マラソンランナーがタバコをやめるべき理由「マラソンと健康の両立」

ランニング知識

健康のためにマラソンを始めたけれど、喫煙者である。タバコは健康に悪い、そんなことは分かっている。このマラソンとタバコは相反しているのではないか。

これはまさに喫煙マラソンランナーが抱えているジレンマではないでしょうか。

タバコの害が分かっているならば、そこから一歩踏み込んでマラソンにどう影響してくるのかを考えてみませんか?

タバコをやめたあとのマラソンへの効果を知れば、マラソンを始めたときと同じように禁煙もかなうかもしれませんよ。

タバコがマラソンに与える影響から吸いたくなったときの対処法、どれくらいの禁煙期間でマラソン向きの体に戻れるのか、禁煙して起こりうるマラソンへのメリットをまとめました。

タバコはマラソン能力を低下させるのか

タバコがマラソン能力を低下させる原因として大きく3つが挙げられます。

  1. ニコチンが筋力や瞬発力の低下を招く
  2. ニコチンは疲労回復力も低下させる
  3. 最大酸素摂取量(VO2max)能力が低下する

1.ニコチンが筋力や瞬発力の低下を招く

タバコは筋力や瞬発力能力を低下させます。マラソン選手だけでなく、プロのスポーツチームでも禁煙を促す運動が行われているようですよ。

タバコに含まれている「ニコチン」は脳、神経に興奮作用があります。これを習慣的に摂り入れることで、ニコチンがないと脳や神経が興奮しにくくなってしまうのです。

2.ニコチンは疲労回復力も低下させる

タバコによってマラソン後の疲労回復力が低下しますよ。

タバコに含まれるニコチンは血管を収縮させ、血液循環を悪くします。よってマラソンやトレーニングによって筋肉にできた傷を修復する力が低下する、ということです。

またタバコを吸うことで活性酸素が発生するので、マラソンによる疲労も回復しにくい、ということになりますよ。

3.最大酸素摂取量が低下する

最大酸素摂取量とは心肺持久力の指標として使われ、「1分間で体重1kgあたりに取り込むことができる酸素量を表す数値」です。

この値が大きいほど、高い強度の運動を長く行うことが可能になりますよ。タバコを吸うことで、血液中の一酸化炭素量は多くなります。すると細胞への酸素運搬能力が低下するので、最大酸素摂取量が低下するという循環です。

よって、タバコを吸うことで、心肺持久力は確実に低下するのです。

マラソンランナー向け「吸いたくなった時の対処法」

喫煙者だって「タバコがマラソンによくない」ということは承知のはずです。ランナーならでは、の禁煙方法をご紹介します。

  1. 冷たい水でニコチンの排泄と水分補給
  2. マラソン大会から逆算して禁煙スタート日を設定する
  3. 食後はトレーニングタイムに
  4. 行動パターンを見直す

1.冷たい水でニコチンの排泄と水分補給

吸いたくなったら、まず冷たい水を飲みましょう。

体内のニコチン排泄と気分転換に効果的です。マラソンに必要な水分補給ももれなくできますよ。

2.マラソン大会日から逆算して禁煙スタート日を設定する

マラソン大会にエントリーしましょう。逆算して禁煙を始める日を設定します。

目標があるとスムーズにタバコ生活から卒業できることがありますよ。

3.食後はトレーニングタイムに

食後の一服を防ぐ方法です。

また、禁煙中は運動をすることで、吸いたい気持ちが抑えられるというデータもあります。

とにかく吸いたくなったら、身体を動かすようにし「マラソンのためのトレーニング時間」と思うことにしましょう。

4.行動パターンを見直す

朝起きて、まずは一服。これをまずは水分を摂って、一走りに変えましょう。

大人になると行動はパターン化しがちです。身体がパターン化に慣れてくれば、気持ちのいい習慣の方がパターン化がより強固なものになりますよ。

2.3週間の禁煙期間で、マラソンに必要な機能に変化が訪れる

人によりけりですが、全身の倦怠感、呼吸状態までの回復を考えると数ヶ月を要します。

しかし、2.3週間で歩行が楽になったり、体循環が改善され、肺活量の回復がみられるようになるため、ここを目安にすると良いのではないでしょうか。

禁煙すると一日経たずして、身体はタバコからのダメージを回復しようと機能し始めます。2.3日もあれば呼吸も変化が見られ、肺活量も増加に向かいます。

まずは2.3週間を目標に喫煙前後の自分の変化を感じてみてはいかがでしょうか。数年単位では、ガンの発生確率も減少させることが可能になりますよ。

タバコをやめてマラソンをするメリット

タバコをやめることでマラソンには次のようなメリットが生じてきますよ。

  1. 禁煙中の糖尿病リスクの減少
  2. 浮いたタバコ代をマラソングッズに
  3. 集中してマラソンに取り組める

1.禁煙中の糖尿病リスクの減少

禁煙中にマラソンすることで、糖尿病のリスクを下げられますよ。喫煙者が禁煙することで、2型糖尿病のリスクが上昇します。

糖尿病のリスクを高める原因の1つに体重増加が挙げられ、マラソンによって体重増加が防げれば糖尿病リスクも下げられるのです。長期的に見れば、禁煙とマラソンと両立できる、というメリットしかありません。

2.浮いたタバコ代をマラソングッズに

今までタバコを買っていたお金で、シューズやウエアを買いましょう。

新調することで、気持ちも前向きにマラソンに取り組めます

新調したとなったら、また続ける理由になりますよ。貯蓄に回さず、是非マラソングッズにあてましょうね。

3.集中してマラソンに取り組める

タバコをやめると、マラソンに集中して取り組めるようになりますよ。

ニコチンはイライラさせたり、集中できなくなる、といった症状を引き起こします。これによって、練習時間が短くなったり、しない日が多かったり、という結果になってしまうのです。

ニコチンが身体から抜けるとこういった症状から解放されるので、気持ちいい走りができるようになるはずです。このとき、ビタミンB1を摂るとさらに集中力が高まりますよ。

最後に

①タバコはマラソンに必要な能力を低下させますよ。

②吸いたくなったときには、マラソン大会エントリーや水分補給といった方法を取り入れて前向きに対処しましょう。

③まずは禁煙2.3週間を目標にマラソンを続けましょう。禁煙前後の体の違いが実感できれば、禁煙を続ける目標になりますよ。

④禁煙中は2型糖尿病を発症するということがあります。マラソンを続けていることは糖尿病を防ぐうえで最大の武器になりますよ。

「禁煙しながらマラソンすることで糖尿病予防がかなう」ということが一番大きなメリットになりますよ。マラソンをしながら禁煙することで、ただ禁煙するよりも目標が多くなるので達成しやすくなるのではないでしょうか。「マラソンとタバコ」ではなく「マラソンと健康」を両立していきましょう。