ランナーは「足」が使えることが大切、使える「足」の作り方

ランニング知識

ランニングは身体全体を上手く使って、負荷を分散させて走るのが良いです。膝を痛めやすい人は膝への負荷が集中していることが考えられます。身体をまんべんなく使うのが大切なのですが、ランニングで特に大切な部分は「足」「股関節」「肩甲骨」です。

「足」はくるぶしからの下の部分です。「足」には片方だけで26個の骨が組み合わさっているとても複雑な構造です。ランニングで「足」を積極的に使うことはないのですが、「足」の機能が使える状態にしておくとランニングのパフォーマンスに良い影響を与えます。

逆に「足」が使えない状態だとパフォーマンスが落ちたり、怪我の原因になります。

ランニングと「足」の機能

足の裏は人間の体表面積の2%にしかなりません。片足では1%です。この小さな部分で身体を支えています。ランニングの着地では体重の3~4倍がかかると言われているので、片足で着地を支えるのは大変なことです。足にはランニングを支える素晴らしい機能が備わっています。

アーチでショックを吸収する

足には3つのアーチがあります。
・外アーチ
・内アーチ
・横アーチ
です。
特に内アーチは着地ショックの吸収に威力を発揮します。アーチが崩れてくるとショックを吸収する機能が低下し故障の原因にもなります。

地面を掴んで着地を安定させる

着地をするときに足の指は軽く握る動作をします。無意識に足の指が動きます。無理に足の指を握ろうとする必要はありません。足の指を握る動作は着地を安定させる役割があります。

前後左右のバランスを調整する

足首は柔軟にグルグルと回せる関節です。この足首の関節のおかげで、バランスをとって立つことができます。ランニングの場合、着地のバランスをとるのは股関節を上手く使うことが理想です。足首はバランスの微調整で使います。足首が上手く使えないとバランス調整機能を膝が負担することになり、膝を痛める原因にもなります。

「足」の機能チェック

「足」がランニングのために機能しているかチェックしてみましょう。

足首の角度

ランニングで「足」の大切な動きは屈曲です。屈曲は足の指を脛に近づける動きで、一般的に言われる足首を曲げる動きです。90度よりも小さくできる必要があります。

足の指が動くか

足の指が動くことも大切です。足の指を握る、広げるの動きです。足の指を広げると指同士が離れます。足の指を握ると関節が浮き出てきます。

足首が回せるか

足首を回すことは日常生活ではほとんどないので、足首をスムーズに回すことができなくなっている人は多いです。回してみるとぎこちない動きになってしまいます。

アーチがあるか

アーチは着地でショックを吸収する大切な機能があります。特に大事なのが内アーチです。

「足」が使えないとどうなるの?

「足」は正に縁の下の力持ちです。表だった活躍はしないのですが、上手く使えないまま走っていると知らずのうちに故障などの問題が起こります。

膝の故障につながる

ランニングで左右のバランスは股関節でとるのが理想です。全体のバランスを股関節でとり、微調整を足首で行います。足首の機能が不足していると負担が膝にくることがあります。

足の指の爪が剥がれる

長い距離を走ったり、下り坂を走った後に足の指の爪が内出血を起こして変色してしまうことがあります。酷くなると足の指が剥がれてしまいます。原因はシューズのサイズが合っていない事か、足の指が使えていないことです。

足の指を使って着地を踏ん張れないと、足がシューズの中で前にズレて、着地の度に爪がシューズに当ります。何度も繰り返すと爪が内出血を起こしたり、剥がれたりします。

着地が安定しない

着地は「股関節」「膝関節」「足関節」が連携してスムーズに安定してできます。この中で「足関節」の動きが悪いと着地が安定しません。足のアーチも着地の安定に必要です。

ランニングで使える「足」にするためのケア

「足」の働きを良くするには地道にケアをするしかありません。目に見えてランニングのパフォーマンスが上がる分けではありませんが、ジワジワと効果が出てきます。

足の関節をほぐす

関節は使っていないと可動域が狭くなっていきます。関節が固まるという現象です。可動域を広げるには手を使って関節を動かしてあげます。

足首周り

足を手で握って回します。無理に力を入れる必要はありません。ゆっくり丁寧に可動域を広げるように回します。

足の甲

足の甲を握って足の横アーチを作れるようにします。足の甲も固まりやすい部分です。

足の指

足の指を一本一本回してほぐします。足の指を握れるように関節を曲げます。

足の筋をマッサージ

知らずのうちに使われている「足」をマッサージで労わってあげましょう。張っている部分、硬くなっている筋があればほぐします。疲労が溜まって故障予備軍になっているのです。

足の裏を揉む

足の裏全体を揉みます。

足の甲をさする

足の指の筋の間をさすります。

かかとからアキレス腱にかけて揉む

かかとからアキレス腱にかけて優しく揉みます。痛みがある場合は少し念入りに揉みましょう。

足の関節を動かす

足首、足の指を自力で動かせるようにします。最初は上手く動かなくても繰り返し継続するとスームーズに動くようになります。

足の指を握る

足の指をしっかり握ります。五本の指のナックルが出る位握れるようになると良いです。

足の指を開く

足の指同士が離れる位まで開きます。最初は上手く出来ないかも知れませんが、繰り返し行うと段々出来るようになります。

足首を回す

足首を右回り、左回り両方回します。最初はゆっくりで良いので可動域を広げるように丁寧に回します

慣れてきたらスムーズに回せるようにします。

まとめ

ランニングでくるぶしから下の「足」は積極的に使う部分ではありませんが、うまく機能しないと故障をしてしまうことがあります。「足」が上手く使えるとランニングのパフォーマンスがあがります。「足」を使えるようにケアをしたり動かしたりして、使える「足」を作りましょう。

目に見えて効果がでる部分ではありませんが、地道にケアを継続することが大事です。

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しゅうぞう

しゅうぞう

現役のランニングインストラクターです。パーソナルで教えたランナーは400人以上、レッスン時間は約2000時間になります。週2回のグループレッスンも担当。ランニング学会会員です。ランナー、ランニングインストラクターとしての経験を記事に発信します。自己ベストタイムはフルマラソン2時間57分30秒(2016年)、ハーフマラソン1時間22分3秒(2018年)。