ハーフマラソンとは21.0975㎞を走る競技です。これからランニングを始める方にとって、完走を想像するのが難しい距離ではないでしょうか?ハーフマラソンを完走したランナーは特別な能力を持った人ではありません。普通の人がコツコツとトレーニング積んだ成果です。
これからランニングを始める方でもハーフマラソンの完走は可能です。幾つかの条件をクリアすれば6ヶ月のトレーニングでハーフマラソンを完走することができます。簡単なことではありませんが、チャレンジしてみる価値はあります。
この記事はハーフマラソンを6ヶ月のトレーニングで完走するためのノウハウが書かれています。
ハーフマラソン完走に向けてクリアすべき条件
ハーフマラソンを6ヶ月間のトレーニングで完走するには、幾つかの条件をクリアする必要があります。
- トレーニングを継続する
- トレーニングで無理し過ぎない
- 完走できると信念を持つ
- 体重を減らす
トレーニングを継続する
ハーフマラソンの完走にはトレーニングが必要です。トレーニングは継続することは大切です。トレーニングが継続できなくなる理由の一つにランニングの時間を確保できない場合があります。ハーフマラソンを完走するには生活の中でランニングの優先順位を上げる必要があります。
トレーニングで無理し過ぎない
トレーニングで無理をし過ぎるとトレーニングを継続できなくなる場合があります。
- 最初に頑張り過ぎて燃え尽きてしまう
- 膝や脚を痛めてしまい、走れなくなってしまう
トレーニングを継続するにはコツコツと積み重ねてゆくことが大切です。
完走できると信念を持つ
ハーフマラソンの完走は未知への挑戦なので、今まで経験したことのない困難にあたるかも知れません。トレーニング中に困難はあり、目標のレース(ランニング大会)で走っている時にも困難が訪れます。
最後まで諦めないでやりきるにはメンタルが大切です。完走できると信念を持つことです。
体重を減らす
体重が重いとランニングには不利です。身長が高ければ筋肉量が多いので体重の重さをカバーできますが、身長に比べて体重が重い場合、ハーフマラソンの完走に向けて改善しなければなりません。BMIが24以下が理想です。
BMI
/ Body Mass Index / ボディ・マス指数 / 体格指数 /
[体重(kg)]÷[身長(m)の2乗]で算出される値。肥満や低体重(やせ)の判定に用いる。情報元:厚生労働省 e-ヘルスネット
ハーフマラソン完走(準備編)
ハーフマラソン完走には準備が必要です。トレーニングや減量に入るための準備も必要ですが、完走する可能性を上げるには参加する大会の選び方も大切です。
- 参加する大会を選ぶ
- 走りやすい季節
- 走りやすいコース
- 大会規模
- 制限時間が長い
参加する大会を選ぶ
大きな大会は半年近く前から申し込みが開始されます。人気の大会は申し込みから数十分で締切になる場合もあるので、完走しやすい大会を見つけ、申込期間を確認し、申し込みが開始されたら直ぐに申込みましょう。
走りやすい季節
走りやすい季節は秋から冬にかけて、冬から春にかけてです。気温が低い方が走りやすいです。低すぎると身体が動き難くなりますが、暑いよりは良いです。申し込む大会は秋、冬、春の気温が低い時期がおすすめです。
走りやすいコース
走りやすいコースとはアップダウンが少ないコースです。アップダウンが厳しいコースを特色にしている大会もあるので注意しましょう。
大会規模
大会の規模は大きい方が良いです。完走するには周りに一緒に走るランナーがいる方が励みになります。規模が小さい大会だとランナーが少ないのでスタートしてしばらくすると周りに一緒に走るランナーが居なくなることもあります。
制限時間が長い
ランニングの大会には制限時間が設けられています。コースの途中に関門があり、通過時間が過ぎるとランナーが止められる大会も多いです。体力が残っているのに関門に引っかかって完走できないのは悔しいです。制限時間の長い大会がおすすめです。
トレーニング計画を作る
詳しくは後程説明しますが、6ヶ月を1ヶ月毎に目標を作り、クリアしてゆくのが完走への道のりです。計画を立てないで闇雲にトレーニングを始めると、途中で行き詰ってしまうことが多いです。
減量計画を作る
減量も計画的に行います。現在の体重によって減らせる幅は違ってきますが、6ヶ月では減らせるのは頑張っても10kgが精一杯です。無理な減量は体調を崩したり、リバウンドの原因になります。
運動習慣の無かった人がランニングを始めると最初の1ヶ月は2~3kg減ることがありますが、これは身体の余分な水分が減ったためで、このペースで体重を減らし続けるのは難しいです。1ヶ月1kg減が無理の無い減量です。
トレーニング時間を確保する
トレーニングをすると決めたらトレーニング時間を確保することを考えましょう。最初の1ヶ月は週に2回、1時間の運動時間を確保します。平日に1回、土日に1回が良いです。6ヶ月目は、週に3~4回、内訳は1時間を2~3回、2時間半を1回です。
疲労を抜く、身体のケアを行う
走る距離、時間が伸びてくると疲労が溜まり、怪我(膝や脚が痛くなる)をしやすくなります。怪我をしないためにもストレッチやマッサージのケアをして疲労を溜め過ぎないようにします。睡眠時間の確保も大事です。
半年間のトレーニング
5月からトレーニングを始めて、10月までの6ヶ月間のトレーニングです。ポイントは5~6月にランニング習慣を身につける。7~8月は暑さに耐えて少しづつ距離を伸ばす。9~10月は11月のハーフマラソンを見据えて15km走を行います。
- 1ヶ月目:ランニングに慣れる
- 2ヶ月目:5km走れるようになる
- 3ヶ月目:暑い時期はランニングを継続
- 4ヶ月目:少しづつ距離を伸ばす
- 5ヶ月目:涼しくなると自然に走れる距離が伸びる
- 6ヶ月目:15kmを繰り返す
1ヶ月目:ランニングに慣れる
最初の1ヶ月は身体をランニングに慣らしながら、ランニングを習慣にします。無理は禁物です。最初にモチベーションを上げ過ぎると継続が難しいです。こつこつと継続しましょう。
月の目標
30~40分間のランニング&ウォーキングができるようになる
トレーニング内容
- 準備体操はしっかり行う
- 週に2回ランニングをする
- 5分間ランニング&1分間ウォーキングを20~30分間繰り返す
- 慣れてきたらランニングの5分間を7分間、10分間へと伸ばしていく
- 運動時間も20~30分間を30~40分間へと伸ばしていく
2ヶ月目:5㎞を走れるようになる
5km走れるようになることは初期の大きな目標です。少しづつ走れる距離を伸ばしていきます。ここでの成功体験が後々、距離を伸ばしてゆくのに役立ちます。
月の目標
5kmを歩かずに走れるようになる
トレーニング内容
- 週に2~3回ランニングをする
- 30~40分間のランニング&ウォーキングに慣れる
- 20分間ランニング&1分間ウォーキングを2セットに挑戦
- 30分間ランニング&1分間ウォーキング&10分間ランニング
- 40分間歩かずにランニング
- 5㎞ランニング
3ヶ月目:暑い時期はランニングを継続
暑くなってくるので、ランニング&ウォーキングに戻して、暑さに慣れながら運動時間を伸ばします。暑い時間帯を避けて、朝早くか夜に走りましょう。
月の目標
60分間のランニング&ウォーキング
トレーニング内容
- 週に2~3回ランニングをする
- 週1~2回、5kmランニング
- 週1回ランニング&ウォーキングで60分間(少しづつランニングの割合を増やす)
4ヶ月目:少しづつ走る距離を伸ばす
暑さに身体慣れてくる時期です。ここで頑張って10kmまで走れると涼しくなってからが楽になります。
月の目標
10kmランニング
トレーニング
- 週に2~3回ランニングをする
- 週1~2回、5kmランニング
- 週1回ランニング&ウォーキングで60分間(少しづつランニングの割合を増やす)
5ヶ月目:涼しくなると自然に走れる距離が伸びる
暑さが峠を越えて涼しくなると走りやすくなり、自然に走れる距離も伸びてきます。故障に気をつけて無理をしないで少しづつ距離を伸ばし15kmを目指しましょう。
月の目標
15kmまで距離を伸ばす
トレーニング
- 週に3~4回ランニングをする
- 週2~3回、5~10kmランニング
- 週1回走る距離を伸ばしてゆく日を入れる(少しづつ距離を伸ばして15kmにする)
6ヶ月目:15㎞を繰り返す
15kmをある程度余裕を持って走れるようになると良いです。15km走れれば、本番では21.0975kmは完走できます。トレーニング計画に余裕があれば15kmより距離を伸ばします。
月の目標
15㎞走を2本行う
トレーニング
- 週に3~4回ランニングをする
- 週2~3回、5~10kmランニング
- 週1回長い距離(12~15km)を走る日を入れる(2回15km走を入れる)
疲労を抜いて21.0975㎞にチャレンジ
6ヶ月のトレーニングを行い、2週間の疲労抜き期間を経てハーフマラソンの完走にチャレンジします。トレーニングで21.0975kmを走れていなくても本番で完走できる可能性は十分にあります。
ハーフマラソン完走(実践編)
準備をしっかりしたら、本番に臨みましょう。完走を目指すにはイーブンペースを心がけます。
- 朝の食事はいつも通り
- ウォーミングアップは行う
- トイレを済ます
- スタート直後はペースを抑える
- 気候に合わせて給水を摂る
- 10kmでエネルギーゼリーを摂る
- 15kmまでは歩かない
- 終盤は気持を切らさない
朝の食事はいつも通り
いつもと違うことはしないで、普段通りの朝食をとります。スタート時間が遅い場合は炭水化物を少し多めにします。
ウォーミングアップは行う
準備体操、1km程度軽く走る程度のウォーミングアップを行います。
トイレを済ます
走っている途中でトイレに行くのはタイムロスです。ハーフマラソンならトイレに行かずに走りきれる距離です。走る前にトイレに行っておきましょう。
スタート直後はペースを抑える
スタート直後はダッシュしていくランナーがいますが、釣られないで自分のペースで走りましょう。いつも乗り少し遅めのペースで走り始める意識で丁度良いです。
気候に合わせて給水を摂る
給水は5km位でとりましょう。給水は少しづつ小まめにとります。1回にとる量は当日の気候にあわせます。暑い日は多め、寒い日は少なめです。
10kmでエネルギーゼリーを摂る
ハーフマラソンでエネルギー切れになることは少ないですが、念のため10kmでエネルギーゼリーを摂ります。エネルギー切れになってからでは遅いです。
15㎞までは歩かない
給水所付近で少し歩いても良いですが、それ以外は走り続けます。歩いてしまうと気持ちが切れることがあります。少なくとも15kmまでは歩かないようにしましょう。できればゴールまで走りきれれば良いです。
終盤は気持ちを切らさない
終盤はどんなランナーでもきついです。気持を切らさないことが大切です。
まとめ
ハーフマラソンの完走はランニング初心者にとって高い目標ですが、手が届かない目標ではありません。トレーニングを継続し、減量をすすめれば、完走に近づいていきます。完走に向けた準備も大切です。大会の時期やコースで完走への難度の高さが変わります。完走しやすい大会を選びましょう。
一番大切なのはメンタルです。トレーニングを継続するのもメンタルですし、ハーフマラソンの終盤に諦めないのもメンタルです。
しゅうぞう
最新記事 by しゅうぞう (全て見る)
- ランニングは歳をとっても若いランナーに勝てる?その理由は? - 2020年5月1日
- みんなで走るときは仕切る人が必要、グループランニングを計画するコツを教えます - 2020年4月30日
- 屋内でできるランニングトレーニング - 2020年4月29日