ランニングパフォーマンスを飛躍的にアップさせるランニングマシンの使い方

ランニング知識

雨の日に「今日はしっかりと走りたかったのに、仕方なくランニングマシンで軽くジョグ」というランナーは多いのではないでしょうか?景色が変わらず、風を感じることができないランニングマシンは、ランニングの魅力を半減させてしまうことは否めません。

しかし嫌々走っていても楽しくないですしトレーニング効果が上がりません。ランニングマシンは使い方を工夫すれば優れたトレーニング器具にもなります。この記事はランニングマシンを使ってトレーニング効果を上げる方法を紹介しています。

ランニングパフォーマンスを上げたい中級・上級ランナーに読んで頂きたい内容です。

ランニングマシンを使うメリット

ランナーに敬遠されがちなランニングマシンですがメリットもたくさんあります。雨以外の日でもトレーニングとして積極的にランニングマシンでのトレーニング入れても良いです。

  1. 気候コンディションに左右されない
  2. 集中して走れる
  3. ペースをしっかりコントロールできる
  4. 着地の反発力を感じやすい
  5. 周りの雰囲気が刺激になる

気候コンディションに左右されない

一番に思いつくメリットです。外が雨、気温が低過ぎる、風が強い、暑過ぎるなど外のコンディションに左右されず、ランニングマシンはトレーニングができます。

集中して走れる

外を走ると様々な集中を妨げるものがあります。

  • 車、バイク
  • 歩行者、自転車
  • 歩道の段差や路面の凹凸

ランニングマシンを使うとこれらを気にすることなく集中して走ることができます。

ペースをしっかりにコントロールできる

走っていると気分が良くなるとペースが上がり、疲れるとペースが下がります。楽しんで走るのはそれでも良いのですが、ランニングのパフォーマンスを上げるトレーニングとしてはペースをしっかりコントロールすることが大切です。GPSウォッチでは急にペースの誤差が出て戸惑うことがありますが、ランニングマシンのペースは正確です。

着地の反発力を感じやすい

多くのランニングマシンはローラーの下に板が入っていて着地を受け止めます。板からの反発を感じて上手く使えると気持ち良くリズミカルに走ることができます。

周りの雰囲気が刺激になる

ジムではランニングマシンは人気のトレーニング機器で使っている人も多いです。ランニングマシンを使っている人や、他のトレーニングをしている人がいる空間はモチベーションが上がりやすいです。「みんなが頑張っているので私も頑張ろう」と感じます。

ランニングマシンを使う注意点と対策

ランニングマシンを使う注意点もあります。使い方の工夫やメンタルを切り替えることでデメリットを回避できるものもあります

  1. 地面を走る感覚と少し違う
  2. モニターを見続けると姿勢が悪くなる
  3. 風が無いので体温が上がりやすい
  4. 周りと競ってしまう

地面を走る感覚と少し違う

メリットの「反発力を受けやすい」の逆になりますが、跳ねるような感覚に最初は違和感を覚えます。ベルトが進みその上を走る感覚も最初は戸惑います。これは慣れるしかありません。ウォーキングから始め、ゆっくりペースのランニングから少しづつペースを上げ慣れていきましょう。

モニターを見続けると姿勢が悪くなる

ランニングマシンにモニターが付いていて、テレビを見られたり、森の中を走る風景が映し出されたりします。ランニングマシンを使う人が飽きないための工夫ですが、トレーニングをするランナーにはおすすめできません。モニターを見ると少し俯く姿勢になりランニングフォームが乱れます。トレーニングとしてランニングマシンを使う場合、モニターは基本的に見ないようにしましょう。

風が無いので体温が上がりやすい

外を走ると自然に風を受けて体温の上昇を抑えられます。ランニングマシンは風を受けることができないので体温がとても上がりやすくなります。ハードなトレーニングする場合はこの点を考慮してメニューを考えましょう。いつもよりランニング時間を短めにする、体温を下げるための休憩を入れるなどの工夫です。もし可能ならジムのスタッフに頼んで空調の設定温度を下げて貰ったり、扇風機を用意して貰うなどの対策をしてください。

周りと競ってしまう

メリットの「周りの雰囲気が刺激になる」の逆です。刺激にするのは良いのですが、過剰に対抗意識を燃やしてしまうと無理をして故障の原因にもなります。ランニングマシンを使う人の中には隣の人より速いスピードで走らないと気が済まない人もいます。こちらのスピードを上げるとそれに合わせてスピードを上げてきます。そんな人には付き合わないで自分のペースでトレーニングしましょう

効果的なランニングマシンの使い方

ランニングマシンをトレーニング器具として使うための基礎です。

  1. トレーニングに目的を持つ
  2. 準備体操、ウォーミングアップを入れる
  3. 傾斜を付ける
  4. 走る前に軽い筋トレも効果的

トレーニングに目的を持つ

ランニングマシンを使うときは、「外は雨だから、とりあえず代わりにランニングマシンで走っておこう」となりがちですが、トレーニングは目的を持って行なう方が効果が高くなります。普段のトレーニングで、インターバル走でも心肺機能を強化するのか、脚へ負担をかけて強化をするのではトレーニングの設定が違います。

準備体操、ウォーミングアップを入れる

普段は準備体操、ウォーミングアップをしっかり入れるランナーでもランニングマシンを使うときはいきなりランニングマシンで走ってしまいがちです。質の高いトレーニングを行うには準備が大切です。

傾斜を付ける

ランニングマシンは外の路面を走るのとは感覚が違います。傾斜を2%前後付けることで外を走る感覚に近くなります。その分負荷がかかるのでペースは外で走る時より落とします

走る前に軽い筋トレを入れるのも効果的

ジムには筋トレができるスペースがあります。せっかくのスペースなので走る前に軽い筋トレを入れ、筋肉に刺激を入れた状態で走ることを体感してみるのも良いです。体幹トレーニングによりランニングで使う筋肉に軽い刺激を入れるのがおすすめです

ランニングマシンによるトレーニングメニュー

中級、上級ランナーは自己ベストタイムを伸ばしたり、もっと楽に走れるようになりたい等、ランニングのパフォーマンを上げたいと感じている人は多いです。ランニングマシンを使ったランニングパフォーマンスアップ方法を紹介します。

  1. フォームチェック
  2. 傾斜を使ってフォーム改善
  3. リズムの良いフォームを身に付ける
  4. 心肺機能強化
  5. 安全にロング走

フォームチェック

ランニングマシンを使うとフォームチェックができます普段は気が付かなかった自分のフォームを見直す良い機会です

足音を聞く

  • 足音の大きさ
  • 左右のリズム

ガラスに映ったフォームを見る

  • 全体的な姿勢
  • 左右バランス

反発を感じてリズムに乗る

  • リズムの乗れているか
  • リズムに乗せると違和感を感じないか

傾斜を使ってフォーム改善

傾斜を上手く利用することにより、フォーム改善ができます。

前に倒れる感覚を身に着ける

傾斜を付けると上り坂と同じ効果を得られます。上り坂は自然に前傾姿勢になり、前に倒れる感覚重心移動の感覚を掴みやすくします。ランニングマシンで傾斜を付けても同じ効果が得られます

走りのリズムをゆったりにする

足の動きだけで走ってしまうランナーの矯正に良い方法です。傾斜をつけてベルトのスピードをゆっくりめにすることで、強制的にゆったりしたリズムで走ることができます。上半身の動きでゆったりしたリズムをとるように意識すると効果が高いです。

5%位の傾斜で時速6kmから始めて、リズムを変えないようにして傾斜を減らし、少しづつスピードを上げていきます。

リズムのよいフォームを身に付ける

ランニングでリズムは大切です。リズムのポイントになるのは、安定した着地意識左右のバランスです。安定した着地意識は反発力を感じやすく、反発力を活かすことでリズムの良いランニングになります

左右のバランスも大切です。ランニングのリズムが乱れる原因で左右差があります。多くのランナーは利き脚側の力が強いので、利き脚に頼ったランニングになりがちです。特にペースを上げてゆくのこの傾向が顕著になります。左右のリズムを意識しながら、リズムの良いフォームを身に付けましょう。

  • ゆっくりペースで走り始める
  • 着地で反発を意識
  • 左右のリズムが一定になるように意識
  • リズムが落ち着いたら1㎞程度キープ
  • 少しペースを上げる

これを繰り返してペースアップしていきます。楽に気持ちよく走れるペースまで上がったらペースをキープしてリズムを意識して走ります。

心肺機能強化

ランニングマシンを使って心肺機能を強化するビルドアップ走、インターバル走ができます。マシンの設定をすると自動的にペースの上げ下げを行ってくれるランニングマシンもあります。

ペースアップの代わりに傾斜を大きくすることで心肺機能に負荷をかけることもできます。心肺機能と同時に脚の負荷も増え、ランニングに必要な筋トレにもなります。

安全にロング走

暑い季節は夜でも外を長く走るのがきつく熱中症になってしまうこともあります。夏にランニングマシンでゆっくり長く走るとレーニンは秋のフルマラソンの下地作りに適しています。ランニングマシンのメリットを活かして安全に走りましょう

ランニングマシンは音楽を聴きながら走っても安全にはしれます。ランニングマシンでロング走をするときは音楽を聴くのもおすすめです。

まとめ

ランニングマシンは雨の日に仕方なく走るものと思っているランナーは多いです。ランニングマシンは工夫次第で優れたトレーニング器具になります。ランニングマシンを有効に利用してランニングパフォーマンスのアップに役立ててください。

ランニングマシンが上手く使えるようになるとランニングの楽しさが広がります。

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しゅうぞう

しゅうぞう

現役のランニングインストラクターです。パーソナルで教えたランナーは400人以上、レッスン時間は約2000時間になります。週2回のグループレッスンも担当。ランニング学会会員です。ランナー、ランニングインストラクターとしての経験を記事に発信します。自己ベストタイムはフルマラソン2時間57分30秒(2016年)、ハーフマラソン1時間22分3秒(2018年)。