フルマラソンのサブ3は1kmあたり4分15秒のペースで42.195kmを走り切れれば達成できます。フルマラソンを走ったことがあるランナーでしたら4分15秒のペースを維持するのが大変なことだと実感しているのではないでしょうか。
サブ3はハードルの高い目標です。3時間10分前後の記録は出せるのにどうしても3時間を切れないランナーも多くいます。サブ3を達成するために必要なものは何なのかを探っていきましょう。
サブ3達成に必要なもの
サブ3に限らず、レベルの高い次元で目標を達成するためには、5つの要素が大事になります。この5つの要素は互いに密接に関係しています。
- トレーニング時間の確保
- モチベーションの維持
- 怪我(故障)をしないこと
- 良いコンディションで走る
- 計画を立てる
トレーニング時間の確保
サブ3を達成するには、長い時間走り続ける力、スピード、スピードを持続する能力が高いレベルで必要になります。週に1度は長い距離をかけて走るトレーニングとスピードを磨くトレーニングが必要です。走力を維持するためには週4日はトレーニングを入れたいところです。
仕事が忙しく、休日は家族との時間を大切にしたいランナーにとってトレーニングの時間を確保は大きな課題です。サブ3達成にはトレーニング時間の確保は必須です。
モチベーションの維持
サブ3を達成するには様々な面でランニングを優先する必要があります。トレーニング時間の確保もその中の一つですが、他にも栄養バランスの良い食事、疲労を抜くために睡眠時間の確保、体重を維持するための食生活などが必要です。
いろいろな誘惑がある中で、サブ3を目指すにはストイックな生活が必要になります。ストイックな生活を支えるのはサブ3へのモチベーションです。
怪我(故障)をしないこと
サブ3に限らずフルマラソンのタイムアップに怪我は大敵です。サブ3を目指す場合はトレーニング量、質が上がるので怪我をするリスクも上がります。疲労を抜いたり、身体のケアをすることで怪我のリスクを下げられます。
怪我をしないためにはトレーニング中に身体の違和感や痛みを感じたらトレーニングを中断する勇気と決断力が必要です。
良いコンディションで走る
コンディションとは「天候」と「体調」です。サブ3レベルのランナーだと天候の良し悪しで10分位のタイム差が出ます。体調が良い時の方が良いタイムが出るのは当然です。できるだけ良い「気候」、良い「体調」で走れるようにすることは、サブ3に達成には大事です。
計画を立てる
「サブ3を達成は年間を通じたプロジェクト」と考えて年間計画の作成が必要です。サブ3を狙うレベルのランナーはランニングを始めてから数年以上が経ち、フルマラソンを走った回数も多くあるはずです。経験を踏まえた年間のトレーニング計画、目標の大会を定めることはサブ3達成には必要です。
良いタイムが出る大会を選んでエントリーすることも計画の一部です。
トレーニング時間を確保するためには
トレーニングができなければ、サブ3という高い目標達成はできません。トレーニング時間の確保はトレーニング計画を立てる前提になります。
ランニングの優先順位を上げる
一日は24時間です。24時間をどのように使うかは、欲求と優先順位が大きく関係します。仕事や家庭の優先順位が高いのは当然ですが、それ以外はランニングの優先順位を高くする必要があります。テレビを見たい、ゲームをしたいなどの欲求を抑えてランニングに向かうことも大切です。
確実に確保できる時間帯を考える
仕事や家事がある場合でも、朝は時間を確保しやすいです。長い距離を走ったり、スピード練習を朝に行うのは難しいですが、つなぎのジョグ、疲労抜きのジョグは朝に入れることはできます。フルマラソンのレースは午前中にあるので身体を朝型にするためにも朝のトレーニングは良いです。
夜遅くまで仕事をする人は朝早く起きて走るのは難しいです。時間を確保できる候補としては帰宅ランです。帰宅ランをする日は荷物を少なくし、ビジネスシューズやスーツは会社に置いていきます。帰る途中の走りやすい区間でランニングをします。
一年間限定で家族に理解を求める
長い距離を走るには半日程度の時間が必要です。週に1回半日だけランニングトレーニングの時間を取れるように家族に交渉してみてはいかがでしょうか。期限を1年間にすると理解が得られやすいかも知れません。
モチベーションを維持するためには
サブ3達成に対するモチベーションが維持できなければ、きついトレーニングの継続はできません。モチベーションの維持はトレーニングの継続には必須です。
自分に合った方法を探す
モチベーション維持の方法はいろいろなものがあります。サブ3を達成することで周りから賞賛されることはモチベーションになります。ストイックに自分との戦いに勝ってサブ3という称号を手に入れることに快感を覚えるランナーもいます。
外的な要因でも内的な要因でも良いので自分にあったモチベーションをキープする方法を見つけましょう。
長期的なモチベーションキープ、短期的なモチベーションキープ
長期的な大きな目標はフルマラソンで3時間を切ることです。達成するためには日々のトレーニングを続けることが大事です。質の良いとトレーニングを行うためには短期的なモチベーションも必要になります。
例えば5kmのタイムを縮めることを目標にすると、スピードをつけるトレーニングを行うモチベーションになります。
ライバルがいるとモチベーションをキープやすい
モチベーション維持に大きな影響を与えるのがライバルの存在です。ランニングクラブに入ると同じ位の年齢で、同じ位のレベルのランナーがいるかも知れません。条件が同じなら結果はトレーニングで決まります。ライバルの存在はトレーニングを頑張るモチベーションになります。
怪我をしないためには
サブ3達成にはトレーニングの継続が必要ですが、怪我はトレーニング継続の妨げになります。怪我の予防に必要なことを見ていきましょう。
怪我2の大原因は無理と疲労
怪我は肉離れのような急性的なもの、膝痛のような慢性的なものがあります。どちらも原因は疲労と無理を重ねた結果です。急性的な肉離れも疲労の積み重ねで筋肉が硬くなったところへ無理なスピードアップで大きな負荷がかかり筋肉が損傷するケースが多いです。
スピード練習は適切な負荷で走る
サブ3達成には1kmあたり4分15秒で走るスピードが必要です。スピードに余裕がある方がサブ3達成の可能性は高くなりますが、過度なスピードトレーニングは故障のリスクも高めます。特に年齢が高いランナーはスピードに注意が必要です。
筋肉の疲労は把握し難いので感覚を大事にする
疲労を数値的に把握するのは難しいです。感覚的な把握は精神的な疲労と肉体的な疲労の区別がつき難いです。故障の原因になるのは筋肉の使い過ぎに寄る疲労です。筋肉の疲労を把握するには筋肉からの情報を感覚的に察知します。
走っている時、ストレッチをしている時、マッサージをしている時など、筋肉の違和感、張り、痛みなど気にして疲労具合を把握しましょう。
良いコンディションで走るには
コンデョションの良し悪しはタイムに大きく影響します。コンディションは「天候」と「体調」です。コントロールが難しい要素ですが、できるだけ良いコンディションにもっていきましょう。
天候
天候は運のようなもので、自分の力でコントロールすることはできません。天候が良い可能性が高い大会を選ぶことはできます。良い天候とは
- 風が弱い
- 気温が低め
- 晴天または曇天
です。
天候がランニングに向いている時期の大会を選ぶ
最近は温暖化の影響なのか寒くてタイムが出やすい期間が短くなっています。3月は気温が上がる日が多くなり、春一番のような強風が吹く日もあります。良いコンディションが可能性が高いのは、11月下旬~3月上旬になります。
エントリーする大会を多くする
冬場の太平洋側は晴天率が高く、気温も低いのですが、風が強いと好タイムは望めません。対策としてエントリーする大会を多くします。大会当日が近づいてきて天気予報で気候コンディションが悪そうな場合は、練習レースにしたり、棄権したりします。
エントリーする大会を多くして、気候コンディションが良い大会で記録を狙うのです。体調のピークを合わせるのが難しくなりますが、気候コンディションの良い大会は良い記録が出る可能性が高いです。
体調
一般的に良い体調をキープするには
- バランスのとれた食事をする
- 睡眠時間を十分に確保する
- 風邪などを引かないように注意する
です。仕事が忙しい時期はこれらを守ることが難しくなり、体調が崩れがちです。季節の変わり目も体調を崩しやすいです。
体調の良い時期を把握する
季節の変わり目は体調を崩しやすいのでタイムを狙うレースには向いていません。花粉症がひどい人は2月後半からは体調が悪くなるので、勝負レースは2月上旬までにするのが無難です。自分の体調ができるだけ良い時期に勝負レースを入れるようにします。
仕事に波がある場合は忙しい時期の大会を避ける
仕事上、月末が忙しくなる部署やプロジェクトのピークが判っている場合など、仕事が忙しくなりそうな時期に勝負レースが入らないようにします。トレーニングのピークも仕事が忙しい時期を避けるのが良いです。
計画を綿密に立てるには
勝負レースが決まり、トレーニング時間が確保できたらトレーニング計画を作ります。
年間計画を立てる
勝負レースが決まったら逆算して年間計画を立てます。勝負レースは2つか3つです。勝負レースが天候不良になった場合に備えて、保険の勝負レースも計画に入れます。暑さ、寒さ、梅雨、台風などによるトレーニングへの影響も考慮に入れます。
期分けとマイルストーン
期分けとは、トレーニング内容を区切り目標を作ることです
- 基礎育成期
- スピード育成期
- スピード持久力育成期
- 調整期
といった具合に期分けをして、期毎に目標を立てます。更に期の途中での目標(マイルストーン)を置くと目標達成をしやすくなります。
状況に合わせて計画を修正する
計画を立てても予定通りにすすむとは限りません。仕事が急に忙しくなることもあります。怪我をしてしまい思ったトレーニングができないこともあります。梅雨の長雨が週末に続くと長い距離を走るトレーニングが不足するかも知れません。
計画は修正ながら最終目標のサブ3に向かっていきます。
まとめ
サブ3はとてもハードルが高い目標です。達成するには計画が必要です。できれば1年計画のプロジェクトとして計画するのが良いです。レースを良いコンディションで迎えるために勝負レースの時期を決めるのはサブ3達成の確率を上げるために役立ちます。
サブ3達成にはトレーニングの継続が必須です。トレーニング時間を確保し、トレーニング計画を立て、モチベーションを維持します。
しゅうぞう
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