健康ブームでランニングする人も多くなりましたね。マラソン大会や駅伝も多く見かけるようになりました。
大きな大会だと給水所だけでなくトイレも充実していますが、「全く並ばずに入れる」ということは少ないのではないでしょうか。
我慢できるものなら並ぶとして、下痢となるとなかなか厳しい状況に直面するわけです。
ランニングには、下痢だけでなく腹痛に悩まされた経験がある人も多いはずです。
ここはぜひ、対処法、対策を知って、ランニングを楽しいものにしましょう。
ランニング中の下痢の原因と対処法
ランニング中の下痢には様々な要因が考えられますが、主に次のものになります。
- 冷えが原因の下痢
- 内臓疲労が原因の下痢
- スポーツ飲料を飲みすぎが原因の下痢
- 食べてすぐ、または食べ過ぎが原因の下痢
1.冷えが原因の下痢
ランニングして汗をかくと、身体全体が冷えてしまうので下痢を引き起こすことがありますよ。汗が乾くときの気化熱によって体温が奪われている可能性があります。
【対処法】 汗をかいた時には、乾く前に拭き取る習慣をつけましょう。
2.内臓疲労が原因の下痢
長距離のランニングは下痢の原因になることがあります。30kmを境に増える傾向にあるようですよ。
長時間走ることで、内臓も揺さぶられます。揺さぶられる時間が長いほど内臓に負担がかかるので下痢を引き起こしやすくなる、というわけです。
【対処法】 走る速度を落としてみたり、走る距離を短くしてみましょう。また少しずつ戻すことで改善できることがあります。
3.スポーツ飲料を飲みすぎが原因の下痢
ランニング中はスポーツドリンクを飲む人も多いと思いますが、飲み過ぎは下痢の原因になり得ますよ。
「一度に大量に摂取するとお腹がゆるくなることがあります」という表示を見たことはありませんか?これはスポーツドリンクに含まれる甘味料が原因になります。
この甘味料は安静時の浸透圧を基準にして作られています。ランニングすることで身体の浸透圧が変わるので、うまく身体に吸収されず下痢といった症状で現れることがありますよ。
【対処法】 スポーツ飲料でも良いのですが、水分補給は一度に行うのではなく、こまめに何度も行うようにすると改善されることがあります。また、スポーツ飲料を2倍程度に薄める、といった方法もありますよ。
食べてすぐ、または食べ過ぎが原因の下痢
食べてすぐのランニング、食べ過ぎた後のランニング。どちらも下痢を引き起こす可能性がありますよ。
消化をするためには血液を必要とします。本来消化に必要な血液が、走るために必要な筋肉へ流れてしまうので消化不良を起こしてしまうのです。
【対処法】 時間を置いてランニング、消化のよい食べ物を選ぶ、といったことで改善できる可能性がありますよ。
ランニング中にお腹が痛くなる場所、原因と対処法
ランニング中に、お腹が痛くなる場所ごとに分けて解説します。
- 右脇腹
- 左脇腹
- 上腹部中央
1.右脇腹の痛みは横隔膜が関係している
右脇腹の痛みは、横隔膜が関係していると言われています。ランニングすることで肝臓が揺さぶられると、横隔膜が引っぱられて痛みとなりますよ。
肝臓は身体の中でも大きな臓器です。走り始めや、スピードをあげたときは、大きく揺さぶられるので痛みとして現れることが多くなります。
【対処法1.】 右脇腹の痛みは、スピードを落として深呼吸すると落ち着く事が多くあります。臓器が酸素不足になっている可能性があるので、それを解消する目的です。
【対処法2.】右脇腹の痛みを感じたら、右手を上げて身体を反対側に反らします。ガスが溜まることが原因で起きている痛みであれば、これで対処できることがありますよ。
2.左脇腹
左脇腹の痛みは、主に2種類あります。
1.)脾臓が原因の痛み
2.)大腸のS状結腸が原因の痛み
1.)脾臓が原因の痛み
脾臓の役割は血液を貯蓄しておくことです。急にランニングすることで、血液を全身に送り出す必要性が生じます。すると、血液を送り出すために脾臓が収縮するので、この現象が痛みとなって現れるのです。
【対処法】 左脇腹の痛みは、ランニングを一時中断して深呼吸すると落ち着く事が多くありますよ。まずは臓器の酸素不足を解消しましょう。
2.)大腸のS状結腸が原因の痛み
大腸には、S状結腸と呼ばれる部分が肛門手前に存在します。S状結腸の形は激しいカーブになっているので、ガスや便が溜まりやすい構造です。
ランニングによって大腸に圧がかかり、溜まっていたガスや便によって痛みが誘発されることがありますよ。
【対処法】左脇腹の痛みを感じたら、左手を上げて身体を反対側に反らします。ガスが溜まることが原因で起きている痛みであれば、これで対処できることがあります。
3.上腹部中央
多くが胃が原因と考えられる痛みです。ランニングによって圧がかかったり、揺さぶられたりすることで引き起こされます。
また、食事して間もないときにランニングをすると、胃に十分な血液が送れなくなるので、上腹部中央に痛みを感じることがありますよ。
【対処法】ランニング前には消化の良い食事を心がけましょう。また、食事から十分に時間をおいてランニングすることで、対処可能な場合が多くあります。
そもそもの下痢と腹痛を避けるための対策
そもそも下痢と腹痛を避けるためにはどのような対策をしたらよいのでしょうか。
- 食後十分な時間をとってランニングを行う。
- 便秘対策をする
- 横隔膜を鍛えるストレッチをする
- ウォーミングアップをしっかりする
1.食後十分な時間を取ってランニングを行う
下痢にしても、腹痛にしても、食事から1時間以上経ってからのランニングをおすすめします。消化時間をきちっと取って、胃に十分な血液を送ってあげましょう。
食事内容も消化の良いものを意識し、食べ過ぎない、咀嚼回数を増やす、などの対策をするようにしましょう。
2.便秘対策をする
便秘も下痢、腹痛の原因になり得ます。便秘予防のために野菜、果物を意識して摂るようにしましょう。
ランニング前にトイレに行くことは勿論、トイレのあるランニングコースを選んだりすると、リラックスした状態を作れるので便秘対策になりますよ。
3.横隔膜を鍛えるストレッチをする
横隔膜を鍛えることは下痢、腹痛対策だけではありません。様々な効果が期待できます。
姿勢がよくなるので、ランニングフォームの改善も期待できますよ。酸素を多く取り込めるようになるので、楽に走ることができるようになります。毎日のストレッチに加えてみてはいかがでしょう。
4.ウォーミングアップをしっかりする
下痢も腹痛も「急激な」ランニングが原因となることが多いです。スタートしてから20分はアップの時間と割り切って走ってみてください。徐々にスピードを上げるようにすると、痛みが出にくくなりますよ。
最後に
①ランニング中の下痢には、冷え、内臓疲労、スポーツ飲料の飲みすぎがあります。食べてすぐのランニングも下痢や腹痛の原因になるので注意が必要です。
②ランニング中の腹痛は主に、右脇腹、左脇腹、上腹部中央に分けられます。自分の痛みと近い場所を探して対処してみましょう。
③下痢と腹痛を避けるためには、食後すぐのランニングを避ける、便秘対策をする、横隔膜ストレッチを取り入れるなどの方法がありますよ。
下痢や腹痛は人に相談しにくいので、一人で悩んでいる人も多いのではないでしょうか。自分に合った対処法でランニングを「続ける」と、身体が慣れるので痛みも起きにくくなるかもしれません。対処法と対策を知ったなら、何より前向きな気持ちでランニングにのぞんでみてくださいね。
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