フルマラソン初心者が完走するためのランニングトレーニング方法(夏編)

初心者ランナー向け

フルマラソンを初めて走る初心者ランナーに向けた記事「フルマラソン初心者が完走するためのランニングトレーニング方法(春編)」の続編です。春から順調にトレーニングを積めてきた方は60分間身体を動かすことに慣れているはずです。このレベルになると5㎞は余裕を持って走れます。

夏は気温が上がるので運動のパフォーマンスが落ちます。無理をする必要はありません。ランニングを継続することが大切です。夏は体調を崩しやすいシーズンです。良い体調をキープすることも秋のトレーニングに繋がります。

今回は来年3月のフルマラソンに向けた、7月、8月、9月の「夏編」トレーニングです。

4月から6月までの反省をしましょう

来年の3月のフルマラソンを目指すトレーニングは長い道のりです。4月から6月までのトレーニングを振り返り、達成度合いの確認をします。

  • 5㎞を楽に走れるようになった
  • ランニングとウォーキングを組み合わせて60分間身体を動かせる

が出切れいればOKです。出来ていない方はまだ挽回は可能ですので、何故できなかったか反省をしましょう。フルマラソンの完走への条件を見直しましょう。

  1. 時間を確保してトレーニングを継続
  2. フルマラソン完走へのモチベーションを維持
  3. 身体のケアをして故障を防ぐ
  4. 体重が多い方は適正レベルまで減量

時間を確保してトレーニングを継続

フルマラソンを確実に完走するためにはトレーニングが必要です。トレーニング時間を確保できないとフルマラソンの完走は難しいです週2回はトレーニング時間を確保しましょう。週末に1回、平日に1回、走れると良いです。

可能なら週3~4回走れると良いです。毎回体力のギリギリまで走る必要はありません。週1回少し長めの距離を頑張る日にして、残りは軽めにランニングを継続するのが良いです。

フルマラソン完走へのモチベーションを維持

モチベーションを維持するコツは幾つかあります。

  • ランニングを楽しむ
  • 生活の中にランニングを組み込む
  • 自分へのご褒美をあげる

ランニングを楽しむ

3ヶ月間ランニングを継続できた方はランニングの楽しみを感じることができたと思います。楽しむことはランニング継続の一番の良い方法です。

  • 走ることを楽しく感じる
  • 健康になってゆくことを楽しむ
  • 頑張る自分が好きになる
  • 走力アップを楽しみにする

生活の中にランニングを組み込む

生活の中でランニングの優先順位を少し上げてみましょう。人の行動は優先順位によってきまります。優先順位が低いと「時間が無いから」と言い訳をしてできなくなります。ランニング時間を確保して生活の中に組み込みましょう。

どうしてもランニングのための時間が取れなかった時は、会社帰りに1~2駅を歩くなどの代替えトレーニング入れると良いです。

自分へのご褒美をあげる

小さな目標を立て、達成ができたら自分にご褒美をあげるのもモチベーション維持に役立ちます。ご褒美はランニンググッズのようなものでも、食べ物でも良いです。目標の大きさに応じたご褒美を考えるのも楽しいです。

身体のケアをして故障を防ぐ

故障をしてしまってはランニングを継続することができません。脚が痛いのに無理をすると悪化する可能性が高いです。ストレッチ、マッサージなどのケアをしても走ると脚が痛くなるのはランニングフォームが悪いのかも知れません

ランニングフォームの改善に一番良いのは実績のあるパーソナルランニングコーチに見てもらうことです。WEBなどで調べてみましょう。或いはスポーツ方面に通じたマッサージ、鍼の先生も頼りになります。

体重が多い方は適正レベルまで減量

体重の減少はランニングに良い効果があります。走るのがとても楽になるのです。体重が標準体重を越えている方は減量により、ランニングが楽になります。2kgの体重減は確実にランニングのパフォーマンスアップを感じることができます。

楽に走れるようになるとランニングが楽しくなり、ランニングを継続すると体重が減るという良い循環が回り出します

7月~9月は無理をしないでランニングを継続する時期

4月~6月で順調にトレーニングを積めたランナーは、走力の伸びを実感できているはずです。最初は1㎞走るのが辛かったのが5㎞を楽に走れるようになるのは大きな進歩です。ところが暑くなると思うように走力伸びなくなります6月には楽に走れた5㎞がきつくなるかもしれませんが気にすることはありません

暑くなるとパフォーマンスは落ちる

人間の身体は暑くなるとパフォーマンスが落ちるように出来ています。理由の一つは体温の上昇です。体温が上昇すると脳が危機を感じます。脳は熱弱いので体温が上昇してきたら、「これ以上体温を上げないように」と身体に指令を送ります。

この指令によって身体が動き難くなり、運動パフォーマンスが落ちることになります。汗のかき過ぎによる体内水分量の減少も運動パフォーマンスダウンを引き起こします

ランニングの継続が大事

この時期は無理に走る距離を伸ばしたり、ペースを上げる必要はありません。ランニングを継続が一番大切なことです。暑い時期に春と同じレベルで走ることはパフォーマンスアップと同じです。もし可能ならゆっくりペースで少しづつ走る距離を伸ばしていけると良いです。

暑い時期にランニングを継続すれば、秋になって涼しくなると楽に走れるようになります

涼しい時間帯を選んで走る

最近の夏は日中の最高気温が35℃以上になることもあります。こんな気候の中で無理に走ると体調を崩してしまいます。暑い時間帯を避けて、できるだけ涼しい時間帯に走りましょう。一番涼しいのは朝の6時まです。夜は日が傾いた19時以降が気温が下がっていきます。

水分補給は少しづつ小まめに

暑い時期に注意するのは水分補給です。汗をかいた分の水分を補給しないと脱水症状になる可能性があります。水分補給は少しづつ小まめに摂りましょう。たくさんの水分を一気に摂っても身体が吸収できず、胃や腸に溜まるだけです。

5㎞以上を走る時はペットボトルを持って走り、小まめに一口か二口程度の水分を補給しましょう。水よりもスポーツドリンクの方が身体吸収されやすく、塩分補給にもなります

そろそろレース(ランニング大会)参加計画を立てましょう

翌年3月のフルマラソン完走を目標ですが、いきなりフルマラソンを走るのではなく、走る距離をステップアップするのが良いです5km→10km→ハーフマラソン→フルマラソンが一般的です。大きな大会は半年前にエントリーが始まるのでこの時期に参加するレース(ランニング大会)の計画を立てておきましょう。

インターネットで大会を探す

ランニングの大会はインターネットで検索ができます。取り扱っている大会が多いのは「ランネット」と「スポーツエントリー」です。

最初は5㎞レース

既に5kmは走れる走力があるのでいつでも走れますが、暑い時期は避けて、10月位が良いです。5kmの大会は割と多く開催されています。

次に10kmレース

5㎞の次は10kmレースです。秋に入って順調にトレーニングを積んでいけば11月に10kmレースを走れるようになります。

ハーフマラソンに挑戦

ハーフマラソンは1月下旬か2月上旬が良いタイミングです。ハーフマラソンは大きな大会にエントリーして、大きな大会の雰囲気に慣れるのが良いです。大きな大会は半年位前にエントリーを開始する場合があるので、この時期に大会探しをしておきます。

7月 本格的な暑さに身体を慣らしていきましょう

梅雨に入り蒸し暑くなります。少し走るペースを落としても良いです。梅雨が明けたら暑さが本格的になるので、無理をしないでランニング継続を目指しましょう。

1.ポイント

  • 無理をしない
  • ランニングの継続
  • 暑さがきついと感じたら距離やペースを落としても良い

6月までは右肩上がりに距離や走る時間を伸ばしてきましたが、ここで一旦踏みとどまりましょう暑さに慣れないうちは、距離や走る時間を短くしても良いです。走るペースを落とすことで身体への負荷も下がるので、ペースを落とすのも良い試みです。

ランニングを継続することが一番大事です。梅雨の季節で雨が多いかも知れませんが、この時期、小雨だと走りやすいことがあります。雨が体温の上昇を抑え気持ち良く走れます。

2.目標

  • 週2~3回、ランニングを継続(週1回のランニングは必須)
  • ランニング&ウォーキング60分間を週1回
  • 歩かずランニングを45分間を週1回

3.注意点

  • 準備体操はしっかり行う
  • 走っていて体温が上がり暑さが辛くなったら歩く
  • 水分補給は小まめに少しづつ
  • 整理体操をする
  • 走った日はマッサージやストレッチで身体を労わる

4.メニュー例

第1週

  • ランニング5km
  • ランニング5km
  • 「ランニング8分間+ウォーキング1分間」を7セット(計63分間)

第2週

  • ランニング5km
  • ランニング5km
  • 「ランニング8分間+ウォーキング1分間」を7セット(計63分間)

第3週

  • ランニング5km
  • ランニング5km
  • 「ランニング9分間+ウォーキング1分間」を6セット(計60分間)

第4週

  • ランニング5km
  • ランニング5km
  • 「ランニング9分間+ウォーキング1分間」を6セット(計60分間)

8月 涼しい時間帯を選んでランニングを継続しましょう

8月は本格的な暑さが継続します。引き続き無理をしないでランニングを継続しましょう。トレーニングに工夫を入れるのも良いです。休みの日に山歩きをして長い時間が身体を動かすことに慣れるのは良いトレーニングです。ジムのランニングマシンを使ったり、プールで身体を動かすのも良いです。

8月半ばを過ぎるころには身体が暑さに慣れています。暑さがピークを過ぎたら少しづつ走る距離を伸ばしていきましょう

1.ポイント

  • 無理はしない
  • ランニングを継続
  • 暑さを避けてトレーニングに工夫を入れる
  • 暑さがピークを過ぎたら走る距離を伸ばしていく

暑くてもランニングを継続しましょう。暑さが厳しい日は距離や時間を短くしても良いです。暑さを避けるにはジムのランニングマシンやプールを使ったトレーニングも有効です。暑さがピークを過ぎて気温が低い日は少し走る距離や時間を伸ばしていきましょう。

2.目標

  • 週2~3回、ランニングを継続(週1回のランニングは必須)
  • ランニング&ウォーキング60分間を週1回
  • 歩かずランニングを45分間を週1回

3.注意点

  • 準備体操はしっかり行う
  • 走っていて体温が上がり暑さが辛くなったら歩く
  • 水分補給は小まめに少しづつ
  • 整理体操をする
  • 走った日はマッサージやストレッチで身体を労わる

4.メニュー例

第1週

  • ランニング5km
  • ランニング5km
  • 「ランニング9分間+ウォーキング1分間」を6セット(計60分間)

第2週

  • ランニング5km
  • ランニング5km
  • 「ランニング9分間+ウォーキング1分間」を6セット(計60分間)

第3週

  • ランニング5km
  • ランニング7km
  • 「ランニング10分間+ウォーキング1分間」を6セット(計66分間)

第4週

  • ランニング5km
  • ランニング7km
  • 「ランニング10分間+ウォーキング1分間」を6セット(計66分間)

9月 涼しくなってきたら距離を伸ばしていく

9月になると残暑の日もありますが、気温が下がり走りやすい日も増えてきます。暑さに慣れた身体は気温が低くなるととても走りますくなります。少しづつ走る距離を伸ばしてきましょう

ポイント

  • 暑い日は無理をしない
  • ランニングを継続
  • 気温が下がった日は走る距離を伸ばしていく

9月は気温が下がる日も多くなります。急に気温が上がる日もあるので体調を崩しやすくなります。ランニングを継続するためには良い体調を維持することも大切です。ランニングシーズン到来に向けて少しづつ走る距離も伸ばしていきましょう。

目標

  • 週2~3回、ランニングを継続(週1回のランニングは必須)
  • ランニング&ウォーキング75分間まで伸ばす
  • 10kmを歩かず走れるようになる

注意点

  • 汗をかくので途中の水分補給も必要(水分を持って走る、自販機で買う、公園の水のみ場を利用など)
  • 走った後はしっかり水分補給
  • 暑い日はペースを落とす、歩くなどをして無理をしない
  • 準備体操はしっかり行う
  • 無理せずペースはゆっくり
  • 整理体操をする
  • 走った日はマッサージやストレッチで身体を労わる

メニュー例

第1週

  • ランニング5km
  • ランニング7km
  • 「ランニング12分間+ウォーキング1分間」を6セット(計78分間)

第2週

  • ランニング5km
  • ランニング7km
  • 「ランニング15分間+ウォーキング1分間」を5セット(計80分間)

第3週

  • ランニング5km
  • ランニング5km
  • ランニング8km
  • 「ランニング20分間+ウォーキング1分間」を4セット(計84分間)

第4週

  • ランニング5km
  • ランニング5km
  • ランニング5km
  • ランニング10km

まとめ

4月に始めたフルマラソンの完走を目指したトレーニングが3ヶ月を過ぎました。思い通りにトレーニングができなかった方は反省をして挽回をしていきましょう。順調にトレーニングが進んだ方も夏はレベルアップを抑えて継続することをメインにします。

暑さが厳しくなると運動のパフォーマンスが落ちてしまうので無理をしないで、継続をしましょう。暑さが厳しい場合は走る距離や時間を今までより短くても良いです。トレーニングは秋編に続きます。

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しゅうぞう

しゅうぞう

現役のランニングインストラクターです。パーソナルで教えたランナーは400人以上、レッスン時間は約2000時間になります。週2回のグループレッスンも担当。ランニング学会会員です。ランナー、ランニングインストラクターとしての経験を記事に発信します。自己ベストタイムはフルマラソン2時間57分30秒(2016年)、ハーフマラソン1時間22分3秒(2018年)。