初心者ランナーの頃は同じペースで同じ距離を走ることが多いです。ランニングに慣れてくると距離を伸ばしペースを上げて、走力を向上させていきます。フルマラソンで自己ベストタイム更新を狙うレベルになると、ウエブ、本・雑誌からの情報を参考に、様々なトレーニングメニューを取り入れていきます。
最初はウエブや本・雑誌に載っているトレーニングメニューを真似てやってみるのが良いのですが、慣れてきたら自分に合うようにアレンジするのがおすすめです。トレーニングメニューの特徴や目的を理解するとアレンジがしやすくなります。
この記事はフルマラソンのタイムアップに必要なトレーニングメニューを目的別に紹介し、特徴を説明しています。
目的別に練習メニューを整理する
トレーニングをするときにトレーニングに対する目的を意識して行うと効果が高いです。何のためのトレーニングなのかを理解して行うことでトレーニングのポイントが分かります。ランニングのトレーニングも同じです。
例えば「距離走」は目的の距離を走り切ることが大切です。ペースは走り切るために余裕を持ったペースに設定します。走り始めて調子がいいのでペースを上げていった結果、途中でバテてしまい目的の距離を走れなかった場合、トレーニングの目的は達成できないことになります。
フルマラソンのタイムアップに必要なトレーニングを目的別にあげます。
- ランニングの基礎を作る
- 長い距離を走ることに慣れる
- スピードをつける
- 心肺機能を鍛える
- スピード持久力をつける
- 疲労を抜く
ランニングの基礎を作る
ランニングの基礎を作る目的は
- 走ることへの慣れる
- 効率的なフォームの収得
です。ランニングは同じ動作の反復です。効率的なフォームができると身体への負担が少なく走ることができます。身体への負担が少ないと故障をしないで、楽に長い距離を走れるようになります。
長い距離を走ることに慣れる
フルマラソンを目標にしているランナーは42.195kmという距離を意識する必要があります。
- 長い時間身体を動かすことに慣れる
- 走る距離を伸ばしてゆく
- 長い距離を走ることに慣れる
と、ステップを踏んでいきます。
スピードをつける
タイムアップを狙うランナーはスピードトレーニングが必要になります。ある程度のレベルまではランニングを繰り返すことで自然に走るペースが上がっていきますが、更なるタイムアップを狙う場合、スピードをつけるトレーニング必要になります。
心肺機能を鍛える
心肺機能もランニングを始めた頃は、自然にアップしていきますが、レベルが上がるにつれて、心肺機能を鍛えるトレーニング取り入れる必要があります。
スピード持久力をつける
スピード持久力とは、一定のスピードで走り続ける力です。フルマラソンで良いタイムを出すために、最後の仕上げのトレーニングとしておこないます。
疲労を抜く
トレーニングを行うと身体に負担がかかり、身体を適切に休めると負荷に耐えられる身体になっていきます。トレーニング負荷が大きすぎると疲労が溜まっていきトレーニングの質が落ちたり故障の原因になります。
疲労を抜くことはトレーニングの一環としてとても大切です。「筋肉の疲労は身体を休めるよりも軽い運動を行う方が抜けやすい」という説もあります。
ランニングの基礎を作るメニュー
ランニング基礎で大事なのはフォームです。
ジョギング(ジョグ)
ジョギングは楽なペースで気持ちよく走ります。とても適用範囲が広い万能ツールです。ランニング基礎を作るためにはフォームを意識します。
ウインドスプリント(流し)
ウインドスプリントは100m位の距離を気持ち良いペースで走ります。ランニングの基礎作りとしては、伸びやかで大きなフォームを意識します。
長い距離を走ることに慣れるメニュー
長い距離を走るには筋肉の持久力、メンタルを鍛えるトレーニングが必要です。
ロングウォーキング
基礎体力をつける方法としてロングウォーキングはとても有効です。フルマラソンを走るベース作りになります。ロングウォーキングの時間はランナーのレベルによって変わります。フルマラソンのベース作りは3~4時間歩くと良いです。
LSD
LSDはLongSlowDistanceの略で、ゆっくりと長い距離を走るトレーニングです。長時間身体を動かすことに慣れる、速いペースで走ることには使わない筋肉を鍛える、毛細血管の発達を促す、などの効果があります。フルマラソンを目指す場合は90~180分間へ伸ばしていきます。
マラニック
マラニックとはマラソンとランニングを組み合わせた造語です。長い距離を楽しく、休みを適度に入れながら走ります。休憩ポイントに観光地や美味しいお店を入れると楽しみながら走る距離を伸ばすことができます。
距離走
エントリーした大会に向けて距離に慣れていきます。最初は走力に合わせた距離をクリアすることから始めます。ペースは目標の距離をクリアできるペースで走ります。段々と距離を伸ばしていき、フルマラソンのための距離走は最長30kmにすることが多いです。
スピードをつけるメニュー
フルマラソンの完走が目標のランナーは無理にスピードトレーニングをする必要はありません。よりレベルアップをしたいランナーはスピードトレーニングを入れると良いです。
ビルドアップ走
ビルドアップ走は走りながら段々とペースを上げてゆくトレーニングです。走る距離とペースの上げ方には無限の組み合わせがあります。スピードをつけるトレーニングとしては目標のレースペースよりも少し速いペースまで上げます。距離は5~10kmがスピードをつけるトレーニングとしては適当です。
1km毎に10~15秒程度上げます。最後のペースから逆算してスタートのペースを決めます。
ウインドスプリント(流し)
ウインドスプリントは速い動きを身体に覚えさせるトレーニングとしても有効です。メインのトレーニングに加えて、ウインドスプリントを3~5本入れると無理のないスピードトレーニングになります。
レペテーション
レペテーションとは全力で走り、十分な休憩をとり、再び全力で走るトレーニング繰り返します。スピードトレーニングとしては限界スピードを超える感覚を実感することが大切です。
負荷が高く無理をすると肉離れや故障の原因にもなるので注意が必要です。
閾値走
ペース走の一種ですが、少しきついと感じるペースで20分間走ります。少しきついと感じるペースを設定するのが難しいですが、ジャック・ダニエルズ氏が提唱するランナーレベルに合わせた閾値(Tペース)が参考になります。
心肺機能を鍛えるメニュー
心肺機能の鍛えるトレーニングは、フルマラソンを楽しみながら完走したいランナーには不要のトレーニングです。苦しいトレーニングを積んででもより高い次元の走りを求めるランナーが行います。
インターバルトレーニング
インターバルトレーニングは心肺機能を鍛える代表的なトレーニングです。急走と緩走を繰り返すトレーニングです。急走と緩走の組み合わせパターンは無限にあります。フルマラソンのインターバルトレーニングは1km急走、90秒ジョグが緩走を5セット繰り返すのが一般的です。
急走のペースはジャック・ダニエルズ氏が提唱するランナーレベルに合わせたIペースが参考になります。
HIIT
インターバルトレーニングを更にきつくしたものです。200mを全力で走り、30秒休んで200m全力を繰り返します。5~10本行います。強度が高いトレーニングで怪我のリスクもあるので、ウォーミングアップをしっかり行い、低めの本数、距離から慣らしてゆくのがおすすめです。
スピード持久力をつけるメニュー
フルマラソンで良いタイムを出すには後半失速しないことが大切です。一定のペースを保って走る力がスピード持久力です。
ペース走
スピード持久力をつけるメニューの代表はペース走です。ペース走は決めた距離を一定のペースで走るトレーニングです。距離とペースの組み合わせ方はいろいろですが、レースペースを基準に考えます。5kmをレースペースよりも少し速いペースで走ったり、20kmをレースペースより少し遅く走るなどです。
疲労を抜くメニュー
トレーニングで走力をアップさせるためには疲労を抜くことが大切です。トレーニングで刺激を入れた身体は身体を休めることで以前よりも高いパフォーマンスが出せるようになります。疲労を抜かないと次のトレーニングの質が落ちてしまいます。
スロージョギング
スロージョギングは疲労を抜くのに適した方法です。特に筋肉の疲労を抜くには、何もしないで身体を休めるよりも、軽く身体を動かし血流を良くする方が効果があります。スロージョギングは普段のジョギングよりも更に遅いペースで走ります。身体が温まってきてもペースを上げてはいけません。少し遅すぎると感じるペースのまま20~30分間を走ります。
まとめ
走力を上げるために効果的なトレーニングメニューはランナーそれぞれで違います。ランナーの目標、レベルによって適切なメニューが違うからです。トレーニングのために確保できる時間、疲労の具合によってもミューは変わってきます。
自分に合ったメニューは自分で作るのが一番です。メニューの特徴、役割を知っておくことは、自分に合ったメニューを作る助けになります。
しゅうぞう
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