良いランニングフォームの基本は普段の姿勢!今すぐスピードが上がる良い姿勢の作り方

ランニング知識

姿勢が悪いと身体の一部への負担が大きくなり疲れやすくなります。身体の一部に負担がかかり続けると痛みの原因になります。ランニングも同じです。フォームが悪いと故障の原因になります。身体の一部に大きな負担が掛かり続けるからです。

ランニングの基礎も立ち姿勢です。立ち姿勢は根本的な身体の使い方の特徴を表します。立ち姿勢が悪いのにランニングでは良い姿勢になるランナーもいます。長い距離を走り身体が疲れてくると立ち姿勢の悪い特徴が出てきて動きが悪くなってしまいます。

姿勢はランニングの基本となるとても大切なものです。

良い姿勢・悪い姿勢

自分の姿勢を自分でチェックするのは難しいです。他の人に見て貰うのは簡単ですが、見た人に正しい知識が無いとチェックになりません。スマートフォンのセルフタイマーで撮影をすれば自分の姿勢を自分でチェックできます。

典型的な悪い姿勢

3つの典型的な悪い姿勢を見ていきましょう。

上体反らし

最近とても多くなってきた悪い姿勢です。猫背が悪いと思い、胸を張り過ぎて上体が後ろに倒れています。自覚症状がない場合が多いです。少し上体が反るのが良い姿勢だと思い込んでいる人もいます。

反り腰

女性に多い悪い姿勢です。骨盤が前傾し過ぎているので上体が前に倒れます。バランスを取るために倒れそうな上体を起こすと反り腰になります。ランニング姿勢として軽い骨盤前傾は良いのですが、前傾し過ぎると腰に負担がかかり腰痛の原因になります。

猫背

典型的な悪い姿勢です。男性に多いです。お腹が出て重くなると骨盤が後傾する方が楽になります。骨盤が後傾すると上体が後ろに倒れます。背中を丸めてバランスを取ろうとすると猫背になります

良い姿勢

背骨がS字カーブを描くのが理想の姿勢です。骨盤は立てているか軽い前傾です。腰の骨(腰椎)はほぼ真っ直ぐか軽く反ります。胸の骨(胸椎)は軽く曲がります。猫背は胸椎が曲がり過ぎですが、胸椎が曲がるのは決して悪い姿勢ではありません。

頭は背骨の上に乗っています。首に力を入れ過ぎてはいけません。頭を上から紐で引っ張られている感覚で背骨の上でリラックスしてバランスを取って乗っている状態です。

良い立ち姿勢の作り方

良い姿勢を作りには「骨盤の傾き具合」と「骨盤の位置」が重要です。「胸の位置」と「胸骨(胸の位置にある背骨)の曲がり具合」を気にし過ぎると良い姿勢ができません。骨盤が良いポジションに収まれば上半身も自然に良くなります。

骨盤のポジションを整えるエクササイズ

骨盤の位置、角度を適切にするには、お腹の筋肉とお尻の筋肉のバランスが大事です。

お腹を凹ませる

お腹を凹ませるとお腹全体に力が入り、良い姿勢を作るためのお腹の筋肉が使われます。10秒を3セット行います。

お尻の上の方を締める

お尻の上の方の筋肉を真ん中に寄せる意識で締めるとお尻側の筋肉が使われます。10秒を3セット行います。

骨盤の位置を適切にする

立ち姿勢の骨盤位置は身体の軸の真ん中が良いです。ウォーキング、ランニングの場合は軽く前傾をしたいので骨盤の位置は身体の軸より少しだけ後ろになります。

骨盤の位置が身体の軸より前にあると上体が後ろに倒れてしまいます。上体が後ろに倒れるのは推進力を得ることができない悪い姿勢です。

骨盤の角度を適切にする

骨盤が前傾し過ぎている人はお尻の下を締める

骨盤が後傾している人はお腹の下を凹ませると骨盤の角度が真っ直ぐに立ちます

骨盤が後傾し過ぎている人はお腹の下を凹ます

骨盤が前傾し過ぎている人は、お尻に下の方を締めると骨盤の角度が真っ直ぐに立ちます

身体の奥に軸を作る

「骨盤の位置」「骨盤の角度」を調整する感覚が身に付いたら、良い姿勢を作ります

  • お尻の上の方を締めながら、お腹を凹まします
  • 骨盤の位置、骨盤の角度をお腹、お尻の力で調整します
  • お尻側、お腹側の両方から身体の真ん中に力が集まります
  • 集まった力を上に逃がす感覚で肋骨を持ち上げ、少し目線が高くなります
  • 丹田から鳩尾にかけて身体の奥に軸を作るイメージをします
  • 軸の意識が落ち着いたら、お腹とお尻の力を少し緩めます
  • 必要最小限の力で身体の軸をキープし、良い姿勢を保ちます

頭の位置を整える

頭の位置を整えるために、頭の頂点を上から紐で引っ張られる感じで目線を高くします。パソコンやスマートフォンの操作で、頭の位置が前過ぎる人が多いです。

良い姿勢で歩く

ウォーキングは目的に合わせていろいろな歩き方があります。良いランニングフォームを作るためのウォーキング方法を紹介します。

ランニングを意識して軽い前傾

良い立ち姿勢から軽く前傾をすると自然に身体が前に進みます。前傾は背骨を曲げるのではなく、股関節を軽く前に倒します軽くお辞儀をする感覚です

体幹の軸をキープ

体幹に力が入り過ぎると歩く動作がギクシャクしてしまいます。お腹の力、お尻の力は適度に抜きます体幹の軸を必要最小限の力でキープするイメージです

身体を大きく動かしリズミカルに

丹田から鳩尾の軸はキープし、骨盤と肩甲骨を動かす意識で歩きます。腕や脚を動かすのではなく、体幹の一部である骨盤と肩甲骨を動かします骨盤と肩甲骨が動けば腕と脚は自然に動きます

リラックスしてリズム良く歩きましょう。

良い姿勢で走る

ゆっくりペースのランニングはウォーキングの延長です。ピッチ(リズム)はウォーキングより速くなるので、よりリラックスしてリズミカルな動きが大切になります。

軸の意識はキープ

軸の意識はキープし続けます。余分な力は入れないようにしましょう。

動きはウォーキングの時よりも小さくリズムよく

動きが大きくなり過ぎるとランニングの速いピッチに身体の動きが対応できません。体幹は動かしますが、ウォーキングの時よりも少し小さくリズミカルに動かします

リズムを重視してリラックス

人間の身体は1㎞位走らないとランニングモードに切り替わりません。走り始めの動きはぎこちないのですが、1km程走ると段々と身体が動いてきます。身体が動いてきたらリラックスしてリズムを重視して走ります

まとめ

楽に怪我をしないで走るためには、良いランニングフォームで走ることが大切です。良いランニングフォームは良い姿勢が基本になります。良い姿勢を作るには「骨盤の角度」「骨盤の位置」が大切です。

走る時、姿勢を意識し過ぎて身体に力が入り過ぎてもいけません。身体の奥の軸はキープしながらリラックスして走ります。

The following two tabs change content below.
しゅうぞう

しゅうぞう

現役のランニングインストラクターです。パーソナルで教えたランナーは400人以上、レッスン時間は約2000時間になります。週2回のグループレッスンも担当。ランニング学会会員です。ランナー、ランニングインストラクターとしての経験を記事に発信します。自己ベストタイムはフルマラソン2時間57分30秒(2016年)、ハーフマラソン1時間22分3秒(2018年)。