいます。緩い目標を達成し続けてモチベーションを維持していきます。
体重の減少が右肩下がりにずっと続くと思っている
ランニングで痩せようとすると停滞期がやってきます。ランニングを始めて、最初の数週間は面白ように体重が減ります。ところがランニングを続けると体重が落ち難くなり原因は下記です。
- 最初の体重減は余分な炭水化物と水分が体外に出た一時的なもの
- 脂肪の燃焼は少しづつしか進まない
- ランニングに慣れると身体の動きが効率的になり、同じ距離を走っても消費カロリーが少なくなる
- 脂肪は減るが筋肉が付くので体重は減り難くなる
対策は
- 体重が落ち難くなる停滞期があると理解する
- ランニングの距離を少しづつ伸ばして消費カロリーを増やす
- 体重の変化だけでなく、身体が引き締まり方に注目して見た目の変化を楽しむ
です。
嫌々走っている
嫌々走っていても痩せることは難しいです。「こんなに苦しい思いをしている分、痩せないのはおかしい」と思うと長続きしません。ランニングで痩せるには継続が大事です。継続するにはランニングを楽しむのが一番です。
嫌々走っているとストレスになり、ストレスが食欲に向いてしまうこともあります。走って消費したカロリー以上に食べ続けてしまうと痩せることはできません。
ランニングをすれば少々食べても大丈夫と思っている
ランニングを継続すると健康に近づき、健康になると食欲も出てきます。ランニングでカロリーを消費すると身体がエネルギーの補給を求めるのも当然の摂理です。「走ったから少々食べても大丈夫」と思い、ついつい食べ過ぎてしまうと痩せることは難しくなります。
実はランニングで消費するカロリーはそれ程多くありません。
体重60kgの人が5km走って消費するカロリーは、おおよそ60×5=300kcalです。アンパン1個で5km走った消費カロリーが帳消しになります。
「痩せる」を具体的に考えてみよう
「痩せる」を漠然と考えずに、もう少し突き詰めてみましょう。体重が減少と身体の引き締まりは必ずしも一致しません。痩せる仕組みを理解し、自分に合った目標を立てることで「痩せる」に近づいていきます。
体重を構成するもの
体重を構成するのは主に下記です。
- 筋肉
- 脂肪
- 炭水化物
- 骨
- 水分
この中で、痩せるために減らしたいのは脂肪です。
体内の水分が減る
体内で大きなウェイトを占めているのが水分です。成人男性で体重の60%は水分でできており、体重60kgの人は体重の36kgが水分です。ランニングを始めたばかりの時、大幅に体重が減るのは体内の余分な水分が減少するからです。
体重が日によって1kg以上変化した場合、ほとんどは水分量が変化で一時的な増減です。体重変化に一喜一憂する必要はありません。夏にランニングをした後、体重が一気に2kg以上落ちる場合がありますが、これも一時的に水分が体外に出たためです。
急激な水分の減少は脱水症状になるので、汗で減った分は速やかに水分補給する必要があります。
体内の炭水化物が減る
炭水化物は人間の活動を維持するために、適切な量を保持する必要があります。ランニングを始めると最初に時期に余分に蓄積された炭水化物がエネルギーとして消費され、それに伴い水分が体外に出されるので一気に体重が減ります。
その後、体内の炭水化物量は、使えば減り、食事で補給され、一定量を維持します。体内の炭水化物量が枯渇した状態が続くと、筋肉を分解してエネルギーに変えます。筋肉が分解されると基礎代謝が減ってしまうので、痩せ難い身体になります。
健康的に痩せるには、食事をしっかり摂って体内の炭水化物量を適正に保つことが大事です。
体内の脂肪を減らす
痩せるために減らしたいのは脂肪です。脂肪1kgを減らすには約7200kcalのカロリー消費が必要です。
脂肪1kgを消費するのに必要なエネルギー(カロリー)は、9kcal×1000g×80%=約7200kcal 程になります。
引用元:TANITA 健康のつくりかた
60kgの人が1km走って消費するカロリーは約60kcalです。単純計算だと「7200÷60=120」で120km走れば1kgの脂肪を減らせることになりますが実際はもう少し複雑です。
運動のエネルギー消費は脂肪だけでなく炭水化物も使用されます。脂肪1kgを減らすには120km以上走る必要があり、脂肪の消費割合を大きくするには息が切れないゆっくりペースのジョギングが良いです。
運動時には運動強度や運動時間により、無酸素性エネルギー代謝と有酸素性エネルギー代謝が、シーソーの関係でエネルギー源を供給しています。無酸素性エネルギー代謝では、グルコースが主なエネルギー源として利用され、有酸素性エネルギー代謝では、脂肪酸が主なエネルギー源として利用されます。
引用元:厚生労働省 e-ヘルスネット
120km以上の距離は、これからランニングを始める人には気が遠くなるような距離ですが、1kgの脂肪はかなり大きな塊です。脂肪で体重1kgを減らすのは大変ですが、脂肪1kg減ると見た目の痩せた効果が実感できます。体重の変化だけを気にしないで見た目の変化を楽しんで痩せていきましょう。
筋肉を付ける
ランニングを継続すると適当に筋肉が増えていきます。ランニングで付く筋肉はボディービルダーのようにムキムキになることはありません。細く引き締まった身体になります。
筋肉は脂肪より重いので、筋肉が増え脂肪が減ると体重は微減か変わらない状態になります。筋肉が付くと身体が引き締まるので、体重の増減を気にし過ぎず見た目の変化を楽しんでいきましょう。
ランニングで痩せるメリット
繰り返しになりますがランニングで痩せる一番のメリットは健康的に痩せられることです。メリットを3つあげます。
- 健康的に痩せられる
- 楽しみながら続けられる
- リバウンドし難い
デメリットは下記2点です。
- 急激に痩せるのは難しい
- 走るのがどうしても症に合わない人には苦痛になる
健康的に痩せられる
ランニングを継続して痩せるのは健康的な痩せ方です。ランニングは消費カロリーを増やし、ストレスを減らします。消費カロリーが増えれば脂肪が燃焼されて体重が減り、見た目がすっきりします。ストレスが減ると余分な食欲が抑えられ、どか食いをすることもなくなります。
楽しみながら続けられる
日本で週に1回以上ランニングをする人は500万人です。ランニングはそれ程までに魅力的で楽しくできるスポーツです。
笹川スポーツ財団調査 :ジョギング・ランニング実施率の推移
ランニングの魅力は多くあります。
- 何歳からでも始められる
- 継続すれば自分の成長を感じられる
- 心身ともに健康になってゆく
ランニングを楽しくできると継続ができます。
リバウンドし難い
リバウンドするには要因があります。
- 急激な体内の炭水化物、脂肪の減少で、脳が飢餓に対する危機を感じる
- 急激なダイエットによるストレスの蓄積
- 無理なダイエットにより筋肉が減り、基礎代謝が低下
この状態で、ちょっとしたきっかけでどか食いをすると
- 飢餓状態にあった身体は入ってきたエネルギーを脂肪として蓄積
- ストレスが一気に爆発して、食欲が止まらない
- 基礎代謝が低下しているので太りやすくなっている
となり、以前よりも体重が増えて太ってしまいます。これがリバウンドです。
ランニングで痩せた人はリバウンドになり難い状態です。
- 身体の炭水化物は適切にキープしながら、少しづつ脂肪が減少
- ランニングによってストレスが減少
- 筋肉が適度に付いてゆく
実践!ランニングで痩せるメニュー例
これからランニングで痩せようと考えている方に無理のない方法を提案します。
- 第1ステップ:走ることに慣れ、習慣にする
- 第2ステップ:走る距離を伸ばしてゆく
- 第3ステップ:減量計画を立てる
- 第4ステップ:減量でランニングタイムをアップさせる
第1ステップ:走ることに慣れ、習慣にする
第1ステップはランニングの習慣を身につけることが目標です。体重の減少は余り気にしないようにしましょう。この時期は生活の中にランニングを取り入れるだけで体重が減っていきます。
- 週1~2回のランニングを継続
- ランニング&ウォーキングで30分から
- 走れない日は一駅歩く
週1~2回のランニングを継続
週1回は身体を動かし、できれば週2回を目標にしましょう。高すぎるハードルは挫折の原因です。低い目標をクリアすることで自信になり、次の目標へ進むことができます。第1ステップの期間は1~2ヶ月が適当です。
ランニング&ウォーキングで30分から
無理に30分間走る必要はありません。無理をすると膝や脚を痛めてランニングを継続できなくなります。最初は5分間ゆっくりペースで走り1分間歩くを5セット行えば30分間です。運動前に準備体操をしっかりしましょう。
走れない日は一駅歩く
仕事が忙しくて走る時間を確保できない週もあるかも知れません。そんな時は会社帰りに一駅か二駅、30分程度を歩きましょう。運動を続けることが大事です。
第2ステップ:走る距離を伸ばしてゆく
運動習慣が身につき、ランニングに身体が慣れてきたら、第2ステップでランニングの時間を伸ばしていきます。
- ランニングを週2~3回に増やす
- ランニング&ウォーキングの時間を伸ばす
- 走れない日はガンガン歩く
- 軽い食事制限を入れる
ランニングを週2~3回に増やす
週1回の運動は必須、できれば週3回入れてみましょう。走れるようになってくるとランニングが楽しくなります。第2ステップの期間も1~2ヶ月が適当です。
ランニング&ウォーキングの時間を伸ばす
最初は30分間だったランニング&ウォーキングの時間を35分、40分と少しづつ伸ばしていきます。
無理をしないで少しづつ伸ばしていきましょう。
走れない日はガンガン歩く
走れない週も少なくとも週1回は会社帰りにウォーキングを入れましょう。
駅間を2駅から3駅、4駅へと伸ばしてみましょう。
軽い食事制限を入れる
軽い食事制限は効果があります。例えば間食を減らす、甘いものは週2回までにする、脂っこいものは避けるなど、食生活を少し改善してみましょう。
第3ステップ:減量計画を立てる
いよいよ本格的なランニングで痩せるプログラムです。目標、計画を立てチャレンジしましょう。
- 目標を立てて減量にチャレンジ
- 期間は3ヶ月がモチベーション維持に効果的
- スマホアプリで摂取カロリーを記録
目標を立て減量にチャレンジ
このステップまでランニングを継続すると、自分が楽に走れる距離、走ることで変化する体重の動向が少しづつ把握できてきます。無理のない目標を立てて減量にチャレンジしましょう。目標は3kg減が無理なく適切です。脂肪の3kg減は見た目を大きく変えます。体重変化は目安と考え、見た目の変化を重視しましょう。
期間は3ヶ月がモチベーション維持に効果的
モチベーションを維持するには期間を決めると良いです。3ヶ月は短期的なチャレンジの丁度良い期間です。
スマホアプリで摂取カロリーを記録
レコーディングダイエットはとても効果的です。記録をする意識は食べる前にブレーキがかかり、無駄に食べることを抑制できます。摂取カロリーが少な過ぎると小さなリバウンドの原因になります。適切な量を摂り、栄養バランスを心掛けてください。
おすすめのアプリは「あすけん」です。
引用元:「あすけん」トップページより
第4ステップ減量でランニングタイムをアップさせる
「痩せるために走る」から「走るために痩せる」へ変われば立派なランナーの仲間入りです。ランニングが益々楽しくなります。
- 体重が1.5kg減るとランニングが楽になる
- 減量1.5kgで10kmのタイムアップへ挑戦
- 期間は1~2ヶ月の短期イベントでやってみる
体重が1.5kg減るとランニングが楽になる
体重減でランニングが楽になると実感できているでしょう。トップランナーは数百グラムの体重変化を走ることで感じられるそうです。ここまでランニングを継続したランナーは1.5kgの違いでランニングパフォーマンスへの影響を感じられるはずです。
減量1.5kgで10kmのタイムアップへ挑戦
10kmのタイムが1.5kgの減量でどれ位伸びるのか実験感覚で試してみるもの楽しいです。10kmを走るタイムは変えず、1.5kg減量後はどれだけ楽に走れるかを味わっても良いです。
3.期間は1~2ヶ月の短期イベントでやってみる
自分なりの体重コントロールのノウハウが身についている時期です。少し頑張って1~2ヶ月で1.5kgの減量に挑戦してみましょう。
まとめ
ランニングで痩せないと感じている方の多くは、無理な目標を立てて、毎日体重変化のみを気にして減量している場合が多いです。
ランニングは健康的に楽しく痩せることができ、リバウンドし難い点がメリットです。ランニングで急激に体重を落とすことは難しいですが、継続すれば少しづつ体重は減り、何より見た目が引き締まってきます。ランニングを楽しく継続して、健康的な生活、身体を手に入れてください。
しゅうぞう
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