ランニングウォッチの数字を気にしないで走ってみませんか?

ランニング知識

ランニング用GPSウォッチは様々な情報をランナーに教えてくれます。スタートしてからのタイム、ランニングペース、走った距離などです。心拍計が付いているタイプは心拍数まで表示してくれます。ランニングのタイム向上を目指すランナーはこれらの数字を気にしながら走っているのではないでしょうか。

「今日は5kmを1km辺り5分30秒のペースをキープしよう」と考えてスタートするとランニングウォッチが表示するペースが気になり何度も確認しながら走ることになります。タイム向上には目標ペースを決めて走るペース走は有効なトレーニングですが数字を気にし過ぎる弊害もあります。

この記事ではランニングウォッチの数字を気にし過ぎないで走ることをすすめています。数字を気にしないと、得られるものもあります。

GPSウォッチによる弊害

GPSウォッチはランナーにとってとても便利な道具です。上手く使いこなせばトレーニングが充実します。GPSウォッチの数字を気にし過ぎると弊害もあります。

GPSウォッチにペースを翻弄される

GPSウォッチのペース表示は時々狂います。都心のビルが多い場所で狂うことが多いのですが、建物がほとんどない場所で狂うこともあります。トータルでの距離計測の誤差は経験上1%程度ですが、途中で一時的にペース表示が急に上がったり下がったりします。

GPSウォッチのペース表示を鵜呑みにして、ペースを上げ下げすると不必要なペースの上げ下げをすることになるので注意が必要です。

フォームに意識がいかなくなる

ランニングではフォームを意識することが重要な場合があります。フォームを意識しなくても良いフォームでリラックスして走れるのが理想です。良いフォームを身につけるためにはフォームを意識して走ることが必要なときがあるのです。

GPSウォッチに意識がいき過ぎるとフォームへの意識が低くなってしまいます。

何度もウォッチを見る癖がついてしまう

ペース走のようなトレーニングは一定のペースで走ることは大事です。ペースを意識し過ぎてGPSウォッチを何度も見るのは悪い癖です。GPSウォッチを見るのは

  • 走り始めて1~2kmでペースが落ち着いたところで確認してペースを調整
  • 1km毎のラップタイムを確認
  • 疲れやフォームの乱れでペースが落ちてきたと感じたときに確認

といった程度が良いです。

ペースを気にし過ぎることによる弊害

GPSウォッチを見ることでペースに縛られてしまう弊害もあります。ペースに縛られることで無理をしてしまい、故障の原因になることもあります。

身体の調子をみながら走ることをしなくなる

人間の身体は毎日状態が違います。疲労が溜まってくるとパフォーマンスが落ちます。風邪を引いた時もパフォーマンスは落ちます。気候も身体への影響があります。ペースを決めて走ることが大事なトレーニングもありますが、身体の調子を感じてペースを変えることも大事です。

決まったペースで走るトレーニングしかしなくなる

ペース走のようなペースを決めて走るトレーニングは、レースで目標タイムを超えるためには大切なトレーニングです。時にはペースに縛られず自分の感覚を大事にしたトレーニングを入れるのも良いです。フォームに意識を集中して走ると楽にリズムに乗れて走れることがあります。

良い感覚を身につけるトレーニングも大切です。

調子が良いときでもペースを抑えてしまうことがある

ペースの数字を意識し過ぎて、もっとペースを上げられるチャンスを逃してしまうのは勿体無いことです。人間の身体の調子は一定ではありません。トレーニングの積み重ね、疲労の抜け具合、走りやすい気候などの条件が揃って、とても良い感覚で走れることがあります。

こんな時に事前に設定したペースに縛られると、ペースを抑えてしまいレベルアップの機会を逃すことになります。

数字を気にしなくなると身体からの声が聞こえる

GPSウォッチの数字を気にしないで走ることで得られるものがあります。身体からの声を聞いて走ることで得られるメリットは多くあります。

フォームに集中して走ることも必要

フォームに意識を集中し、ペースを上げて苦しくないペースで走るのは良いフォーム作る練習になります。事前に意識するフォームのポイントを幾つか決めておくと効果が高いです。いつも走っているコースなら距離も大体把握出来ているはずです。

意識するのはフォームだけです。

身体の声に従って走ることも楽しい

楽なペースから段々ペースを上げてゆくのも良いトレーニングになります。ビルドアップ走ですが、GPSウォッチの表示は見ないようにします。楽なペースで走り始めて身体がペースに慣れてきたら、更にペースを少し上げます。

身体の声を聞きながら、これ以上ペースアップするのは難しい位まで上げてみるのも楽しいチャレンジです。

数字に囚われなければランニングの楽しさを思い出せる

ランニングは楽しくて気持の良いものです。タイムやペースなどの数字に縛られ過ぎると段々と窮屈なものになっていきます。タイムアップをモチベーションに走っているランナーも時には数字を全く気にしないで走ってみると、純粋に走ることの楽しさを思い出せるかも知れません。

楽しいことはランニングを継続するために大切です。

GPSウォッチを付けて走る、でも画面は見ないで走る

GPSウォッチはランニング中、リアルタイムにペース、タイム、距離を知ることができますが、自動的にこれらのデータを記録してくる機能も大切です。データをとるためにGPSウォッチは着け、GPSウォッチの画面は見ないで走る方法はおすすめです。

走るときは身体の感覚で走り、後でデータを見る

GPSウォッチが計測したデータはいろいろなことを教えてくれます。データの蓄積は走力アップの指標になったり、疲労具合の目安になります。GPSウォッチの数値を気にし過ぎるのは良くないですが、GPSウォッチから収集したデータは貴重です。

データをとるためにGPSウォッチを付け、画面を見ないで走るのはおすすめです

心拍数のみを表示させる画面にする

GPSウォッチに心拍数を測り、表示してくれる機能を持った製品もあります。心拍数は身体からの声をダイレクトに教えてくれる数字です。ペースは気にしないで心拍数を身体からの声として表示させるのも良い方法です。

レースでウォッチを見ないのも時には面白い

フルマラソンでGPSウォッチの画面を全く見ないとペースが掴み難くリスクが大きいです。ハーフマラソンや10kmレースでGPSウォッチを全く見ないで走るのは面白い試みです。走り終わった後にペース、心拍数などを見て、走っているときの感覚と照らし合わせてみると新たな発見があるかも知れません。

まとめ

GPSウォッチから得られるリアルタイムのペースは、トレーニングやレースでのペースキープの参考になります。GPSウォッチのペースを気にし過ぎると、身体からの声に意識がいかなくなり、良い走りができないこともあります。

GPSウォッチの数値に翻弄されるのではなく、数値を上手く利用してトレーニング効果を上げましょう。

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しゅうぞう

しゅうぞう

現役のランニングインストラクターです。パーソナルで教えたランナーは400人以上、レッスン時間は約2000時間になります。週2回のグループレッスンも担当。ランニング学会会員です。ランナー、ランニングインストラクターとしての経験を記事に発信します。自己ベストタイムはフルマラソン2時間57分30秒(2016年)、ハーフマラソン1時間22分3秒(2018年)。