もしもトレーニング方法を「毎日10km走る」と「1日おきに20㎞走る」の二択しか選べないとしたら、どちらが良いのでしょうか?どちらも月間走行距離は約300kmです。ランニングは目的によってトレーニングの方法が変わります。
目的が「健康の維持」「ハーフマラソンのタイムアップ」「フルマラソンのタイムアップ」の場合、「毎日10km走る」と「1日おきに20㎞走る」のどちらが良いかを検証してみました。
通常のトレーニングとしてあり得ないシチュエーションを比較してみました。
毎日10km走るメリット・デメリット
まず「毎日10km走る」のメリット、デメリットを見てみましょう。
メリット
毎日続けることでランニングスキルが上がる
ランニングは簡単に始めることができるスポーツですが、ランニングにも上手と下手があります。ランニングが上手な人は下手な人に比べて、速く楽に走ることができます。ランニングを毎日続けることでランニングのスキルが上がります。
20㎞に比べると身体への負担が少ない
20㎞のランニングと10kmのランニングを比較すれば、同じペースで走った場合、当然10kmの方が身体に対する負担は少ないです。身体への負担が少ない方が、故障のリスクが低く、疲労が蓄積する慢性疲労になり難いです。
メンタルが鍛えられる
どんな事でも毎日続けるのは難しいです。10kmもの距離を毎日走ることでメンタルが鍛えられます。鍛えられたメンタルは自信に繋がるので、ランニングに良い効果をもたらします。
デメリット
故障や疲労蓄積のリスクがある
毎日走るとどうしても疲労が溜まってきます。疲労の蓄積は故障の原因にもなります。毎日走ることは疲労を抜くための休息がとれないことになります。走りながら疲労を抜くことになるのですが、初心者には難しいです。
精神的負担が大きい
毎日走らなければならない精神的な負担は大きいです。気持ちが乗らない日もあり、気候コンディションが悪い日もあります。そんな日でも走らなくてはならないのはストレスになります。ランニングがストレスになると、ランニングに対するモチベーションの低下につながります。
1日おきに20㎞走るメリット・デメリット
次に「1日おきに20km走る」のメリット・デメリットを見ていきましょう。
メリット
休息日があり身体を休められる
休息日があると身体を休められ、故障や慢性疲労のリスクを軽減できます。ランニングのパフォーマンスアップ理論として「超回復理論」があります。超回復理論は激しいトレーニングをすると一旦パフォーマンスが落ちるが、休息を入れて回復させることによりに以前より高いパフォーマンスが出るようになる、という考え方です。
20kmという距離に身体が慣れる
同じ距離を走ることで人間の身体は距離に順応していきます。20kmを繰り返すことで20kmという距離に慣れていきます。経験的に楽に走れる距離の倍は走れます。20kmを楽に走れるようになれば40km、つまりフルマラソンの完走も見えてきます。
デメリット
20kmはダメージが大きい
20kmは中級者ランナーにとってもかなり長い距離です。一日の休憩で疲労が回復しきれない可能性があります。ダメージを回復しきれないまま、20kmを繰り返すことで身体にダメージが蓄積されていきます。
故障や疲労蓄積のリスクがある
月間走行距離が200kmを超えると故障のリスクが上がると言われています。一日毎に休みを入れても月間走行距離が300kmになると、やはり故障、疲労蓄積による慢性疲労のリスクが高くなります。
健康維持の目的に走る場合はどちらが良いか?
健康維持を目的にランニングをする方には「毎日10km」と「1日おきに20㎞」のどちらが良いのでしょうか?
毎日10km:ある程度の走力があればは良いランニング習慣になる
ランニング初心者は10kmを走るのはきつく感じますが、中級者レベルになると10kmは日常的に走れる距離になります。中級者以上のランナーは故障や疲労の蓄積に気をつければ「毎日10km」は無理な目標ではありません。
1日おきに20km:相当な走力がないと負担が大きい
20kmを走れるようになるには相当なトレーニングが必要です。1日おきに20kmを走ることは負担が大きく、健康のために走るには向いていません。
どちらかと言えば「毎日10km」の方が良い
健康を目的に走る場合、月間300kmは走り過ぎで、故障のリスクが高いです。「毎日10km」「1日おきに20km」のどちらもおすすめできませんが、どちらかと言えば「毎日10km」の方が良いです。
ハーフフルマラソンのタイムアップを目的に走る場合はどちらが良いか?
ハーフマラソンでタイムを狙うランナーは中級以上のランナーです。10km程度なら問題なく走れますし、20kmもトレーニングとして走ることがあります。どちらの練習方法が良いか見ていきましょう。
毎日10km:スピードトレーニングとして有効
毎日の10kmをペースを変えて、強度を調子しながら走るのはハーフマラソンのトレーニングとして有効です。週に2回10kmのスピード練習を入れて、残りの5回は10kmジョグにするとバランスの良いトレーニングになります。
1日おきに20㎞:ペース走として有効
20kmに慣れることはハーフマラソンのトレーニングとして有効です。トレーニングペースを変えることで強度も調整できます。週に1回を20kmペース走にして、残りの2~3回を20kmジョグにするのは良いトレーニングになります。
どちらが良いか結論を出すのは難しい
ハーフマラソンでタイムを出すトレーニングとして「毎日10km」「1日おきに20km」のどちらが良いか結論を出すのは難しそうです。「1日おきに20km」の方が距離に慣れることができる分、安定してハーフマラソンのタイムを出せそうです。
フルマラソンのタイムアップを目的に走る場合はどちらが良いか?
フルマラソンでタイムを狙うランナーは中級以上のランナーです。10km程度なら問題なく走れますし、20kmも十分に走れます。どちらの練習方法が良いか見ていきましょう。
毎日10km:フルマラソンのトレーニングとしては距離が足らない
10kmではフルマラソンのトレーニングに距離が足りません。42.195kmを走るには距離を踏むトレーニングが必要になります。フルマラソンのタイムは心肺機能の高さに比例します。
10km走で心肺機能を向上させればフルマラソンのタイム向上に繋がりますが、30㎞以降のペースダウンに不安が残ります。
1日おきに20㎞:トレーニングのペースを工夫すればフルマラソンのタイムアップにも対応できる
経験上、楽に走れる距離の倍は、走ることができます。20㎞に慣れれば40kmを走ることは可能です。20㎞走の週1回はペース走かビルドアップ走にして、残り2~3回をジョグかLSDにすれば、フルマラソンに対応するトレーニングになります。
「1日おきに20㎞」の方が良い
フルマラソンのトレーニングには30~35kmのトレーニングは入れたいところですが、20㎞走を繰り返し、20㎞を余裕で走れるようになればフルマラソンにも対応できます。20㎞走のペースを工夫すれば、フルマラソンのタイムアップも狙えます。
まとめ
「毎日10km」と「1日おきに20㎞」はどちらがトレーニング方法として良いか。究極の選択はランナーの走力レベルと、走る目的によって違います。初心者ランナーには20㎞が負担になるので「毎日10km」の方が良いです。
フルマラソンのトレーニングとしては「1日おきに20㎞」の方が良いです。中級者以上のランナーがハーフマラソンでタイムを狙う場合は、どちらが良いか判断が難しいところです。
しゅうぞう
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